今回はかなり短いです。
「アンタがトオノシキ?こっちはベル・クラネルで間違いない?」
「「は、はい」」
初対面の人だったので、とりあえず敬語を使おうとしたが、ベル君と被る
気の強そうな
後ろに控えていた柔らかそうな長髪の少女が、おどおどしながら歩みでてきた。
「あの、これを……」
上目がちに差し出される、2通の手紙。俺とベル君で1通ずつ。ベル君と顔を合わせて2人で頭の上に ? を浮かべる。しかしベル君はこの手紙がなんだか分かったようだ
「…シキさん、これ招待状ですよ」
「招待状?」
上質な紙には
つまりコイツらは……
「ウチはダフネ。この娘はカサンドラ。察しの通り、【アポロン・ファミリア】よ」
自己紹介をする女性、ダフネさんは、俺の予想通りの所属を明かす。
射手と光明を連想させる弓矢と太陽のエンブレム———【アポロン・ファミリア】。昨日、酒場で一悶着を起こした冒険者と、仲間に当たる人達だ。やはり昨日の忠告は聞こえてなかったみたいだ。
側にいたエイナさんがそっと俺たち2人に顔を寄せて、「ダフネ・ラウロスにカサンドラ・イリオン、2人ともLevel 2で、第3級冒険者だね」と耳打ちしてくれる。名前はエイナさん曰く有名な方で、どうやら
2人とも俺と同じか少し上だと思う。
吊り目のダフネさんは強気そうな印象を最初は受けたが、思ったより落ち着き払った人物らしい。逆に垂れ目であるカサンドラさんは、纏っている雰囲気もあってか、どこかあどけなく見える。
こちら2人を探していたようだし……冒険者の出入りが激しいこのギルド本部で、俺たちが姿を現わすのを待っていたのだろうか。
「え、べ、ベル君。こういう時ってどうすればいいの?なんか言うの?俺なんも知らないんだけど……」
「僕だって知りませんよ!」
2人でこそこそ話して、どうすればいいか困っていると、カサンドラさんがやはりおずおずと話しかけてきた。
「あの、それ、案内状です。アポロン様が『宴』を開くので、も、もし良かったら………べ、別にこなくても結構なんですけどっ…………」
聞く人が聞いたら失礼だったのかもしれないが、一生懸命言っている様は見ていて面白い。
ぺしんっ、とカサンドラさんの後頭部をダフネさんが叩いて、身を乗り出す。
「あぅ」という呻き声を無視して出てくる彼女は招待状と俺、招待状とベル君。交互に指を向ける。
「必ず貴方たちの主神に伝えて。いい、渡したからね?」
「………わかりました」
「はぁ……わかりましたけど」
けど、に続く言葉があったわけじゃないが有無を言わせない態度に少し不満みたいなものがあったのかもしれない。
しかし、念を押されて了承すると、ダフネは身を引いた。無駄話をするつもりはないのか、カサンドラさんに呼びかけ俺達の前から立ち去ろうとする。
短い髪を揺らす彼女は、その去り際、こちらに向かって
「あんたのLevelがいくつであろうとアポロン様には関係ない。ご愁傷様」
え?と聞き返す俺を無視してダフネさんはそれ以上何も言わなかった。
背を向けて離れていく彼女をカサンドラさんが会釈をした後、慌てて追っていく。
エイナさんとベル君と一緒に立ち尽くしながら、俺は手元の招待状を見下ろした。
ややあって、手紙はレンに渡して、ベル君、エイナさんと別れる
いろいろ分からないことが増えてしまったがようやくオラリオに来て本当の目的である。
ダンジョンだ————
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