G&K補給基地の日常   作:ソルジャーODST

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ここはG&Kの補給基地。

基地襲撃の翌日、頭の痛みと共に目覚めるトンプソン。
ここは自室。記憶は無いが――

「あれ?ドレスじゃないぞ?部屋着だ」


※トンプソンの乙女化が止まらない(むしろ止めない)ので開き直ります。ちなみに今回はトンプソン視点です。


襲撃明けの1日

朝、私が目を覚ますとまず襲ってきたのは頭痛である。原因は間違いない、昨日のボスとの飲みだな。というか人形が二日酔いになる必要ってあるのか?ボスと飲むの最初は問題無いけど、色々な酒を次から次へと飲むからどうやっても酒が回ってくるんだ。これでも私はこの基地では酒に強い方だと思う。下手するとこの基地所属の人形で一番強いと言ってもいいかもしれない。だがボスは別格、つかほぼ化け物だ。時々体を壊さないか心配になる。でも浴びるほど毎日飲むワケでは無い、というかボス一人では飲みに行くことが実は少ない。私や他の誰かに誘われると喜んで飲みに行くから一人酒が好きじゃないのかもしれないな。

 

さて、現状の確認だ。ここは私の部屋。時間はいつもの勤務時間に余裕で間に合うからまだ問題無い。そんでもって昨日は間違いなく私が潰れたハズだ。というか潰されたと言った方が正しいような……?くっ、メモリーが無い!人間じゃあるまいし、私達人形も記憶無くすのか!?あ、違うな記録してないのか。メモリーがおかしいというより、記録する方に影響が出てるってことかも。ま、そこは置いておくとしてなぜか今は普段の寝間着である。着替えた記憶どころかどうやって帰ってきたかも覚えて無いんだが、って枕元に書置きがあるな。まさかボスが……!?

 

『ボスは私達(ダミー)にオリジナルを託して自室へ帰っていった。今考えているであろうピンク色なことは一切なかったぞ。残念だったな!』

 

「考えていないし!……いや、正直ちょっとは期待したけど」

 

私の生意気なダミーからの書置きだった。いや、昨日のドレスはナイスアシストだったけど。というか正直に言えば「お持ち帰り」されたかったワケで。私の体じゃ、その、興奮しなかったのかな……?結構スタイルには自信あるんだけどなぁ。ちょっとくらい手を出してもいいと思うよボス。

 

なんて若干ヘコみながら考えていると段々勤務時間が迫ってくる。とりあえずシャワーでも浴びてから急いで準備をして執務室へ行かなきゃな。そう言えば『サイドカー』と『XYZ』って言葉がメモリーに残っているんだけどなんだっけな?ボスに聞いてみるか。


 

「おはよう、ボス。昨日あんだけ飲んでもやっぱボスは平常運転かー」

「ん、おはようトンプソン。いやぁ、昨日は飲んだなぁ。……体調は大丈夫かい?」

「あ、うん、大丈夫だ。少し頭が痛かったけどシャワーを浴びたら治まったし。そう言えば、『サイドカー』と『XYZ』って何か分かるかボス」

「なっ!どうしたんだ急に」

「いや、ボスこそその反応なんだよ。いや、昨日の記憶があんま残ってなくてさ。でも、『サイドカー』と『XYZ』だけはハッキリと残ってるんだ」

 

いや、ホントになんだろ?あ、もしかして!

 

「カクテルの名前か!?」

「ブッ!げほっごほ!」

「ボスぅ!?大丈夫か、急にどうしたんだ!」

「ごほっゲホッ、いや、大丈夫。……ああ、その名前ならカクテルだろうね。どうしたんだい?」

「なんか大事なことだった気はするんだけどな、その2つ以外あんまり覚えていないんだ。だからボスなら覚えているかなって」

ホント、そういうことはしっかり覚えているんだね。ちょっとカッコつけ過ぎたかぁ。意味は気づいてなさげだけど。いや、普通に頼んだだけだよ?」

 

なんかボスが呟いてるけど聞き取れない!いつも私がからかわれてるからたまには仕返ししたかったのに!まあ、しょうがない。聞いても答えてくれなさそうだし。っと、

 

「ま、それは置いておいて。今日の予定は?」

「とりあえず、昨日の後処理だね。書類に片付け色々あるよ」

「うわ。まあ、しょうがないよな」

()()()は昨日のうちに自律人形達が片付けてくれたから大丈夫」

「……思い出しちゃったじゃん、うぅ」

 

私は戦術人形だけどアレは無理。吐きはしないけれど、吐き気は襲ってくる。非常に気持ち悪くて、昨日と同じく行動不能になってしまう。

 

「あー、すまない。大丈夫か?」

「ん、ちょっと待って。……うん、少し治まった。もう少ししたら治ると思う」

「わかった。少し座っているといいよ」

「ありがとう、ボス」

 

ボスの優しい言葉に甘えさせてもらう。よっと。ボスの机の前に置いてある応接用も兼ねたソファに座り、気を紛らわすためにグリフィンの社内報を読む。昨日支援に来てくれた所の記事だな。そんな風に落ち着こうとしているとボスが話しかけてきた。

 

「ああ、そういえば。明日か明後日にこの基地へ、戦闘指揮官が赴任してくるそうだ。朝一番に本部から連絡があったよ」

「え?……じゃあ、ボスは?もしかして辞ちゃうのか?」

 

ちょっと待って。急になんて事を言うんだ。なんでだよ。基地を攻撃されたから?いや、そんな理由ならもっと前に辞めさせられてるよな。確かに昨日の襲撃は今までとは違ったけど中には侵入されてない……

 

「辞めないよ?私は基地全体及び防衛作戦時の指揮官になるそうだよ。ちなみにメインの副官つまり君は変えないから安心して。それとその戦闘指揮官も副官を連れて2人で来るらしいよ」

「指揮官が2人いる基地って珍しくないか?」

「どうだろう。本来ならば居てもおかしくはないと思う。基地司令と部隊運用の指揮官といった感じで分かれているだろうけど」

 

たしかにボスは機転がきくタイプじゃないから攻撃的な作戦は苦手。代わりに我慢強く確実な戦いができるから防衛向きだ。元々事務畑、とりわけ主計業務の出身だから基地運営は手堅いし物資の管理もしっかりしている。そう考えるとボスは基地司令向きかもしれない。

 

「確かにそうかもしれないけどさ。今まで通りでいいんじゃないか?特に鉄血と戦うワケじゃないんだし」

「まぁ、()()()()()()()()()。今回の赴任は対人間のためのものだよ。どうもあのカルトには裏があるらしいし」

「まぁ、薬物とか使って盾にしてるもんなぁ。……どんな指揮官と副官なんだろ」

「どうもニホンの血を引く指揮官らしい。格好がかわっていると聞いたことがあるよ。副官はショットガン。それも最近配備され始めたモデルらしい」

「ニホンねぇ。風呂の有名な国だったよな?」

 

私は風呂は苦手だ。アレは人間も人形もダメにしちまう。いや、別に私が入らないって決めてるだけで、他のヤツが入っても気にしない。というか聞いてる限りだとボスも風呂に入るのが結構好きな感じだし。……いくらボス相手でもコレは譲れないんだ、ゴメンな。入るように説得された事とかはないけどさ。

 

「ふふっ、お風呂が苦手なのは相変わらずかいトンプソン。まぁ、それは君のモデルの共通点なんだろうね」

「だろうな。ダミー達も入らないし」

一緒に入ってみたいと思うのはワガママなんだろうなぁ

「ボスー?なにか言ったかー?」

「いや何も?さ、とりあえず今日の仕事を終わらせよう」

「むう。ま、いいか。ヨシ、書類を回してくれボス」

 

ボスが何か言ってる気はするだけど聞き取れない。いつも聴覚センサーを最大にする前に言い終わってしまう。いつか聞き取ってやる。と誓った後は事務処理だ。

ボスの決裁が必要なものはボスが、それ以外は3分の2程を私が担当し残りの3分の1は手持ちを早く処理した方が担当するんだ。3分の2と言ってもかなりの量だし、ボスの方も考える必要がある時は時間がかかってしまう。どうにも残りの書類にたどり着くことが出来ない時は手すきの人形に応援に来てもらうこともある。

 

今回は、ボスの決裁書類が多いようだ。そりゃそうか、襲撃の後だしな。昨日の襲撃で外壁にも銃撃を受けているし、点検と補修の手配も必要だ。とは言っても普段なら街へ頼むのだが今回はその街も落ち着いていない。書類の山の中に街の様子を書いてあるものがあったんだが、危険を察知して逃げていた人がまだ戻りきっていないらしい。昨日の今日だからしょうがないけど、そうなると外壁補修はしばらく後かな。

 

黙々と仕事をしていると爆弾mゲフンゲフン、もといこの基地の人形でありメイドでもあるG36がティーセットを持ってきた。時計を見るとすでに2時間が経とうとしていて驚きだ。

 

「お二人とも、そろそろ一度ご休憩を挟むべきですよ。こちらへどうぞご主人様」

「ん、ああG36か。今は……2時間も経ってたのか!?」

「その集中力は素晴らしいですが周りも気にかけてくださいね。トンプソンも90分に一度くらいは休憩を入れなさい。私達はまだしもご主人様は休まないと効率が落ちてしまいます」

「はいよー。いやぁ、私も集中すると時間を忘れちゃうんだよなー」

「まったく。はい、紅茶を召しあがれ」

 

ふう、爆弾魔のダミーがいるとは思えないほどメイドだなー。と思ったらスカートがヒラリと上がるのが目に入った。ボスの方にはまったく見えないようになっているのは流石だ。ってスカートの裏に何か付いてないか?……私の目が壊れていなければアレはグレネードだな。スタンでも焼夷でもないノーマルなグレネード。こいつダミー(爆弾魔)の方だったのか……。

 

「トンプソン、スカートの中を覗くなんていただけませんね」

「見たかったワケじゃないぞ。でもその中を見たらどんな男でも一撃だろうな。……物理的に」

「ええ、一撃で沈めますよ。……ご主人様は別ですけどね。あ、見ますか?メインは絶対見せないと思うので私がってアイタッ!?」

「あら、こんな所でサボっているのはどっちのダミーかしら?私の記憶が正しければ今の時間は二人とも基地内清掃の時間のハズだけど」

 

G36のメインフレームがいつの間にか後ろに立って目の前のダミーの頭に鋭い一撃を食らわせていた。一瞬、手が見えなかったけどG36のメインは格闘技の心得でもあるのかな?

 

「メイン!?なぜここに!?」

「ご主人様にティーセットをお持ちしたのよ。誰かさんに先を越されてしまったけどね。……さあ、覚悟はすませた?ご主人様にお祈りは?ガタガタ震えて許しを請う準備はOK?」

 

どこかで聞いたことがあるようなセリフを言うG36。いや、ボスに祈ってどうするんだ。あの人は神様かよ。……ちょっと待って。いきなり現れたメインとその言動に驚いて忘れてたけど、ダミーがさらっとボスに下着を見せようとしてなかった?え、ライバル登場?よく見たらメインの頬がかすかに赤い気がするんだけど!?

 

「ふっ、メインの気持ちを汲むのがダミーだとトンプソンのダミーから学びまして、早速行動をと」

「ウチのダミーが原因か!……え、気持ちを汲んで?ちょっとG36さんお話があるんですけども?」

「申し訳ありませんが私のダミーを今から始末しますので、お話はまた後日。では失礼いたしますね、ご主人様」

 

かなり物騒なことを言いながら、そしてダミーの首根っこをしっかりと掴んだ状態で器用にお辞儀をして退出するG36。って待て、だから確認したいことが……もういないだと?

 

「速すぎる。もう廊下にすらいないぞ。……ライバル登場?私は家事出来ないし手ごわいんだけど……」

「あれはダミーがからかっているだけだと思うけどね。君のダミーと一緒だよ」

「だったらいいんけどさ。ってライバル云々は違うからな!?ボスのことが好きなライバルとかじゃないから!いや、私は好きだけどって何言ってるんだ私は!?」

「だいぶ面白いことになっているね。とりあえず紅茶を飲んで落ち着くといいよ」

 

ボスが紅茶の入ったカップを私の前に出してくれる。ちょっとドタバタしたから冷め気味だけど香りも良く落ち着く。上手に淹れるなぁ。非番の時にときおり、スプリングフィールドのカフェで紅茶を入れたりお茶請けとしてクッキーを焼いたりしてると聞いてたけどG36の料理スキル高くない?くっ、やっぱり料理スキルを磨くべきか!?データは入れれてもたぶん実践段階で上手くいかないだろうし教えてもらおうかな。でも、もしもボスを好いているのが本当なら教えてもらえないかも?

 

「……料理かぁ」

「別にできなくてもいいんだからね?そんな悲痛な顔をする事はないんだよ」

「え?顔に出てた!?でも、ボスもやっぱり奥さんにするなら料理上手がいいんじゃないか?」

 

仕事から夫が帰ってきたら美味しい料理で出迎えて、優しく疲れを癒して上げる。これが普通の理想的な奥さんじゃないか?……いや、考えが古いか。少女マンガ読みすぎかな?

 

「んー。料理上手かどうかは別に気にしないな。私は自分の奥さんにするなら、照れ屋で、本人は呟いているつもりでも周りにバレバレで、いつも好意だだ漏れで、でも()()()()()()って最高の笑顔で言って、そして言った通りに守ってくれた娘がいいなぁ」

 

は?ちょ、それ!?

 

「さて、休憩終わりだトンプソン。ランチまでにどこまで進むかな?頑張ってやるぞー」

「ボス!?今の話は後で詳しく聞かせて貰うからな!どうやってもさっきの話の心当たりは一人だけなんだけど!?」

「なんの話だトンプソン。私はいわゆる自分の好みを言っただけだぞ?」

 

いや、それ私じゃん!自惚れとか抜いても私じゃん!最後のセリフもこの基地が出来た頃に私が言ったヤツじゃないか!それじゃボスの好みは……

 

「ボス、絶対に話の続きを聞くからなぁ!?」

「はっはっは、続きを聞きたければこの山を終わらせなよ。ま、終わらせたからって言うとは限らないけどね!」

「OKボス。そう言うならこうしよう。話の続きをするって約束してくれないなら、書類は進めないぞ!」

「あ、公私混同する娘は好きじゃないから」

「自分のことは棚に上げた!?ちょ、ひどくないか!」

「はっはっは、こういうのは先に言ったもの勝ちだよトンプソン」

 

ボスひどい!

 

でも、ボスの頬が赤くなっていたことは黙っておくよ。本当はいつものお返しにいじりたいけど。

 

今は、いつもと違うボスを見れた嬉しさとさっきの話の嬉しさで一杯だから許してあげる。




はい、なんか変な流れになりました。
自分の文章力の無さを痛感いたします。

というかまた思いつきでG36のダミーにおもしろ属性が(笑)
グレネーダー&自爆魔の方のダミー、戦場だとダウナー系ですが基地内だとこんな感じになりました。今回のダミー芸担当。
G36の頬が赤いのはなんででしょーね?(すっとぼけ

ここの指揮官も好意を隠してないのですが、こんな指揮官にする予定じゃなかったんだけどな。
つか「指揮官」としてはダメじゃないかな?部下とそういう仲になっちゃいかんでしょ。私は好きですけどそういう話。むしろ大好物ですけど。
元主計官だから許して!
近いうちに過去編書こうと思いました。二人の出会いとか。
設定の方には少し書いてますけど、本部勤めの時とかネタは浮かんでるんですよね。

これ、そろそろタイトル変えた方がいいかも?日常よりもラブコメ的なタイトルに。ラブコメ路線に入っちゃってる。

あ、次回新指揮官出ます。見た目つか服装が完全に趣味に走るのでお許しください。あとSGはこないだ実装された娘です。オリ設定ぶち込みますので苦手な方が出るかと。

ではでは。
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