殺人貴はダンジョンに行く   作:あるにき

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こんにちわ
短いことは徐々に解消していきます!


ではどうぞ


いざパーティへ!………だからなんで顔赤いんだ?

本日【アポロン・ファミリア】が開催する『神の宴』は、眷属一名を引き連れての(, , , , , , , , , , , )、神と子を織り交ぜた異例のパーティだったのだ。

通常『神の宴』では眷属の参加は認められないが、今回は主催側が同伴を条件としていたのだ。これが前にヘスティアの言っていた趣向が凝らされている。の正体だ。

娯楽を求めて下界に降りてきた神達は例によって面白がってその要求を呑み、自分の子供を自慢しようと選りすぐりの団員を判って参加している。完璧な容姿を誇る男神女神に紛れて、派手に着飾った冒険者や職人達がごろごろといた。無論俺もその1人。

少し前の方にいたベル君とヘスティアを見つけるものの、ベル君がやたらキョロキョロしている。緊張だろうか

ふと横のアルテミスに視線を向ける。

 

「どうしたんだよ、アンタ。似合ってるんだからそんな目するな」

 

アルテミスの目つきはかなり悪くなっていて、おそらくだが

 

「あまり見ないで頂けますか駄犬。……これからアポロンに会うのかと思うと……」

 

駄犬?!そんなの出会った当初ぐらいしか言われなかったぞ?!どんだけ動転してるんだよ……

しかし予想通りでアポロンと会うのがいやらしい。

今のアルテミスの格好は水色のドレスで、髪の色も相まってよく似合っている。沢山のレースとフリルをあしらっていて、露出こそ少ないがアルテミスの女性らしさがよく際立っている。

何処かの国の王女様………というより普段の態度からして女帝か?ともかく今のアルテミスは可憐さと美しさが同居している。

 

「すまぬな、シキ、アルテミス。服から何まで、色々なものを世話になって」

 

俺達に続いて馬車から出てくるのは神のミアハさん。その手に引かれて、団員であるナァーザさん。勿論2人でも正装している。

ミアハさんの【ファミリア】はポーション販売のお店をやっている。

俺が初めてダンジョンに行った日、実はそのお店に行っていた。

エイナさんに「ポーションは1本でもいいからもっていきなさい!」と言われたためベル君に貰ったお金を握りしめ駄菓子でも買いに行く子供の気分でミアハさんのお店に行ったのだ。そしたら、ナァーザさんやミアハさんが荷物運びやらなんやらで忙しそうだったので手伝わせて貰った。終わった後、買ったポーションとは別に一本タダで貰えだのだが、そのポーションはダンジョンで怪我にこそ使うことはなかったが、ダンジョンで会った怪我をしている人に上げてしまった。そういうところ根本は違えどミアハと志貴は似ている。

あげてしまったため、招待状を貰った次の日。またポーションを買いに来た志貴だったが、先客がいたベル君とヘスティアだ。要件は『神の宴』のことだった。

最初は極貧【ファミリア】の分際で豪遊するのは抵抗がある、と宴の参加に乗り気ではなかったミアハさんだが、俺が『ナァーザさんも普段苦労してそうだし、偶に羽目を外してもいいんじゃないですか?』と言ったら確かに、と最後は苦笑して納得してくれた。志貴は見ていたのだ。ポーションをもらった日、受け取った瞬間にナァーザさんの目が死んでいたことを。きっと苦労人なんだろうな、と思っていたが結構合ってるらしい。

ついでとばかりにポーションを買うために持っていた6万ヴァリスを渡し、これで衣装とか買ってくださいと言うとかなり感謝された。6万ヴァリスで足りるらしい。オラリオの物価がよくわからなかったがいつだったの話を総合すれば日本より桁が1つ少ないと考えていいかもしれない。そうすると6万は60万なわけだから確かに十分だ。馬車などの手配はヘスティア達任せたが、俺達と同じ馬車に乗ることで解決した。

 

「誘ってくれて、ありがとう、シキ……」

 

神同士なら男嫌いも少しは……と思ったが、考えてみれば天界で湯浴み覗き事件が起きたんだっけか。

聞けばミアハさんは無自覚の『女誑し』な側面があるらしい。それに対して『恋愛アンチ』のアルテミスは相性が悪かった。お互い面識はあるらしいが、アルテミスは超無視して、ミアハさんがオロオロしてる。可哀想だ。

なんて考えていたらナァーザさんが話しかけて来てくれた。馬車の中じゃ緊張してるのか、中々口を聞いてくれなかったのだ。

 

「感謝を言われるほどのことはしてませんよ、それよりナァーザさん。よく似合ってますよ」

 

それを聞いたミアハさんが『ナァーザにも春が……』と言ったらアルテミスに睨まれていた。

ナァーザさんの種族は犬人(シアンスロープ)という獣人だ。18歳らしいので敬語はいいですと断っている。

そのため褒められて嬉しいのか、半分瞼が下りている彼女の表情は心なしか嬉しそうで、ぱたっ、ぱたっ、と尻尾を左右に振っている。

前に会ったときは質素な服を着ていただけに、今のナァーザさんのドレス姿はとても魅力的だった。生地は赤く、右腕の義手を隠すように長袖の設計で仕立てられいる。義手は冒険者をやっていた時に喰われたらしい。それがトラウマで冒険者を引退して、オラリオにある『銀の腕』という義手をつけている。これば馬鹿高くてこれり買うために借金をしたためもともと中堅どころでそれなりに規模のあった【ミアハ・ファミリア】の団員たちは次々と抜けていき、今ではナァーザさんだけの貧乏弱小ファミリアになってしまったらしい。それはともかく犬と言うこともあり、レンは苦手かな。いつだったか白いのと一緒に犬から逃げてたし。

 

「ではシキ、そろそろ行くとするか」

 

「ええ、不本意ですがマナーです。仕方ありませんね」

 

ミアハに促される。要はこれアルテミスとナァーザさん2人をエスコートしろということだ。さっきアルテミスにはやるなと言われたがもう一度やるか

 

「それではお嬢様方、お手をお取りください。エスコート致します」

 

「「———?!」」

 

それを聞いた2人は途端に顔を赤くして俯く。なんでだ

 

「シキは執事でもやっていたのか?なかなか堂に入っているじゃないか」

 

「そんな経験ないんですけど、そう言ってもらえると嬉しいですよ」

 

 

志貴は知らない。アルテミスだけでなくナァーザにも従者然とした態度はドストライクだったことを

 

2人はおそるおそる俺の手を取る。

背後を振り返ると、たちまち視界一杯に現れる豪華な宮殿。開かれた正面玄関には貴族然とした神達が足を向け、きらびやかな衣装を纏う眷族とともに入室している。

……やっぱり遠野の屋敷の方が…………やめよう。

周囲に倣ってアルテミスとナァーザさん、2人の女性をエスコートし、俺達は見上げるほど高い建物の中へと入っていった。




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やっぱ短いんですよねぇ

戦争遊戯の内容についてアンケとります

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