もっと早く始められたら文字量増やせたんですが、これ以上やると今日投稿できないので………
ではどうぞ
「あの、この建物って【アポロン・ファミリア】の所有物……ホームなんですか?」
不意に、ベル君がそんなことを口にする。そういえばそうだ、こんなでっかい宮殿が買えるほど冒険者ってのか稼げるものなのか?
「いえ、違います。この施設はギルドが管理している公的な物件です。必要があれば、【ファミリア】や商人達に貸し出しを行っています」
ベル君の疑問に、眼鏡さんが答える。俺も眼鏡だが。後から自己紹介してアスフィという名前だと知った。そっか……シエルじゃなかったか……
当然か
続いてタケミカヅチさんが口を開いた。
「ホームで『宴』を開く神もいるが、それはガネーシャくらいだな。普通、【ファミリア】の本拠地に他派閥の連中を招く真似しない」
タケミカヅチさんの説明に納得する。ガネーシャが誰だからわからないが
「情報とか、いろいろと盗み放題ってことか」
「うむ」
俺の言葉にミアハさんが相槌を打つ。
俺達の会話を隣に、ヘファイストスさんとヘルメスさんも四方を見渡した。ヘルメスさんはさっき、俺に何かいいかけていたが、何をいうつもりだったのだろうか。単純に服装を褒めるだけ、といった雰囲気じゃなかったようにも思う。………考えても仕方ないか。
「今日の『宴』はまた勝手が違うから、普段はこないような神もいるみたいね」
そういえばさっき、ナイフはどんな調子か、とヘファイストスさんに聞かれてようやくアルテミスにナイフの説明をしていないことに気づいた。隣にいたヘスティアも招待状のことでゴタゴタしていて聞くタイミングがなかったらしい。かくいうヘスティアは【ヘファイストス・ファミリア】の店でヘファイストスさんに続いて奥に入っていく俺を目撃してるのだ。なんだったのか気になったのだろう。
ヘファイストスさんには言わなかったが、アルテミスとヘスティアには元いた世界で見たことあるナイフだったと説明したものの、なぜそんなことを忘れていたのだっ!とアルテミスには罵られた。
「ああ。アポロンも面白い計らいをするなぁ」
ヘファイストスさん達の話を、ちらりと
一つ気になっていたことがある。せっかく、神達がいるのだし聞いてみるのもいいかもしれない。なにせアルテミスやヘスティアは話してくれなかったのだ。アルテミスは言わずもがな。ヘスティアは端切れが悪そうにするばかり。俺は聞いてみることにした。
「あの……アポロンさんって、どんな神なんですか?」
「ん、気になるのかい、シキ君?それにベル君も」
ヘルメスさんの言葉にベル君の方を見ると、『セリフを取られた』みたいな顔をしている。つまりベル君も同じことを聞こうとしてたんだろう。
俺はは「はい」とヘルメスさんの言葉に頷きを返す。
「面白いやつだよ。オレは天界から付き合いがあるけど、見てて飽きない。他の神々からはよく笑い種にもされている」
見た目に反してそんなやつなのかと、意外に思った。ベル君もそうだったみたいで俺達は揃って目を点にしてしまう。
「とにかく色恋沙汰には話題がつきないやつでね。冒険者でもないのに
何だよそれ、結局よくわからないな。
「恋愛に熱い神、ってことさ。なぁ、ヘスティア?」
「知らないよっ!」
「やめなさい、ヘルメス。それはヘスティアの黒歴史です」
いつの間にか背を向けて食事——食い溜め——をしていたヘスティアは、ニヤニヤしているヘルメスさんに叫び返す。アルテミスも口を開くがヘスティアとアポロンの間に何があったのかは察せない。料理を食べてるヘスティアの背中はどことなく不機嫌だが、一体何があったんだよ……
「後は、そうだな——
「は?」「え?」
なんだよ執念深いって。
何処の
どういう意味なのか尋ねようとした、直後。
ざわっっ、と広間の入り口から起こった大きなどよめきに、俺の声は遮られた。
「おっと……大物の登場だ」
音の出どころを見つめて、ヘルメスさんがおどけるように言う。
俺も人込みの奥に視線を飛ばすと——何が騒ぎの原因になっているのか、一瞬で理解した。
衆目を根こそぎ集めているのは、巨身の獣人を従えた、銀髪の女神だった。
見ただけでわかった。前に感じた視線の主だ。……こう言っちゃなんだが、あんな美人でも視姦の趣味なんかあるんだな………
「大まかあっているとは思いますが、いくらなんでも視姦なんて言わないであげてください。流石に可哀想ですよ、志貴」
「だからなんでアンタは俺の考えが分かるの!?」
「フレイヤ、【フレイヤ・ファミリア】の名前は説明したでしょう?」
あ、無視ですか……
しかしフレイヤ、か
確かに聞いたな
【ロキ・ファミリア】と並ぶ最強派閥……だっけか
都市最強のLevel……7?がいるはずだ。
多分だがアレだ。後ろにいる大男。動物の耳があるし獣人だ。………ネロ・カオスを思い出すな。体から動物出てこないかな、なんかゴツイし
しかしアレがフレイヤ……
なんとなく、『さん』を付けるのは憚られる。
フレイヤの登場を境に、場は一気に盛り上がった。それほどまでに彼女は美しい。
銀の髪を持つ美貌も、大きな胸やくびれた腰を閉じ込めた天の衣のようなドレスも、一つ一つの動作でさえも、沢山の視線を釘付けにしている。しかし俺は———彼女より美しい女性を知ってる。だから大した驚きはなかった。
「———ぬっ!?」
突如料理を貪っていたヘスティアのツインテールが震えた。ヘスティアはガッ!とこちら側——ベル君の方——を向き、勢いよくベル君に向かって突進し、飛びつく。
「フレイヤを見るんじゃない、ベル君!!」
「へあっ!?」
素っ頓狂な声を出すベル君。
「子供達が『美の神』を見つめると、たちまち虜になって『魅了』されてしまう!」
ベル君とヘスティアが取っ組み合いみたいになっている。
「ヘスティア!!場をわきまえなさいッ!」
2人の取っ組み合い?は一瞬で終わった。
我が主神『恋愛アンチ』によって……
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