中途半端かもしれませんが、出さないよりはましかなって
ではどうぞ
『美の女神』———神も下界の者も、万人を例外なく『魅了』してしまう、美そのものとも言える
ヘスティアの言葉を裏付けするように、各派閥の団員は口を開いてフレイヤに魅入っていた。性別は関係なく、魂が抜けたかのように立ち尽くしている人もいる。
横でナァーザさんも、いかんいかん、と首を振り、
アスフィさんに至っては最初から視線を明後日の方向に飛ばしている。賢いな。
「ガネーシャの『宴』から続いて2回目………フレイヤがこうも
「そうなんですか?なんか、こういうパーティ的なものに慣れてそうな雰囲気ですけど」
「それはさすが『美の女神』ってことね。どんなところでも堂々としてるのがフレイヤだもの。」
「普段フレイヤ様は『バベル』の最上階にいて、人前には全く出てこないんだよ。男神の中には彼女を拝みたいがために、一縷の望みを賭けて『宴』へ足を運ぶやつ等もいるくらいだ」
ヘファイストスさんの呟きに質問したらヘルメスさんも補足というかで説明してくれた。
ちなみにベル君とヘスティアは2人揃って正座して『恋愛アンチ』から説教を受けている。俺は他人のふりをしながら背を向けた。
人前には現れない………確かにこうまで人の注目をかき集めては、滅多に出歩くこともできないだろう。フレイヤが外出を嫌っているだけという可能性がないわけじゃないが、迂闊に外出すればその度に混乱が起きるに違いない。それが『魅了』の力なのかフレイヤ本人の魅力なのかは知らないが。
そをなことを思いながら、男神に囲まれるフレイアをぼーっと見ていた。
「——」
その時、銀の瞳がこちらを捉える。
ぴたりと動きを止めたフレイヤは、じっと俺を見つめていたかと思うと……微笑んだ。
コツ、コツ、と靴を鳴らして歩み出す。見えない壁があるかのように彼女の前からは人込みが散り、道がどんどん開けていく。この時点でお察しだが、獣人の従者を引き連れる女神は、間もなく俺達の前で足を止めた。
「オラリオに来ていたのね、アルテミス。久しぶりね。ヘスティアにヘファイストスも。
「………お久しぶりです、フレイヤ。何をしに来たのですか?」
にこやかに挨拶をするフレイヤに対し、アルテミスは敵意丸出し、とまではいかないにしても交友的でない挨拶を返す。
「元気そうで何よりよ」とヘファイストスさんが、「何しに来たんだい?」と身構えながら言うヘスティア。
「別に、挨拶をしに来ただけよ?珍しい顔ぶれが揃っているものだから、足を向けてしまったの」
そう言って、フレイヤ様は男神達に流し目を送った。
蠱惑的なその視線に、ヘルメスさんはあっという間にデレデレし出し、タケミカヅチさんは軽く赤面しつつ「おほん」と咳払い、ミアハさんは「今宵もそなたは美しいな」と普通に褒めた。
直後、眷族である女性達に足を踏まれ抓られ打撃される神達。「ぐあっ?!」「うっ!?」「ぬおっ!?」と悲鳴が飛んだ。一歩退してしまう。
ベル君の方に視線が向いて少し固まったかと思うと、思いの外早く視線は移動し最後であろう俺で止まる。
吸い込まれそうな瞳にごくりと喉を鳴らしてしまうと、フレイヤは笑みを深めた。その瞳はなんだか俺なにかを見とうしているような気がして気分が悪い。
自然な動きですっと手を差し伸べ、頰を撫でてくる。避けることもできたが、男神達の視線もあって避けたら面倒な気がした。避けなくても面倒だが。
「——貴方、素敵ね。あの子のように透明で輝きを見たくなるような色じゃない。貴方ならきっと神の試練もどんな怪物も飲み込んでしまう——いいえ、殺してしまう。まるで死神のようなのに、美しくて、残酷で、鮮やかで、こんな魂二つと無い。唯一無二の輝き。もしかしたらあの子の輝きが完成したときよりずっと…………ねぇ」
フレイヤはチラッとベル君の方に目を向ける。
「——今夜、私に夢を見させてくれないかしら?」
「——見せるものかッ!」
それはフレイアにかけられた言葉ではなく、俺。
声の主はアルテミス。
アルテミスはフレイヤに吠える。
アルテミスは沸点が頂点に達したら普段の丁寧な口調が抜ける。どっちが素だか知らないが多分両方素だとおもっている。
そんなことはともかく、アルテミスは頰に添えている手をはたき落として、赤面しつつ言う。これで、ヘスティアとかなら激昂するだろうが、アルテミスは良識ある神だ。そのようなことはしなかった。
「志貴、なに顔を赤くしているのですか。」
その言葉にはどこか怒りがこもっている気がする。俺は被害者だと思うんだが……
「問答は無用です。帰ったらたっぷり『話し合い』の必要がありそうですね…」
「ご、ごごごごめんなさい!」
短いなぁ
感想、評価、誤字などありましたらよろしくお願いします!
戦争遊戯の内容についてアンケとります
-
原作通り城で
-
闘技場で
-
その他(感想に意見をお願いします)