ザンビ〜生と死の狭間を彷徨う者達への鎮魂歌〜   作:ルコル

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第30話

実乃梨の部屋を後にしたあと、流斗達は急いで正面玄関に向かっていた。

 

 

守口「急ごう。あまり時間かけたくはないからな。」

 

 

流斗「ええ、そうですね。」

 

 

楓「はい。」

 

 

それからしばらくして、流斗達は守口の車が止めてある、正面玄関に到着した。

 

 

すぐ様に正面玄関を出ようとするが、なぜか鍵がかかっていて、ドアが開かなかった。

 

 

流斗「クソっ!マジかよ!」

 

 

楓「おそらく先生の仕業だ。」

 

 

守口「あのカミビトめ。こんな事までしていたのか。」

 

 

そこで流斗はもうしかたないので、このドアを破壊しようと提案する。

 

 

流斗「ダメだ。破壊しよう。」

 

 

楓「え?」

 

 

守口「そんな事して大丈夫なのか?」

 

 

流斗「魔法で修繕すれば大丈夫ですよ。」

 

 

流斗はそう言ってニヤつきながら、デュランダルを抜き放った。

 

 

流斗「二人共少しオレから離れてて。」

 

 

流斗がそう促すと、二人は流斗から距離を取った。

 

 

流斗「聖剣【デュランダル】!!フィジカルモード!!」

 

 

その瞬間、デュランダルから光の奔流が眩いほど、出てきた。

 

 

流斗「このまま行くぞ!!」

 

 

流斗はその勢いのまま、正面玄関のドアを斬り裂いた。

 

 

ザン!!ズドォォォォン!!!!

 

 

流斗の一撃により、ドアはあとかたくもなく吹き飛んだ。

 

 

楓「うわぁ·····」

 

 

守口「派手だな。」

 

 

流斗は何も言わずそのまま外に出た。

 

 

流斗「行きましょう。」

 

 

楓「うん。」

 

 

守口「ああ、わかった。」

 

 

流斗は二人が出たのを確認した後、修復魔法をかけた。

 

 

流斗「力よ来たれ!我求めるはあるべき形!!【リペア】!!」

 

 

流斗が魔法をかけると、壊れたドアは瞬く間に作り直されて行った。

 

 

流斗「これでよしと。」

 

 

守口「すごいな本当に。」

 

 

楓「もう直っちゃった。」

 

 

楓と守口は改めて、流斗の魔法を賞賛していた。

 

 

流斗「さて、守口さん。それでは運転をお願いしますね。」

 

 

守口「ああ、わかった。車はこっちだ。」

 

 

守口はそう言って、車の方へ案内した。

 

 

車の方へ辿り着くと、すぐさま乗り込んだ。

 

 

乗り順は、運転席に守口、助手席に流斗、後部座席に楓という形になった。

 

 

守口は全員が乗り込んだのを確認すると、エンジンをかけて発進した。

 

 

守口「残美村には高速で三時間かけて行く。着くのは午後3時くらいだな。」

 

 

流斗「結構かかりますね。」

 

 

楓「もしかして、泊まりになるかもしれない?」

 

 

守口「まあ、一泊はすることになるだろう。」

 

 

流斗達はおそらく一泊することになるだろうと最初から、踏んでいたがどうやら、そうなる様だ。

 

 

流斗はその時、助手席の前の収納スペースに一枚の写真を見つけた。

 

 

流斗「守口さん、この写真って·····」

 

 

守口「ああ、娘だ。」

 

 

流斗はその写真を手に取って見てみる。

 

 

だが、その写真は守口の娘の顔が歪んで写っている物だった。

 

 

守口「私はなんとしてもこの事件を終わらせたい。神村くん、どうか頼む!」

 

 

流斗「もちろん、わかってます。オレの仕事でもありますし。」

 

 

楓「私からもお願い。どうかあんなことが二度と起こらないようにして。もうあんな思いをするのは嫌だ。」

 

 

流斗「ああ、もちろんだとも。」

 

 

流斗はそう言いながら、もしもの時の最終手段について考えていた。

 

 

流斗(もしもの時は、100年前の女性の怨念と運命を共にすることになるのか。まあ、そうなったらしかたないか。)

 

 

その最終手段とは、自分を犠牲にその怨念を完全に消し去るというものだった。

 

 

それを楓と守口はその時、知る由もなかった。

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