~エリスの回想~
「あれ・・・ここ何処だろう?」
私の飛ばされたところは洋風、というより前に冷が絵で描いてくれた、
ドイツのお城のような場所だった
「お城・・・・?」
しかもそのお城のようなところの中にいる
確かこういうところには召使いとかメイドとかがいるって冷が言ってた
しかも兵隊さんまでいるとか・・・
もし見つかったらいろいろとややこしいことになっちゃう
取り合えずここから出ないと・・・
「出口・・・どこ?」
そう、確かお城は広すぎるといわれてたから出口がどこにあるかすらわからない
そう言えば・・・冷からもらった能力があった!
それを使って出口への道のりを教えてもらえばいいんだ。
さて、能力さん。出口までの道のりは?・・・・・・わかった
でもこの道のりでこのお城の人に出会わないように気をつけなきゃ
「さて・・・行こう」
私は出口に向かっていった
~移動中~
「もうすぐだ・・・」
やっとここから出れる。途中メイドのような人に出会ったけど
気配を極限まで消して何とかここまで来た
あの金髪メイドさん、明らかに只者じゃない気配しかしなかったからな~
それにあの目は『侵入者は即殺す』的な目をしていた
しかも体に長剣をいくつも隠し持ってたし・・・
『こういう危ないやつに出会ったら気配を極限まで消して逃げろ』って言う冷の
教えがあってよかった
その時私は『冷も充分やばいやつだよ』って言ったら鉄拳が飛んできたけど
祐介が変わりに当たってくれたっけ?祐介、ありがとう
考えながら歩いていると出口のような扉を見つけた
「さっさと出よ・・・」
私が出口に向かおうとすると急に殺気を感じた
私はすぐに殺気の出てきた方向に短剣を振りかざす。すると
―――――ガキイイイイイイィィィィィィィィン!―――――
金属の交じり合う音が聞こえた
私の短剣に、手ごたえがあったから、相手はおそらく剣を使ってる
剣を使う相手なんて、ここにきてから一人しか知らない。
まぁ実際一人にしか会ってないんだけど・・・
「ちぃ!早くその首元を掻っ切ってやろうと思ったのに」
やっぱり、金髪メイドだ
しかもこちらに明らかな殺意を向けている
こういうのはまず話をしてからと冷が言っていた
「金髪メイドさん、何の用?」
「あら?それはこちらのセリフよ?」
あ、そうだった。こちらが完璧な侵入者だった。
「ごめんね。私ね、ここに飛ばされて来ちゃたんだ」
「そんなこと信じるやつ居ると思う?」
「う~ん、思わない」
「でしょうね、という訳で、さっさと死んで!」
そう言い金髪メイドは私に高速で近づいて剣を振り下ろした
私は咄嗟に障壁を展開するが、金髪メイドはその障壁を
『すり抜けるように』通過して剣で私を切った
一体どういうこと?私は確かに障壁を展開して自分の身を守った
だけどあのメイドはその障壁がないかのように普通に攻撃してきた
もしかして・・・能力?
私はすぐに回復魔法を使って傷を回復する
「回復しないでよ、殺すのが面倒になるじゃない」
「そんなこと言われてやめない人はいないよ?」
「そうね、でもすぐに”殺して”って言わせるようにするわ!」
確か冷は、『話聞かねぇ奴は懲らしめろ。その後で可能なら話をしろ』って
言ってた。このメイドはちゃんと話を聞いてくれるだろうか?
たぶん無理だろう。
するとメイドは私の心に変化が起きたことを察してなのか一度攻撃をやめた
「どうしたの?私に怖気着いた?」
どうやら私の思っていることをメイドには伝わらなかったようだ
「違う、一つ聞きたいんだけど・・」
「何?良いわよ。もうすぐ死ぬ奴の聞きたいこと、聞いてあげてもいいわよ?」
はぁ・・・まぁいいや、さっさと言おう。
「あなたさ・・・彼氏いないでしょ?」
「は?」
「いや・・・あなたの性格状男が出来るのは絶対無理だと思って・・・」
私が聞くと、メイドは顔を赤くして突進してきた
「余計なお世話よ!」
「せっかく先輩からのアドバイスをしてあげたのに・・・」
「うるさい!」
こんなにむちゃくちゃに攻撃して来てるが私は避けるのが精いっぱいだ
一体メイドの能力は何なんだろうか?
取りあえずこっちも応戦あるのみ!
私はまずアイテムボックスに大量にしまってあるナイフを出した
「な!?こんな大量のナイフ一体どこから・・!?」
メイドが驚いてるが無理はないだろう
さて、こんなこと考えてる場合じゃない
私は能力で落ちたナイフを操って全てをメイドに向けて飛ばした
「!?」
さて・・どうかな
だがナイフはメイドには当たらず落ちた
メイドが当たる瞬間に透けるのが見えた
もしかしてメイドの能力は透けることができるってこと・・・?
「どうしたのかしら?ご自慢の攻撃が当たらなかったことに驚いてるのかしら?」
「ううん。もしかしてあなたの能力って自由に透過できるってこと・・・」
「ふふふ・・・正解よ」
「やっぱり・・・」
「だけど、私の力が分かったところであなたにはどうしようもないわ。さっさと諦めて死になさい」
「・・・・どうかな?」
「何ですって?」
「私にはね、あなたのその能力を無力化する力を持っていたとしたら?」
「ふん!ハッタリをかまして!」
「ハッタリじゃないこと・・今教えてあげるよ・・・」
私は『あるもの』を取り出した
「エリス、そいつ今どこにいるんだ?」
「え、聞いてどうするの、祐介?」
「そいつを殺りに行く」
「ちょっと待て!まだ飯の途中だ!飯食ってからいけ!」
「そういうこと!?違うって!やめて」
「離してくれ、俺は今すぐにでも殺りに行かなきゃならん!」
「おい!祐介を止めろ!」
「祐介さん、妻のことも考えなきゃ駄目ですよ?」
「あ、そうか・・・ありがとう温」
「すげぇ・・・一瞬で止めた」
「これは妻として大事なことですから」
「何が・・・?」