第51話
ザンビ騒動から、一年がたった頃。
フリージア学園の生徒達はみんな復学し、普通に授業を受けている。
教師達も全員復帰し、仕事に勤しんでいた。
楓たちの担任はとんでもない事をしたと反省しており、シスター・エリーゼと共に、学園に行き、楓たち全員に謝罪をした。
最初は受け入れてもらえなかったが、楓の説得により、最終的にはなんとか受け入れてもらえた。
その数日後、もみじも同じように学園に趣き、全員に謝罪した。
もみじに関しては、フリージア学園の関係者は真相を知っている為、すぐに受け入れてもらえた。
それどころか、彼女を同情する声さえ上がっていた。
東京の方は、教会関係者達の協力により、復興が今も進んでいる。
このまま復興が進んでいけば、あと一年くらいで東京は日本の首都として、完全に復活するであろうと言われている。
元残美村の住人たちは、教会本部に保護され、自分達のしてきた行いが、いかに惨たらしく、残虐な行為だったか、教会関係者に教えられた。
今では、それぞれ社会復帰するか、そのまま教会関係者になる者がいた。
今回、日本全土を恐怖に陥れたこの事件を教会は「ザンビ惨禍」と名付けた。
さらに教会の調べによると、ザンビ惨禍が始まってフリージア学園に被害が出始めた頃、他の場所でもいくつか、同じタイミングで被害があったことがわかった。
まず一つ目は、教会が調べていた女性医師による人体実験が行われていた医療施設である。
この場所は、ザンビであると疑いをかけられた人たちが収容される収容施設であった。
女性医師の天津圭によって、ザンビにここの収容されている人を一人ずつ、噛ませていたことがこの施設から逃げ出し、一人生き残った一ノ瀬杏奈という女の子からの話でわかった。
また、彼女からの話で衝撃的だったのは、天津自身もザンビとなっていた事だった。
天津は人間を憎んでおり、自分自身をザンビに噛ませ、望んでザンビになったと言っていたそうだ。
だが、その天津も彼女の親友である鳴沢摩耶によって倒された。
ここにも、何人かフリージア学園の生徒がいたらしいが、ザンビ惨禍の間は他の収容者も含め全員ザンビまたは神人となってしまっていた。
鳴沢摩耶自身も空爆に巻き込まれる前に、ザンビに噛まれ、ザンビ化していたのだが、もみじの呪いが消滅した事で元に戻っていた。
今は、杏奈と共に教会に保護されている。
だが、残念な事にここに収容されていたフリージア学園の女子生徒一人と男性一人が、犠牲となってしまっていた。
同じく収容、そして収容者達の監督をしていたフリージア学園の女性教師、本庄美奈子によって殺されてしまった事が原因で。
理由は食料が底を着きかけ、おそらく生き延びられないだろうと悟ったためと杏奈は言っていた。
本庄は、ザンビ襲撃の際に追い詰められ、自分の頭を銃で撃ち抜き、自ら命を絶ったことがその後の調査で明らかになった。
また、施設は日本の防衛省から派遣された自衛官によって、厳しい監視が行われていた。
ザンビの疑いがある者、施設から逃げ出そうとする者は容赦なく射殺するとその自衛官は言っていたそうだ。
その収容施設がザンビの襲撃に遭うと、その自衛官は無差別にザンビであろうと人間であろうと関係無く銃を発砲した。
だが、その自衛官も神人に襲われ、ザンビ化した。
その自衛官自身、ザンビのことは知っていても、神人のことは知らなかったそうだ。
今は元に戻り、その時の所業を問い詰められ、教会本部に拘束されている。
そこに同じく収容されていたフリージア学園の生徒である、一色彩菜と桂雪穂はザンビ襲撃の際は摩耶達と校庭裏から逃げ出そうとしたが、彩菜はザンビの大群に襲われ、ザンビ化し、雪穂は知らぬ内にザンビに噛まれていたらしく、同じくザンビ化してしまった。
その後は、神人ととなり、東京をさまよっているのを何回か見たと調査していた剣斗が言っていた。
またこの二人には、同じフリージア学園に通う後輩も二人いて、名前を本宮佳蓮、飯野ゆかりというらしい。
ザンビ襲撃の際に、佳蓮は摩耶達の目の前でザンビ化し、摩耶や杏奈を襲った。
その後佳蓮は、摩耶によって頭部をフェンシングの剣に貫かれ、絶命したかに思われたが、東京にて、神人となった姿でさまよっていたと剣斗の報告にあった。
ゆかりは同じくザンビ襲撃の際、施設の最上階に逃げ込んだが、ザンビの大群に襲われ、ザンビ化した。
ゆかりも同じく神人の状態で、東京をさまよっていたと剣斗からの報告が上がっている。
現在は、彩菜と雪穂、佳蓮とゆかりは元に戻り、フリージア学園に復学している。