この日、この基地との繋がりを求めて1人の指揮官が1人の戦術人形と1人の傭兵を伴って現れた。
「最近、よくお客が来るねぇ」
「それも含めて本編にて!」
「急にメタいぞ、ボスぅ!?」
現在、とある基地からアポイントメントがあり出迎える準備をしている所だ。
とは言っても、通常業務を少なくした上で片付けるだけなのだけど。
「トンプソン、そろそろ時間かな?」
「ああ、そうだなボス。そろそろ到着予定の時間だ」
出迎えの時にはカズト君達にも集まってもらうように言ってある。この基地の現体制上、紹介しておかないとね。
ヘリポートへ向かう道すがら、トンプソンと他の基地からの訪問者が増えていることについて話そうか。と思っていたらトンプソンの方から話を振ってきたよ。
「それにしても、最近色んな指揮官が来るなぁ。客間広げる?」
「その辺りはコンテンダーに丸投げするとして…。皆が横の繋がりを作り始めたってことさ。敵は鉄血だけじゃないからね。いつ後ろから弾が飛んでくるか分からない世の中だし」
「世知辛いなぁ」
ウチは物資の面で困ることはそうないけれど、他所はどうしてもその点が不安になる。補給物資が無ければ屈強な軍隊ですら弱兵と化すからね。
ま、そこは一旦置いておくけど、人間がウチの邪魔をしたい時に最小限の労力で最大限のダメージを出せるのは何か。それは兵站線の破壊だ。それはもう効果的だよ。さすがに1日2日でどうにかなるような資源貯蔵量ではないだろうけど補給が無ければいつかは干上がる。そうなれば前線なら鉄血に蹂躙されるし、後方はカルトなり人権団体の過激派なりに襲われた時にひとたまりもない。
それを防ぐにはどうするか?これまたシンプル。補給線を増やせばいい。そりゃそうだ、1つが潰されても代わりに2つ3つと予備があれば元々の補給線の復旧まで問題が無くなるからね。で、今回来る指揮官はその補給線を増やしに来たんだと思うんだ。
「ウチは物資に関しての独自裁量権を持たされてるからなぁ。主計課上がりの平社員に何を持たせているんだグリフィン。誰が許可したのさ」
「ボスが元主計課だったからだし、許可したのは
「独自裁量って難しいんだよ?極論、贔屓だって思われることもあるしさ」
「贔屓でもいいと思うけどなぁ。通常の物資運搬はしてるワケだし。あとは追加分だけだからさ」
そんなものだろうか?と考えているとヘリポートへ着いていた。まだお客さんは着いていないようだね。それなら、サッとしか先方さんの情報見てなかったし軽くおさらいしておこうかな。
「先方さんのこともう1回まとめておきたいんだけどわかる?」
「それは私から説明しましょう。司令のことですから資料をサッと見ただけだろうと思って準備してました」
「カズト君もう来てたのか」
カズト君は特に真面目だからもう少し前に来てたんだろうね。いや、私が遅いというワケでもないよ?今は到着予定の15分くらい前だし。カズト君からの説明を聞きながら誰にともなく言い訳してみた。
今回来られる指揮官の所属は新興区域のS10地区。名前はメグ・コーマック。『ヨーロッパの食糧庫』とも呼ばれる大農園を所有するジャガーソン・コーマック氏の愛娘ですね。彼女がウチへ入る時にジャガーソン氏からの圧力があったとか。僕がまだ警備部の頃に噂になりました。彼女の基地はジャガーソン氏のバックアップも多少受けているそうです。支給物資以外でメインの補給線はそこだと思われます。
「予備の兵站線を確保したい、とこの基地へ来たのだと思われます」
「あ、あと傭兵さんも来るらしいですよ」
「傭兵?よそのPMCってことは…あそこか」
「そのPMCは
「本部の頃にね。あの時の社内報で時々名前が出てたハズだ」
「あー、あったなあ。…ふと思い出したんだけどさボス。D08の結婚式で警備してた傭兵いただろ?あの当時の社内報に写ってた気がするんだけど」
えーと?あ、本部近くの喫茶店ですっぱ抜かれてたヤツか!あの時は笑ったなぁ。人形達にモテてたMr.プレイボーイか。主計課の休憩時に話題になってたね。よく覚えていたねトンプソン。
「いや、実は社内報さ、全部部屋に残してあるんだよ。ほら、ボスと知り合ってから主計課によく行ってた頃のやつ」
「……もしかして、トンプソンさん司令から社内報もらってた?」
「ん?よく分かったな」
「わかった。司令に貰ったものだから捨てられなかったのか。司令もモテますよね。主に1人に」
「だー!なんでそうなる!」
「「どう考えてもそうなる(よ)」」
カズト君達も馴染んできたなぁ。トンプソンで遊べるようになるとは…。数日に1回くらいは誰かに遊ばれてるねトンプソン。赤くなった顔を隠して蹲っちゃった。
「うあー!…そ、そろそろヘリが着く頃だよ、ボスぅ」
「そうだね。ほらいつまでも蹲ってないで立った立った。ほら」
「あ、ありがとう、ボス」
手を差し出し、おずおずと私の手を掴んだ彼女を立たせると、普段よりも彼女と顔が近づいた事にふと気づいてしまった。…やっぱり美人だよなぁ。
「司令、そろそろイチャつくのをやめてくださいね。ヘリが見えましたよ?」
「カズくん、私もああいうことしたい。ふと顔が近づいて見つめあってみたい」
「サクラは後でお仕置きな」
「なんでぇ!?」
くっ、カズト君にツッコまれるとは!?いや、トンプソン美人でしょ!?クールビューティーでしょ!?
「たしかに美人ですけど、ここのトンプソンさんは『クール』じゃないです」
「むしろ『カワイイ』ですよね」
「もう勘弁してくれぇ!恥ずかしいからぁ!」
そっかー、クールじゃなかったか。…でもそれもまたよし、ということで。
そんなこんなでヘリが到着し、そのヘリから降りてきたのはコーマック指揮官と彼女の副官だろうG36に件の傭兵も合わせた3人。自己紹介を軽く済ませた後は応接室へ向かう。その道中でトンプソンに耳打ちした。
「なあ、あの傭兵さん、昔社内報に載ってた人じゃないか?」
「つか結婚式の警備してたヤツじゃん。こんな偶然ってあるのか?」
「どうかしましたか?」
「「いえ、なんでもないですよ?」」
コーマック指揮官の所のG36――「ローゼ」という名前があるらしい――に声を掛けられてちょっと慌ててしまった。いやー、絶対あの時のMr.プレイボーイでしょ。隙があったらからかってみようかな?
結論から言えばコーマック指揮官の目的はおおよそ私達の予想通りだった。基地への補給線を複数確保も兼ねて輸送費用削減も狙っていたことは予想よりも上手だったと思う。交渉も単刀直入、私がちょっと意地悪な質問もしたのだけれど特に気にした様子がないことはは彼女の器が大きい証拠と言えるかもしれない。
さて、本題の後はレクリエーションといった感じでHUBの癒し、スプリングフィールドのカフェへ向かうことに。その道中にて、彼女が連れてきていた傭兵…ジャベリンくんが先制パンチを入れてきたよ。おかげでトンプソンが沈みました。はい、非常に可愛らしくへたりこみました。敗因ですか?主に自爆ですね。ジャベリンくんですか?しっかりと
その後は一旦別れていたカズト君とカフェで合流したんだ。その時に気づいたのだが、いつの間にかローゼくんがウチのG36のダミーに拉致されたらしい。…嫌な予感しかしないのだが大丈夫だろうか?
あとカズト君?今君が言っている日本の話ってアレでしょう。「外国人から見た日本」の話でしょ。腹切りっていつの時代だい。ジャベリンくん、それはニンジャス〇イヤーだと思うんだ。ニンジャはビル群を飛び交わないから。「アイエエエ」とか言わない、イイネ?
カフェ自慢の料理に舌鼓を打ってからヘリポートへ向かう。その途中でローゼくんと合流できた。なんとなく嫌な予感が消えないので、後でグレネードの在庫数を確かめようと思う。
コーマック指揮官は帰り際に大きな声で
「父の農場の作物とか沢山送りますねーーーーー!!!!」
と言ってくれた。本当に届いた時は楽しみにしよう。今のご時世、天然の食料は非常に貴重だからね。スプリングフィールドに頼んで最高の料理にしてもらおう。
「何か困ったことあったらカズト指揮官に渡した名刺の連絡先にお願いしますね!!!」
ジャベリンくんは最後に『武器庫』の宣伝だ。ちゃっかりしているなぁ。そうでもなければ傭兵を長くはできない…か。ちょうど他のPMCとの関係も欲しかった所だしこちらとしても願ったりだ。さあ、彼女達が帰っていく。彼女とその仲間達が欠けることなく居られることを願うばかりだ。
グレネードの在庫を確認した所、複数個減っていたのでG36のダミーを捕まえたところ
「「爆発は芸術ですよ?」」
と返ってきた。ローゼくんに爆弾魔のスキルがインストールされていないか心配だ。
遅れること2日。元々、遅筆なのもあってこんな結果に…。サマシュさん申し訳ないorz
さて、今回は久々(実時間的に)のコラボです。
サマシュ様作「傭兵日記」
主人公ジャベリンの女運の無さと改良ダイナゲート「ポチ」の可愛さが半端ないです。オスカーという猫もいますよ?なお、最近ポチは「しゃべる」
傭兵日記の方がはるかに有名だと思うので、この作品の読者なら皆さん知っていると思うんだ!
余所様のキャラって動かすの怖いんですが(キャラ把握出来ているか心配で)どうでしたでしょう?ジャベリンはいじるべきだと思いましたので沈んでいただきました※向こうでも沈んでいます。
サマシュ様、コラボのお誘いありがとうございました。
また機会があればよろしくお願いします。