犯罪組織が根城としている廃ビルを包囲する形で、HUBから出撃した部隊が展開する。
「今回はカズト君が活躍します」
「ボスは?」
「トンプソンとイチャつきます」
「え////」
※特にイチャつきません。普段とそんなに変わりません。
え?イチャついている?何のことでしょう(すっとぼけ
宵闇の中、ある廃ビルは極めて目立っていた。ガラスが砕けて枠だけとなった窓や扉の隙間から光が溢れ、部屋の隙間から大音量の音楽が流れる。およそこの時代に似つかわしくない様相を呈している。このビルの中にはとある犯罪組織の者たちがいる。彼らは近くの街から女性をさらい、酒と食料を脅す形で安く手に入れ、そしてこの饗宴を開いていた。ある種の狂宴と言っても過言ではないかもしれない。生命の重みが極めて軽いこの時代故に、一時の快楽に身を任せているのだろう。自分たち以外に不幸をばら撒きながら。
そのビルの外には、数人の人間が歩哨として警備している。その歩哨達はビルから聞こえる喧騒に舌打ちをしながら、明日は自分達の番だからと警備を続けようとしていた。その数瞬後、彼らは全員地に伏した。頭から真っ赤な花を咲かせてから。
『
『
『
『
『よろしい。ではアルファチーム突入開始』
突入の合図が出た直後、闇の中から黒い影がゆらりと現れる。その
「鍵か…。ブリーチングを使うのはまだ早いな…。ラムを」
「
答えた影が両手に持っているのは
「3…2…1…突入!」
合図と同時にバッテリング・ラムを扉にぶつけて
「右にドア」
「フラッシュを使う。…今!」
先頭を行く兵がドアを見つけると、後続がドアを開けてフラッシュグレネードを投げ込む。そのグレネードが炸裂したらすぐさま2名が銃を構えて侵入する。パスっという音が2回聞こえた直後、
「クリア」
と報告しつつ中へ入っていった2名が出てくる。ドアや部屋を見つける度にこの流れを繰り返しながら正面入口へ向かう。
「
『こちら
『
『了解した。A1-1へ、入口を開けてくれ』
「了解」
敵は現在見えないが、隠れているかもしれない。そう警戒を続けながら入口へ急ぐ。兵士の1人がドアのカギを外そうとしている間、盾を持った兵士が彼の背後に周り文字通りの盾となる。カチャンという音と共に入口が解錠されドアが開け放たれる。ドアが開くとほぼ同時に、傍で待機していたブラボーチームが突入した。
「よし、第1段階はOK。経過時間は?」
「約10分だボス。ナカムラ指揮官、手慣れている」
「一般警備じゃなくて、実は特殊部隊だったとは」
「そういえばあそこも一応警備部って噂だったな」
エーカー指揮官とその護衛部隊は、廃ビルを望める斜向かいのビルにて全体の戦況把握及び指示を出していた。ちなみに彼らがいる上の階ではR1-1と1-2…RF班の第1分隊がその銃口を油断なく廃ビルに向けている。
「でもさボス。まさかこうなるとは思ってなかったよ」
「私もだよ。まさかカズト君があんな応援を呼ぶとは…」
エーカー指揮官達の言う、『応援』とは…
時刻は11時頃。ブリーフィングが終わった後にカズト君が話しかけてきた。
「司令、警備部の知り合いを今回の作戦に参加させて欲しいのですがどうでしょうか」
「警備部の?いや、警備部と言えば市街の警備が中心業務だろう?この辺りまでは出張れないと思うけど…」
「大丈夫です。呼ぶつもりの人達は
いや、その警備部は警備部なのか?…荒事専門の部隊だとでも言うのだろうか。
「ふむ…。戦闘指揮官は君だ。その君が必要と言うのだね?」
「はい。居れば間違いなく被害を減らし、そして確実に作戦を成功させることができると思います」
「……わかった。許可しよう。要請書はいるかい?」
「お願いします。無くても来てもらえると思いますがあれば助かります」
よし、なら急いで作ろう。被害を減らすことができるのは非常に大きい。でもよく考えたらこの基地へ来るの間に合うのかな?
「カズト君、その彼らは今から呼んで間に合うのかい?」
「ああ、あの人達なら多分大丈夫です。ヘリを使ってでも来ると思いますよ」
「…警備部ってヘリ自由に使えたっけ?」
時刻は23時半頃。この崩壊しかけた世界では夜は静かになるのが早い。特にスラムではそれが顕著だ。こんな時間に外で人が立っていたり、電灯が点き非常に明るい状態の建物は往々にしてまともな事をしていない。
何をもってまともと言うかが難しいところではあるが、それは売春であったり、人身売買であったり、賭博であったり様々だ。だが、この街においてそれらは
この街では当たり前と言える程に行われている事なのだ。ゆえに、それを行う建物の周囲には人が集まり夜であることを忘れているかのように騒いでいる。その喧騒から少し離れた位置にある廃ビル群の中に私達は居た。
この廃ビル群はスラムが形成される前から存在していると聞く。老朽化もそうだが、街の中心部からかなり離れていることや何があるか分かりにくいことから、街の住人たちは基本的にこの辺りまでは寄り付かない。進んで厄介ごとに首を突っ込みたくはないのだろう。おかげで今回の作戦は民間の被害を考える必要がなかったのだけど。
「さーて、そろそろ時間だ。ドレスと持ち物の準備はできたかねレディ達?」
「ふふっ、出来てるわよ司令官。ドレスコードの確認も済んでいるし。後は会場に行くだけよ」
「よろしい。カズト君、そっちはどうだい?」
今回の作戦にも参加しているFALと軽口も兼ねた確認を済まして、カズト君の方に通信を送る。
「ああ、司令。こちらも準備はほぼ終了しています」
「では最終確認だ。作戦会議時から多少変化した点もある。注意して聞くように。ネットワークにはこの後アップロードしておくのでカズト君以外は最悪それで確認しておくこと。カズト君は聞き逃したら…」
「サクラに聞くので大丈夫ですよ、司令」
「よろしい。では…」
今回の作戦でいくつかある変更点は、まず目標の廃ビル内部がかなり明るいことだ。発電設備は外に見られないことから内部に存在すると思われる。この影響で暗視装置は現状使用できない。
2つ目、集音マイクが女性の悲鳴を捕らえた。連中はお楽しみ中の模様だ。よって、恐らく複数名となるだろうが彼女たちの救出も並行して行う。基地から追加部隊を呼び寄せているが、かなり作戦難度が上がっている。だが君達ならば無事に達成できると信じている。
部隊は2つに分ける。アルファチームにブラボーチームだ。アルファチームはカズト君が、ブラボーチームはFALが指揮を執る。私とその護衛部隊はチャーリーチームだな。なお、私のコールサインは
この廃ビルは入口が2つ。正面と裏口だ。アルファチームは裏口から侵入し1Fを迅速に制圧。サプレッサーを使用し、決して気づかれるな。制圧後、正面からブラボーチームも侵入、以降は全制限解除する。速やかに対象を殲滅せよ。人質が取られるものとして行動せよ。内部がうるさければいいのだがなぁ。ああ、忘れていたが外にいる歩哨は待機しているRF班が掃討する。掃討後にアルファチームは突入だ。制限解除後はRF班も支援射撃に移る。窓際の敵は狙っていくのでそのつもりで。
「今回ブリーチング要員を突入班に1人ずつ配置する」
「了解です。…誰がブリーチングを?」
「……G36のダミーだ」
「…オリジナルは基地の簡易指揮を執ってますよね?」
「うん。気づいたらダミーだけがここに居たんだ。コイツらそろそろ手に負えない気がしてきたんだけど…。カズト君引き取ってくれない?」
「丁重にお断りいたします」
にべもなく断られてしまった。むう、メイドとしては優秀だよ?戦場だと手に負えないけど。
と、それは一旦置いておくとして一つ確認しなければならないことがある。カズト君、君の後ろにいる完全武装の方はどちら様かな?
「紹介します司令。こちらは私の元所属部隊である『
「よろしくお願いします、エーカー指揮官。ここの噂はかねがね。この間は災難でしたね」
「こちらこそよろしくお願いします。それで、あなたの後ろにズラッと並ばれている方々は…」
「『特殊制圧班』の第1部隊です。人数は少ないですが実戦経験は前線基地にも負けません。虎の子を連れてきております」
いやいや、『特殊制圧班』って実在したの?本部で噂は聞いたことあるけどさ。眉唾物の話だったし。いや、10人で150人の組織に喧嘩売って、あまつさえ壊滅させたとかはないわー。
「ああ、あれは嘘ですよ。せいぜい120人くらいでしたから。弾が切れかけて、連中の武器を拾って使っていました。右も左も敵だったんで照準を付けなくても当たってましたよ。正直楽でした」
「いやいやいや、控えめに言って化け物ですよねソレ。お願いですから嘘と言ってください。…カズト君ここ出身?」
「短期間ですが副隊長してました。第1の」
あっれー、なんか聞きたくない一言が聞こえた気がするよー?その年でここの虎の子部隊の副隊長ってホントだったらどんな身体能力してるのさ!?ほら、トンプソンがフリーズしてるし!
「さ、エーカー指揮官。そろそろ仕事を始めましょう。我々はカズト君の指揮下に入ればよろしいですか?」
「え、あ、その予定ですが、いいんですか?」
「ん?元副隊長の下でいいのか、と。問題ありませんよ。元々部隊の指揮は彼が執ること多かったですし。私は自分が前に出たがるものでして非常に助かっておりました」
そんな彼が何故ウチの基地に来たのか真剣に分からなくなってきたぞ。いや、それはこの際横に置いて置くとしよう。『特殊制圧班』は本部直轄と噂されていた。そんな部隊が私達の要請で動けるワケは無いのだけど。
「失礼を承知でお尋ねします。何故、我々の要請をお受けに?いくら元副隊長からとはいえ、本部直轄部隊は動けないと…」
「ああ。それは大丈夫です。『特殊制圧班』自体は少し前に解散しました。今はフリーの戦闘部隊ですよ。社長からは『現状では鉄血相手にもELID相手にも使いにくい』と言われて暇を貰ってしまいました。カズト君がこの補給基地へ異動になった少し後の話です」
そりゃ使いにくいだろうね。G&Kの中で特に『対人間戦闘』に特化した『人間の部隊』だもの。…なら指揮官として基地に編成すれば
「…お恥ずかしながらグリフィンの人形達を指揮するのは…」
「特殊部隊としての知識を持っておられますし、十分務められると思いますが。私なんて元主計官ですよ?」
「いや、その、人形達は可愛らしい娘達が多いですよね?部下達は訓練に任務と戦闘ばかりしてきた弊害か、女性に免疫がなくてですね…」
「初心な学生か!?」
「そんなオチかよ!」
あ、トンプソンが復活した。なんというか締まらないオチをありがとうございます。兎にも角にも今回はよろしくお願いしますね。
「ええ、お任せ下さい。久々の仕事ですからね。腕がなりますよ」
「では第1小隊は僕と一緒にアルファチームへお願いします」
「装備は…、揃えてますねー」
『特殊制圧班』の装備は、M4のカスタムモデルらしき物を標準装備にしているらしい。役割によってはMP5やイサカM37を装備してるのか…。
サイドアームは…mk-23かな?アレってサイドアームにしては大きくて使いにいって聞いたことあるけど。問題無い?威力を優先したと。携行性もあるしサプレッサーも付けられるから便利。
他にはバラクラバや黒いタクティカルベスト、黒いBDUは共通なんだね。防弾盾を持っている人がいるけど彼らは?突入時の最前線役、最も恐れ知らずの者達ですか。人形達でいうSGの役割なのかな。
「そう言えば、狙撃班は居ないのですか?」
「第1には居ません。たしか第2が担当してたよな、サクラ?」
「うん。司令に説明すると、第1が出るのは基本大規模な摘発や制圧でしたから突入制圧に特化してます。で、そうなると
…説明を聞いてて思ったことは「特殊部隊ってワリに脳筋っぽくない?」あれか身体能力に極振りし過ぎた弊害かな?
「ボス、失礼なことを考えてないか?混在させる必要が無かったからそんな部隊割になってるんだろ」
「そうなのかな?詳しくないから分からないな」
とにかく、これで突入戦力は大分増えた。というか明らかに過剰戦力化してる気がする。ま、細かいことは気にしたら負けだ。とっとと終わらせて基地に帰ろう。
突入開始まで、あと――
もう少し続くんじゃ
今回はいつもよりも難産です。というか今も中身がおかしい気しかしていない。仕事の疲れか変な流れなんですよね。違和感凄い。どこかで加筆修正するかもしれません。
突入の様子書きたい→特殊部隊的なヤツ→あれ?人形達って装備統一出来るっけ?→面倒だから新キャラ出してしまえ
という流れで『特殊制圧班』なるモノが出てきました。対人特化の特殊部隊のつもりです。故に「警備部所属」ですぜ(こじつけとも言う)隊長の名前は思いつかなかったので残念な感じに…。偽名だから許して!
サマシュさんとこの『武器庫』を呼ぶか考えたけど、作中時間的に無理と判断しました。コラボってる精神的余裕無いのもありますけどね!許可も取ってないし!
投稿時間そろそろ揃えるべきかしら?書けたらそく投稿してるからなぁ。進捗不定期だしせめて時間だけでも揃えたほうがいいですかね?