Detective group μ’s   作:レッドクロス

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sunlightさんの『名探偵ミューズ』からの引き継ぎです。

今回は水内薫様のコラボ作品です。


〜水岸薫様とのコラボ作品〜 プロローグ

【巨大な建造物を一瞬にして消すこと】それはあらゆるマジシャンにとって究極の夢である。

 

誰もが信じられないと思うだろうが、ノベール・クレマンと言う人間が70年代の初頭にエッフェル塔を消滅させた。

 

世界にはそれだけではなく、様々な不思議な出来事が起こっている。

 

しかし、不思議な出来事の裏にあるのはほぼ人間の仕業だ。

 

 

その例としてこんな話がある。

 

昔、あるアメリカの学者会が【超能力の発見】というテーマに基づいた、超能力者の発見のために、超能力者を発見する団体を創り上げた。

 

そこで、我こそは超能力者だという者たちを呼び集めて、自分たちの前で超能力を披露してその超能力が本物だと言うことを学者たちに証明し、できれば多額の賞金を与えるというものだ。

 

あらゆるマジシャンや大道芸人が奇跡や魔法に似せたトリックで学者たちを欺こうとしたが学者たちにトリックを全て見破られ、超能力者が出現することはなかった。

 

学界は1年間もそれを続けたが本物の超能力者は1人も見つからなかった。

 

学者たちが【超能力はこの世に存在しない】と諦めかけた時、1人の女がその団体に切り込んで来たのだ。

 

イギリスからやって来た年若い10代の女で、自分は【X線の目を持つ】透視能力があると言う者だった。

 

その女の言葉に今までのマジシャンや大道芸人のイカサマやトリックを見抜いてきた学者会の学者たちは『嘘だ』や『そんな訳がない』と信じなかった。

 

しかし、その後のその女の実演でその考えは見事に覆されることになる。

 

論より証拠ということで実演によるもので自分の能力を証明する女。

 

それは、後ろをむかせた女に周囲が見えないように目隠しをさせ、学者たちが女に見えないように紙に文字を書き、女が用意した鉄の箱に入れ、透視するところを学者たちに見られながら鉄の箱に入った紙に書かれている文字を透視するものでイカサマのしようがないものだと思われていた。

 

しかし、女はいとも簡単にその文字を正確に読み取った。

 

同じことを10回連続でしても結果は変わらなかった。

 

学者たちはこの女こそ本物の超能力者だと認めざるを得なかった。

 

学者会は女に超能力者と認め多額の賞金を与えようとした時、それに待ったをかける者がいた。

 

それは、ユーキルーカと言う、当時のアメリカの理工学者(今でいう発明家)だった。

年も若く優秀な理工学者としてアメリカでは注目されていた。

彼も最近、この学者会に呼ばれて入ったのだ。

 

ユーキルーカは女に言った、『もう一度、私にだけそれを見せてくれないか?』と。

 

女はもう一度それを実演して見せた。

 

学者たちは首を傾げている。

女は紙には一度も触れていないし箱に入れるまでの間は紙を見ている様子もなかった。

それに、文字を書いている時に女は後ろを向いて目隠しをしていたため、その時に盗み見ることも不可能だ。

 

学者たちにはどう考えてもこの女は超能力者としか思えかった。

 

しかし、ユーキルーカは女の実演が終わるとニヤリと笑った。

 

女も学者たちもユーキルーカの微笑みの理由が分からずポカンとしていると、ユーキルーカがそれを見て口を開いた。

 

 

そして、こう言った………

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは実に簡単なトリックです。 この後、100回やっても200回やってもこのトリックはみなさんには絶対に見破ることは出来ないでしょう… それは何故か? このトリックが、みなさんの考えているよりはるかに簡単だからです」

 

 

 

 

 

ユーキルーカから女のトリックの種明かしを聞いたとき、学者たちは唖然とした…

 

 

 

 

女のトリックは女が用意した鉄の箱に小さな隙間ができておりそこから女は中の文字を盗み見ていたのだ!

 

 

学者たちは今までのマジシャンたちのトリックからそんな簡単なトリックな訳がないと考えてこんな簡単なトリックに騙されていたのだ。

 

ユーキルーカの証明したこの時点でこの世に超能力は存在しないということが明らかになった瞬間だった。

 

 

 

しかし、未だ世界では前述の通り不思議なことが起こっている。

 

 

それは、東京の秋葉原でも起きた。

 

 

現在のユーキルーカが何者かにより誘拐される。

 

 

これも、前述の通り不思議な出来事の裏には必ず人間の影が潜んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、本当にそれが全てなのだろうか………?

 

 

 

 

 




今回はプロローグです。

前作の『名探偵ミューズ』とはコラボのストーリー変わっていますのでご了承ください。

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