気づいたらこんなことになってました。
でも後悔はしてません。この2人はこのノリで行きます
では本編どうぞ
指揮官がコーヒーを6杯淹れて机に戻ってくるとそこには、ダミー4体に囲まれて正座しているトンプソンの姿があった。
どうやらダミーに怒られているようだ、と指揮官は察する。
指揮官が近づくにつれて話の内容が聞こえてくる。
「……メインはいつも……ボスにご褒美を……羨ましいんだぞ……私たちだってたまにはもらいたい!」
ちなみに、「メインフレームはいつもボスと一緒にいるから、時々ご褒美をもらっていて羨ましいから私達にもたまには寄越せ!」というのがその内容である。
いくつか言葉を飛ばして聞こえているが、指揮官もだいたいの内容は察している。
指揮官は、ダミーと言ってもこんな感情も持つのだなぁと関心していた。
「いや、お前達今まで真面目に仕事してたじゃないか。急にご褒美だとか……」
「ホントは言いたかったんだ!自立行動させてくれないから言えなかったんだよ!くっ、私がメインなら……!」
「ちょっと待て、私だって言いたいんだぞ!」
「「私だって!」」
少し涙目のメインの反論に対してダミー4体がさらに反論しているというか、欲望をぶちまけているというか何とも言えない状態になっている。
収拾がつかないため、とりあえず指揮官が声を掛けた。
「ほらお前たち、コーヒーでも飲んで落ち着け。な?」
「ありがとうボス……。まさかダミーにここまで言われるなんて……。ちょっと泣きそう……」
普段勝気なトンプソンからは想像できない状態にちょっとグッときてしまう指揮官だったが、
この状態に追い込んだのがそのトンプソンのダミーだということが彼のツボに入ってしまう。
「くくっ、トンプソンを追い詰めるのは同じトンプソンか。なかなか面白いじゃないか」
「ちょ、他人事だからって面白がらないでくれよボスぅ……」
「そうだぜボス。……ボスが私達にもご褒美くれてたらこんなことには……」
「「「そうだ、そうだー」」」
うかつに発言したために飛び火した指揮官は、しまったと思ったが時すでに遅かった。
「……そうだよ。ボスがこいつらになにかあげてくれ。そうじゃないともう言うこと聞いてくれないかも」
「いやいや、メインはお前だろう?命令系統で上位なんだから言うこと聞かせられるだろ」
「「「「断固拒否する」」」」
「ほら」
「命令系統を無視できるレベルの不満なのか……?というか、上位からの命令を無視できるのは戦術人形的にまずいだろう」
「『戦闘に関すること』じゃないからかもしれない。この基地ならではだよな」
基本業務が貯蔵物資の管理及び輸送及びそれに伴う防衛行動全般といった具合に、戦闘が優先順位では下にある。普通の基地では恐らく逆であることが多い。
さらに基地の立地の問題で数日に1回の頻度で夜盗の類に襲撃される。
その
このプログラムがどうもダミー達が起こしているイレギュラーの原因なのではないかと指揮官は予想している。
「そうすると、私が何か褒美を上げればお前達は大人しくなるというわけだな?」
「「「「さすがボス」」」」
「……なんでボスには素直なんだよ」
「「「「そりゃ、あんたのダミーだから」」」」
「ぶはっ!」
異口同音でもはやコントのような返答をしている彼女たちについ吹いてしまった指揮官。
それに対して思う所があるトンプソン(メイン)は顔を少し赤らめながら聞く。
「ボス、なんで吹いたんだ……?」
「ん?間髪入れず4体から同時に反撃されているのを見たら面白いだろ」
「そうか。……素直な理由は分からなかった……かな。よかったー」
「トンプソン、一つ言っておくが
「え!?」
さらりとトンプソンを赤面させた後、指揮官はダミー達の方を向いて話を進める。
このダミー達は褒美が欲しいというワケではなく、メインフレームをからかうことが本当の目的だったのだろう。
けしかけることも視野に入れていたに違いない。
関係を進展させないことに業を煮やしたか。
メインフレームの感情はダミー達にまるっとバレているワケだ。
この見た目は思いっきりマフィア感が溢れ普段の言動も男らしいと言える彼女は、実はかなりの乙女な所があり普段から周り(指揮官含む)に結構バレバレであった。
それはもう暇な時には、男性向けファッション雑誌を読んで指揮官に似合う服を探していたり、女性誌の「好きな男を落とすには」という特集を読んでいたり、しまいには「指輪欲しいなぁ」とか呟いていたり(口に出ていることに気づいていない)
メインを弄ぶダミー達……。この基地実はかなりヤバいのでは?と今更ながら思う指揮官であった。
「さて、ダミー達は何が褒美に欲しいんだ?」
「「「「メインが欲しがってる『ボス』」」」」
「ちょ、だから!お前たちはー!」
言うやいなや、高笑いを響かせながら目にもとまらぬ速さで執務室を出ていくダミー達。
メインのトンプソンは真っ赤な顔でダミー達をこれまた全力疾走で追いかけていく。
「……お前たちを呼んだ理由は分かってるのか?」
聞く者がいない執務室で指揮官は書類の山との格闘を再開しながら呟いた。
彼が書類の山から解放されたのは日付が変わった頃だったと付け加えておこう。
というワケで、カッコイイ女性が実はかなり乙女っぽいのいいよねーってオチに。
伏線も何も無い力技になってしまったのは、私の力不足です。
ここのダミーはこんな感じになりました。これからどうなることやら(笑)