殺人貴はダンジョンに行く   作:あるにき

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始まる前に1つ。
細かいことは無しの方向でお願いします。作者のメンタルが砕かれますゆえ


ではどうぞ


いざパーティへ!……なんで顔赤いんだ?

それから宴までの間、志貴はダンジョンに潜り続けた。理由は1つ。金だ。

あとからヘスティアとベル君に聞いたことだが、『神の宴』はドレスコードが必須だったらしい。

しかし、現在の【アルテミス・ファミリア】にお金はない。学ランでごまかせるかもしれないと思ったがダメだと言われた。その為、アルテミスと自分の衣装を買うためにダンジョンに潜ったのだ。仕立てる時間も考慮すれば、時間は本当にない。

しかし志貴はめげなかった

必死にダンジョンを走った。魔眼だって使った。曰く、ダンジョンには意思があるらしい。1つの生物だとも聞いた。

その為かダンジョン内のモンスターは量産型に近い。つまり、『死』が見えやすかったのだ。良く視る、あるいは魔眼が高ぶっている時じゃないと、明確に見えない『死の点』ですらただ視ただけで捉えることができた。

オラリオの外のモンスターにそんなことはなかったが。

 

ともあれ、もの凄い勢いでダンジョン探索していた志貴は他の冒険者の間で噂になっていた。

それもそのはず、7階層などゆうに超え、8階層、10階層、果ては17階層にまで来ていた。

志貴のLevelなら問題はないが、今の彼は防具をつけていない。通常なら危険だが、生憎志貴は常に吸血鬼(最強)と戦って来たのだ。今更迷宮の孤王(モンスターレックス)などに怖がる志貴ではない。というより、なるべく魔眼を行使し過ぎないようにしながらも出会ったモンスターを『死の点』で一発だったので迷宮の孤王(モンスターレックス)をでっかい魔石を落とすモンスターぐらいにしか考えていなかった。ちなみにこの迷宮の孤王(モンスターレックス)は17階層のゴライアスだ。ともかくそれを倒した志貴はその馬鹿でかい魔石を半日かけて持ち帰った。外に出た時には一日経過しておりそれを売り、大量のお金を手に入れた志貴は急いでアルテミスを連れて衣装を仕立ててもらった。

結果的にギリギリにはなったが『宴』には間に合ったのだった……………

 

 

 

—————————————————————

 

突然ではあるけれど、オラリオは今、春を迎えている。

冬の重く垂れ込めていた雲が姿を消し、あらゆる草花が一斉に花に咲かせる季節。オラリオにくるまでの期間は冬だった訳だが雪は降らなかった。オラリオがどの辺りに位置する街なのかよくわかってないが、いうほど四季の違いを感じさせはしなかったのが印象的だ。

この時期は判って都市を訪れる旅人の数も多くなるらしい。ベル君は2ヶ月ぐらい前にオラリオに来たらしい。都市の賑わいに一役買っているのは案外ベル君みたいな都市外出身の人々のおかげなのかもしれない。

寒さは緩み、日に日に気温は高くなっている。

夏の足音を身近に感じさせるようになっている中———俺たちは今馬車に乗っている。『神の宴』の出席のためだ。馬車に乗る前に別れたベル君は酷く緊張していたが、俺はそうでもない。遠野志貴という人間はあまりこの手のもので緊張する人間ではないのだ。今は窓の外で流れる茜色の街の光景を眺め続けていた。

 

馬車が止まる。

馬の(いなな)きが響く中、高級な作りの扉を開けて、外へ出る。

普段の学ランとは違ってあまり着慣れない礼服、いわゆるタキシードというやつだ。靴は高価そうな革製。

誰かをエスコートなんて経験がほとんどないが、なんとなく執事にでもなったつもりで挑もうと思う。これは志貴の自覚していることではないが、七夜曰く、遠野志貴という人間はもともと要領のいい方で、なんでもやれば人並みには出来てしまうのだ。

振り返り、次に降りてくる少女に手を差し伸べる。奥に座っていた少女は嬉しそうに微笑み手を取り———なんてことはなく振り払われた。

顔を覗かせたのはアルテミス。

正装のドレスで身を包み、普段よりずっと綺麗で華々しい。

 

「あまり触れようとしないでくれませんか?ただでさえこれからアポロンに会わないといけないというのに…………ところで志貴。貴方、執事でもやっていたのですか?」

 

「ん?いや別にそんな経験ないが……それよりアルテミス。お手をお取りください、お嬢様?」

 

「っ!?」

 

ちょっとそれっぽく言ってみたが、割と受けは良かったらしい。せいぜい睨まれることはなかった。その代わり少しし顔が赤い気がする。

 

「わ、分かりました……でもそれは辞めてください」

 

「そうか?結構、堂に入っていたと思ったんだが……」

 

「……………」

 

いつもの侮蔑の目ではなく、ジト目で睨まれた。はいはい辞めますよっと。

恐る恐る、と言った感じに手を取ったアルテミスを確認しゆっくりと馬車から降りてもらう。地面に降りたアルテミスはまだ少し顔を赤くしながら手を離す。そこまで恥ずかしいことは言っていないと思うんだが…

 

志貴は知らない、さっきの従者っぽい態度がアルテミスにドストライクだったことを

 

続々と集まる高級そうな箱馬車、正装している何人もの美男美女、止めに大富豪の豪邸——いや、宮殿かと見粉うほどの巨大な会場施設。遠野の家より大きいかもしれない。豪華ではあるが、庭などは遠野の家の方が綺麗な気がするのはささやかな対抗心だろうか。

本日【アポロン・ファミリア】が開催する『神の宴』は、眷属一名を引き連れての(, , , , , , , , , , , )、神と子を織り交ぜた異例のパーティだったのだ。




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最近ハンドスピナーを発掘したんで無意識にやっています。どうでもいいですね

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