流斗「い、イザナミ!?なんでまたあなたのような存在がここに·····」
イザナミ「その話はまたおいおいするとしましょう。私はあなた方にお願いがあるのです。」
楓「お、お願いですか?」
イザナミは流斗達を見回し、その自身について話し始めた。
イザナミ「私は100年もの間、彼女のことを見守って来たのです。」
流斗はイザナミの言うその彼女とは誰か、この時すぐに気付いた。
流斗「まさかその彼女って·····」
イザナミ「ええ、100年前。この地で生き埋めにされた女性の事です。」
そのままイザナミは話を続ける。
イザナミ「彼女は神楽もみじという名前の美しい女性でした。」
そう言いながら、イザナミはこの祠に祀られていたと教えてくれた。
それ故に、彼女が生き埋めにされてから、彼女の死を確信し、黄泉の世界に彼女の魂を導こうとしていた。
だが、その時に異変は起きた。
彼女の魂が肉体から離れて来ないのだ。
異変に気付いたイザナミは、生き埋めにされている場所に確認をしに行った。
イザナミがそこで見たものは、おぞましい怨念を振り撒き、ザンビとなってしまった彼女だった。
イザナミはこの時初めて、彼女が死んでいないことに気付き、このままでは魂を黄泉の世界に連れて行けないため、為す術なく祠に戻った。
それから100年ものの間、彼女のことを見守り続けていたと、イザナミは語った。
流斗「神は直接この世に鑑賞はできないからですか。」
イザナミ「ええ。この世界に直接神が干渉する事は出来ません。私は死を司る黄泉の女神ですが、私に出来るのは死者の魂を冥界に送り届けることだけです。」
守口「なるほどな。」
真二「それで私たちみたいな人間が現れるのを待っていたという訳か。」
イザナミ「はい、どうか彼女を救ってあげてはくれませんか?このままでは、この世界は、生きるも死ぬもなく、ただそこに存在するだけの人間で溢れかえってしまいます。」
イザナミのその思いを聴いた流斗達は、当然と言わんばかりに頷いた。
流斗「もちろんそのつもりです。イザナミ様。」
エリーゼ「ええ。私共々、そのつもりでこの地に参ったのです。」
もちろん楓達も、流斗と同意見だった。
イザナミ「ありがとう。それと名を神村流斗でしたか?」
流斗「ええ、そうですが。何故オレの名前を?」
イザナミ「あなたの記憶を少しのぞかせてもらいました。」
流斗「なるほど、そうですか。」
イザナミ「あなたに授けたい物があるのです。」
イザナミはそう言って、一振りの日本刀らしき刀を流斗に手渡した。
流斗「これは?」
イザナミ「それは、神刀【カグツチ】です。」
流斗「神刀【カグツチ】?」
この神刀【カグツチ】はイザナミによると、火の神【ヒノカグツチ】の炎とその力の一部が宿ってる刀らしき。
イザナミ「その刀には、私の息子のヒノカグツチの力の一部とあらゆる物を浄化する炎が宿っています。」
流斗「その刀で彼女の怨念を魂ごと浄化してください。そうすればあとは彼女の魂を私が冥界へと連れていきます。」
イザナミの提案に流斗はなんの躊躇もせず、了承した。
実は言うと、誰にも言ってはいなかったが、もし最悪彼女を浄化出来なかった場合、四大天使全員の力を借りて、自分を犠牲にあの世に彼女の魂を連れて行こうとしていた。
それを使わずに済む確率が高まるのなら、流斗はその提案に乗ろうと決めた。