インフィニットオルフェンズ外伝 ~三無を束ねし、煌めきの雲海~   作:IOノベライズ 制作チーム

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#02 強襲(ストライク)

太いワイヤーに吊るされたロープウェイが俺たちを乗せ、たまに吹く風にユラユラ揺らされながら、ガタゴトと登っていく。

 

しばらく全員で風景を眺めていると、そのロープウェイが止まった。

 

「止まるんじゃねぇぞ……」

 

「いや、これ以上進めないんだけどな、これ」

 

「そうですわね」

 

「……勘弁してくれよ」

 

どうやらロープウェイは終着点へと辿り着いたようだ。

 

 

俺たち全員がロープウェイから降りるのを見計らったタイミングでキラが手を叩いてこう言った。

 

「さぁ!あと少しです!行きますよ」

 

「ええ?やっぱり山を登るんですの?!」

 

「すみません、こればかりは。それと、霧を抜けるので、視界が悪くなるかもしれません。はぐれないよう注意してください」

 

そう言って先導のつもりか、キラの奴はさっさと上に行っちまった。

へぇ、確かによく見れば上の方は随分と白い。あいつが雲海か。

上側がどうなってんのか楽しみだな。

 

「……オルガ!」

 

「ん?ど、どうした?」

 

「はぐれないように……手、つなご?」

 

「え、お、おう……!」

 

シャルは俺に手を差し出している

おそるおそると握ったシャルの手は暖かく、俺のなんかよりよっぽど柔らかい。

 

「前も思ったけど……やっぱり、手、おっきいね…オルガ…」

 

「お、おう……やっぱり合わねえんじゃ…」

 

「そんなことないよ!オルガの手、大きくてとっても暖かいから…」

 

「良い…と思うよ?」

 

「ん、あ、あぁ…。まぁな…」

 

くっ…シャルの笑顔には敵わねえ……な…

 

「ほら、いいから行くぞ……。絶景ってのが…待ってんだ…!辿り着くぞ、全員でな…!」

 

「うん!行こう!」

 

そう言って俺とシャルはしっかりと手を握りしめながら、霧の中へと入っていった。

 

 

それを見ていた三日月もラウラにこう提案する。

 

「…よし、ミカ!シャルロットとオルガ団長もああしているのだ。我々もやるぞ!」

 

「うん、いいよ」

 

ラウラが差し出した小さな手を、三日月は握る

 

「…よく見たことあんまりなかったけど、ちっちゃいね。ラウラの手」

 

「な………嫌…か?」

 

「ううん、ラウラの手は俺のより小さくて柔らかいから良いと思う」

 

「俺は好きだよ、ラウラの手」

 

「…!そ、そうか!ならば安心、だな…///」

 

軽く赤面しているラウラ

 

「……あと、まだ警戒しておいてラウラ」

 

「ああ、すでにヤツは先に行ってしまったが……とにかく、今は進むぞ。ミカは絶対に私から離れないでくれ」

 

「うん、ラウラも俺から離れないで。胸騒ぎがする」

 

「ああ」

 

警戒しながらも霧の中に入っていく三日月とラウラであった

 

 

 

 

そして、セシリアは……

 

(三日月さんとラウラさんのお邪魔をするのは不味いですわね……。前もラウラさんと二人で一緒に居たときに話しかけたら、三日月さん少し不機嫌になられましたし……。ここはオルガさんとシャルロットさんに着いていくのが正解ですわね)

 

「お待ち下さ~い。オルガさん、シャルロットさ~ん。ワタクシも行きますわ~!」

 

 

 

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「一夏!その…あの…なんだ…」

 

「ん?」

 

「ん!!」

 

しばらく辺りを見渡していたら既にオルガやミカ達は歩き始めていて、残ってるのは俺と箒と鈴だけだった。

そして今、箒が何か欲しそうに俺の前に手を突き出している。

 

「…なんだ?この間借した500円返せってか?…待ってろ」

 

「ち・が・う・わ!この馬鹿者が!さっきまでの一連の流れとか、なんかその、あれだ。見てなかったのか!貴様は!」

 

言っていることがよく分からないが、オルガ達が何かやっていたのだろう。

しかしこの大自然にちょっと感動していて俺はその何かを見ていない。

よく分からないので、とりあえず……

 

「んーー…?えい、お手」

 

犬か何かがするみたいに握り拳を箒の掌に乗せてみる。

やはりまだ何か違うみたいで、そのまま俺の拳は箒に強く握られた。

 

「いでででで!なんなんだよ?!」

 

何とか振りほどくと、

 

「もう!何してんのよ!アタシが一夏と一緒に行くの!箒は一人で向かったらいいじゃない」

 

「なんだと!鈴こそ一人で向かったらどうなんだ!」

 

「分かった分かった!とりあえずこれ以上遅れると本当にはぐれる!三人で行こう!な?」

 

「「………ふん!」」

 

俺を挟んで喧嘩する箒と鈴をなんとか落ち着かせ(全く落ち着く気配はないが……)俺達も霧の中へと歩き出した。

 

はぁ……なんでこうも仲が悪いんだ?

同じ俺の幼馴染同士なんだし、仲良くしてもらいたいんだが……。

まあいつものことだからもう慣れたけどな……。

 

 

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俺とシャル、それと後ろから着いてきたセシリアの三人で歩き始めて数分。

霧の中に入ってしばらく。視界はかなり悪いが一応道なりに進んでいた時だった。

 

「きゃっ!?」

 

「っ!セシリア!大丈夫?!」

 

少し後ろでセシリアの声がした。多分慣れねぇ山道で転んだんだろう。

シャルが心配して声を掛けた。

 

 

 

「……シャル。すまねぇ」

 

「うん。いいよ」

 

「ちょっと待ってろ。立てるか?手ぇ貸し……」

 

ちと名残惜しいがシャルと握っていた手を離し、セシリアの方へ駆け寄ったその時、何やら敵意のようなものを感じた。

 

空を見渡すと、遥か彼方、霧の中から一瞬、ごくごく小さな光が灯る。

 

「…ッ!セシリア!危ねぇ!」

 

「へ?」

 

俺はセシリアの元へと急いで駆けつけた。

 

「護んのは、俺の仕事だ!」

 

そして、セシリアを庇った次の瞬間。

 

「ヴヴッ!」

 

キボウノハナー

 

「だからよ…止まるんじゃねえぞ……」

 

どこから放たれた弾丸の直撃を受け、俺はワンオフアビリティ『希望の花』を発動した。

 

「助かりましたわ!オルガさん!」

 

「オルガ!大丈夫!?」

 

「俺は……鉄華団団長、オルガ・イツカだぞぉ……。こんくらい、なんてこたぁねぇ!」

 

「よかった……」

 

「にしても……何ですの?いきなり砲撃だなんて……?」

 

「………オルガ!セシリア!アレ!!」

 

シャルが何かに気付いて霧の向こうを指差す。

 

俺がシャルの指差した方へと目をやると、霧の向こうから、変な黒いモンが二つ。どんどんこっちへ来ているみてぇだ。

 

「あ?何なんだ、ありゃあ…?」

 

霧の向こうから二つの黒い何かの姿が近づき、だんだんと形が見えてくる。

その姿は、まるで……。

 

 

「ガンダム・フレーム…?」

 

 

後ろに背負ってるモンとか持ってるモンは違ぇが、二機とも黒…いや、()()()()()()()()()()に、四本の角のようなアンテナ、二つの目。その他センサーの配置。

 

「ガンダムって…三日月君のISもガンダムって名前があったよね?」

 

「三日月さんのは「ガンダム・バルバトス」でしたわね……オルガさん、なにか知っていらっしゃるの?」

 

「……いや、あんなもん俺は知らねぇ。……そもそも『つくり』が違ぇ」

 

「…つくり、ですの?」

 

「ああ。俺らの知っている奴は、腹の辺りが殆どシリンダーだけだ。だがあの知らねぇモビル…いやISはフレームが露出してねぇ。……多分、似てはいるが俺らの知らねぇモンだ。って、こたぁ……」

 

 

オルガは一つの真実を確信した……。

 

 

 

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その頃、三日月とラウラはすでに山の頂上辺りへとやって来ていた。

 

しかし……

 

「確かに良い眺めではあるが……キラは……やはり、居ないな」

 

「……来たよ」

 

「うむ……わかっている」

 

二人はそれぞれISを起動して、臨戦態勢を整える。

 

そこへすぐさま、二つのビームが撃ち込まれた。

 

それを軽々しく避け、ビームを放ってきた二機のISを確認。

その内一機は大剣も装備しているようだ。

 

(あの大剣と大砲抱えてるやつは俺が相手しなきゃ……)

 

三日月とラウラはその二機のISに突貫する。

 

「ラウラ、そっちは任せていい?」

 

「任された!ミカも油断するなよ!」

 

「うん。……んじゃあ、行くかぁ!!」

 

(ラウラは…俺が……!)

 

三日月のバルバトスルプスは雲海の向こうへと空高く飛翔した。

 

 

 

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そして、一夏達も己が対峙すべき無人機達と遭遇していた。

 

 

 

「何なの?こいつら……」

 

鈴がその三機のISの姿を見て、そう呟く。

 

坂の上に立つその三機の内、二機は同じ武装だが、真ん中の一機は少し違うようだ。

二機のISが背中に背負っている大剣とはまた違う実体剣を右手に握っている。

 

「無人機……のようだな」

 

箒の言うとおり、このISは三機とも無人機みたいだ……。

 

 

(ミカがキラを睨んでたのってもしかして……)

 

そんな俺の心の声を読むかのように、山のどこかからスピーカーの声が響いた。

 

 

≪その通りです≫

 

 

「…っ!この声、キラか!?」

 

「あぁ~、ハメられた!!よくよく考えてみたら、あの篠ノ之 束が絡んでないわけがないじゃない!!」

 

箒も鈴もこの状況を察したらしい。

俺もさすがにここまでされたら気付く。

 

キラが俺達にこの無人ISを差し向けたんだ!

 

≪皆さんの目の前にいる無人IS。それらは僕が用意したものです。騙すような事をして本当に申し訳ありません。……ですが、どうかこれと戦ってください≫

 

その声と同時に、三機の無人ISが一斉に動き出した。

 

 

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