高町なのは 〜もしraging heartが本領を発揮したら〜   作:厨二留年組

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以下の文章は基本的に高町なのはと闇の書の管制人格(リインフォースアインス)しか出てきません


if 闇の書VS高町なのは 〜もしraging heartが本領を発揮したら〜

半年ほど前、海鳴市にて高町なのはは魔法少女となった。

 

フェイト・テスタロッサとの激闘、時空管理局との協力、狂気としか思えない方法でのアリシア・P・テスタロッサの蘇生の果てにジュエルシードをめぐる事件はひとまずの終焉を迎えた。しかし、高町なのはにとってその戦いは序章にしか過ぎなかったのである。

 

 

 

ジュエルシードをめぐる事件から半年も経たぬうちに発生した魔導師連続襲撃事件は、リンディ・ハラオウン麾下のアースラ艦によって早々にその犯人が闇の書というロストロギアと関連していること、そしてその主が地球にほど近い次元世界に存在していることを特定されてしまう。

 

ことここに至って、連続襲撃を行っていた闇の書の守護騎士達との決戦を避けれぬと感じた高町なのははレイジングハートと一体化することで以前のような敗北を犯さぬよう戦力強化を図った。

 

しかしながら、謎の男達の介入によって守護騎士達は蒐集され、絶望した主、八神はやては闇の書を暴走させてしまった。

 

ここに再び世界を破滅に追いやるか否かの決戦が始まる。

 

 

 

「闇の書の完成を確認。これより主命に従い殲滅を実行する」

 

「滅べ。滅べ。滅べ。外の世界を知るための足を失い、家族すら失ってしまった主は貴様らの滅びを望んでいる。何故貴様らは健康に過ごしている?元より持つものが少なかった主が此れほど失い続けているというのに、何故貴様らのような持つ者たちが平然とさらに欲しがるのだ。傲慢が過ぎるぞ。貴様ら皆滅びるがいい。」

 

闇の書の管制人格から放たれた言葉は嘘偽りなく八神はやての本音だった。羨ましい、わたしには親が居ないのに。妬ましい、わたしは足が動かないのに。幼く、障害を持ち、親が居ない。三重の意味で社会的弱者であった八神はやての他者に対する嫉妬心は留まるところを知らず果ては世界すら呪ってしまう程だった。守護騎士達が現れるまでは。しかし、守護騎士という家族ができたからといって今迄の負の感情が消えるわけではない。寧ろ、家族の暖かさを知ったが故にそれを失った現在の八神はやての悪意は以前のモノよりも数段増しで凶悪なものになっていた。そしてそれに対して最悪の形で闇の書が答えてしまったのだ。

 

 

「あなたは……いや、あなた達が……ッ!でもッ、お話ししようよ!きっと、そうすればはやてちゃんだってッ!」

 

「もはや対話でどうにかなる段階は過ぎたのだ。君のような持って生まれた者には、失ってこなかった者には、主の心はわからない」

 

その通りだった。反論のしようがなかった。高町なのはは持つ者であった。失わぬよう奮起し続け結果を出せる側の人間だった。

 

故に答えは決まっていた。

 

 

「分からないよッ‼︎でも、諦めないでよ。諦めなければきっと夢は叶うんだよ。この世界はあなた達が思ってるほど捨てたものなんかじゃ無いんだから‼︎わたしに話してくれたら一緒にわたしも頑張るから‼︎」

 

そうだ。諦めるな。世界に絶望しただのなんだのと、他者を貶める暇があるのならば自分を高める努力をすべきなのだ。なによりも、もっと周囲に頼るという努力をこそすべきだったのだと。

 

「わたしに言ってくれないなら、誰かを頼れないなら、強引にでもお話ししてもらうから‼︎」

 

 

闇の書は凶悪な主の憎悪によって過去に意識を失った主を取り込んだ時とは比にならぬほどの力を十全に発揮していた。これほど悲しい皮肉はそうはないだろう。

 

エグザミアから供給される真実無限の魔力をありとあらゆる魔法を蒐集した闇の書が行使するのだ。

 

故に必然、先手は闇の書だった。

 

「ブラッディダガー・ジェノサイドシフト」

 

まるで天より降る雨のように、隙間なく降り注ぐ魔力の刃。当初想定されていた威力とはケタ違いの暴威が圧倒的な殺意と共に放たれ、早々に高町なのは以外は戦場から退場させられてしまう。

ここに一騎打ちの構図は完成した。

 

「まだだッ!ディバイン・バスターッ‼︎」

 

魔力刃の豪雨を得意の砲撃で薙ぎ払い、発生した間隙を超速で飛翔する。相手の上を取ろうとする常道の戦術はしかし、相手が悪過ぎた。

 

「それで避けれたとでも?甘いぞ。」

 

新たに魔方陣が形成される。計9つ発生したそれらが、地へ落ちる魔力刃を角度を変えて上空から射出する。上空から放たれ続けるものとの干渉によって軌道が不規則に変化した魔力刃が包囲網を形成した。

 

「それならッ!これでッ!」

 

だがその程度で諦めるなのはでは無い。13の誘導弾を自身の前後左右上下に配置し、攻撃を相殺しながら前進を続ける。崩れかけの結界が保たれているうちに、一刻も早く主戦場を地表より遥か上空としなくてはならない。威力よりも範囲と衝撃を重視した砲撃によって闇の書を高度数万キロメートルまで押し上げる。

 

「良いのか。ここの環境はお前に不利に働くぞ」

 

威力を重視せずに打った砲撃とはいえ、高高度まで吹き飛ばす砲撃を真正面から受け止めた闇の書は些かの傷も見せない。だが、それがなのはの砲撃の威力の低さを示しているわけでは断じていない。寧ろ逆である。無限の魔力によって装甲強化されている闇の書を高度数万キロメートルまで砲撃で打ち上げるなど、次元航行艦アースラを人力で同高度に打ち上げるに匹敵する所業である。すでになのはは己が限界をこの短期間に3つ超えていたのだ。

 

「良いんだよ。これであなた達だけに注力出来る。わたしが必ずあなた達を救ってみせるから。」

 

限界を幾たび超えて、されどその闘志は尽きる事なく。闇を照らす光をその瞳に宿して高町なのはの飛翔は留まるところを知らない。

 

「レイジングハート!行くよッ‼︎勝つのは私たちだッ‼︎」

 

『天昇せよ、我が守護星 鋼の決意を掲げるがため

 

祝福ある未来を目指し 煌めく翼は天翔けた

 

我が象徴は不屈なれば 絢爛たる輝きに恐れるものなど何もない

 

勝利の光で天地を照らせ 正常なる行為と共に新たな希望が訪れる

 

改心せよ悪意の魔人 赫怒の砲火に焼き尽くされろ

 

人より生まれた血脈が 英雄の武功と共に闇の覇道を打ち砕く

 

精神が潰えぬ限りは 果てはなく

 

蒼穹を舞え天駆翔 我が降誕の暁に救世の火を運ぶのだ

 

 

ゆえに邪悪なるもの、一切よ ただ速やかに改めろ

 

是非もなしーーさらばデバイス、我が半身 魔力の全てを担うのみ

 

天空を統べるが如く 次元を羽ばたけ不屈の煌翼

果てなき未来をいざ行かん

 

 

MetalnovaーーーRaging magia savior』

 

 

来たるべき守護騎士との再戦に備えて行われた人機一体化の本領が発揮される。埒外の精神力を備えた不屈の魔導師は人間の域を超えた演算能力を持って再誕した。しかし注目すべきはそこではない。この人機一体化の最たる特徴はなのはが諦めぬ限り現状に対応したアップデートが行われ続けるというところだ。常人がぶち当たる限界という壁を階段を一段上がるかのように軽く超えていく。つまり……

 

「アクセルシューターッ!」

 

もはやなのはの誘導弾の威力は数十秒前のものとまるで異なっていた。一発一発の瞬間威力がジュエルシード事件時のSLBに匹敵、いや凌駕するほどの威力を誇る超収束弾。加えて、作られた数は驚異の105発。膨大な数の誘導弾が前後左右上下、あらゆる方向から闇の書を襲い容赦なく打ち据えんとする。

 

「鋼の軛ッ‼︎パンツァーガイスト‼︎」

 

それは奇跡だった。闇の書が高町なのはという存在に対し過去最大の恐怖を抱いたが故におきた、過去に類を見ない、まさに奇跡的事象が発生したのだ。現状を自己消滅の危機と認定した闇の書が一般的にバグと呼称されるものを含めた全てのシステムのリソースを戦闘に振り分けたのだ。守護騎士システムも含めて。

 

故にこんなことすら可能としてしまった。

「開け、旅の鏡。響け、終焉の笛 ラグナロク ブレイカー!」

 

計9つのベルカ式魔方陣が組み合わさり完成した巨大魔方陣は一辺を通常のそれの3倍規模に拡大したものであり、相乗効果により威力、射出速度ともに3倍となった27の砲撃が旅の鏡によってなのはの誘導弾を根こそぎ打ち消すように乱射された。なのはの周囲を漂い守りを担っていた誘導弾を引き剥がして刹那、最速の一手が放たれた。

 

「駆けよ、隼ッーーーシュトゥルムファルケン」

 

音速を遥かに上回り、衝撃波を撒き散らしながら疾駆する隼。さすがのなのはも軌道を逸らす程の余裕も無く、咄嗟に貼った防壁で堪えるも、あまりの衝撃に防壁にはヒビが入りその場で踏ん張らざるを得なくなる。そして、その一瞬の硬直こそが致命的だった。

 

「ガッッーーーカハッ」

 

常識破りのダブルタップ、隼は2羽いたのだ。一射目で防壁にヒビを入れ、間髪入れずに全く同じ場所にもう一射放つことでなのはの胸部に風穴をあけることに成功したのだ。

 

闇の書の勝利が確定した……と思われたその時。

 

「いいやッ、まだだッッッ‼︎‼︎ 」

 

高町なのはは最後の博打に出た。周囲数百キロにばら撒かれた生命の生存が不可能なほどの濃度の魔力を自分を巻き込む形で収束、起爆させたのだ。

 

高町なのはという、闇の書が全霊を賭してまで排除せんとした標的を討ち取ったと気を抜いた刹那行われた自爆特攻はそのあまりの威力故に闇の書の4重装甲をも貫通し八神はやてを闇の書から解放してしまった。

 

この戦いは高町なのはの勝利に終わったのである。

 

 

 

その後、闇の書は戦闘中に全リソースを戦闘に配分、つまり管制人格が闇の書の全機能を持って敵対者を排除する状態へ移行したためバグだった何かを切り離し、守護騎士を再誕させ夜天の書として自己修復を完了させた。

 

今回の件で、自分が頼れる人が多くいるのだと気づいた八神はやては、高町式ブートキャンプよって生まれ変わり、光の道をひたすらに歩む人生を選んだ。

 

「確かに現実は辛いことばっかりや。せやけどそれは、ただの逃げや。諦めなければきっと出来る。なのはちゃんなら出来たで。」

 

 

 

 

余談ではあるが、管理局はその後高町なのはを魔導師ランクEXという枠を新たに作り唯一無二の待遇で迎え入れ、そして、八神はやて及び管制人格リインフォースはSSSランクとしてなのはの下につかせた。ミッドチルダは近いうちに最高評議会の望んだ理想郷となるだろう。なのはが約束した通り、約束された繁栄が次元世界に齎されるのである。

 

 

終。

 

 




レイジングハートで不屈の心っておかしくないかと気になりだした途端脳内で煌翼が詠唱を始めたからやった。後悔はしてない。
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