マクロスΔ 全てを斬り裂く妖刀   作:nasigorenn

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あまり筆が進まないのが悩みですね、最近。ただミラージュが可愛ければそれで良いかなって………。


第十一話 歓迎会

 ハヤテの最終試験も無事?に終わり、改めてデルタ小隊に入隊を決めたハヤテ。ソレと供にフレイヤのワルキューレ加入が銀河ネットを通して大体的に報道されていく。お陰で現地である惑星ラグナでは大騒ぎである。

 そしてそんな雰囲気の中開かれたフレイヤとハヤテの歓迎会。会場である裸喰娘娘はケイオス関係者で大いに賑わっていた。

 

「あ~~、思い起こせばワルキューレ結成を依頼され………」

 

 歓迎会の挨拶をマクロス・エリシオンの艦長のアーネストが行っているのだが、周りはお堅い挨拶など期待していないので妙に気まずそうにしており、それをくんでなのかブリッジオペレーターのニナとワルキューレのマキナがアーネストの前に立ちふさがり挨拶を奪った。

 

「と、いうわけで………」

「フレフレとハヤハヤのデビューをお祝いして………」

 

「「乾杯ッ!!」」

 

「「「「「ようこそ、ケイオスへ~~~~~~~~~~~~~!!!!」」」」」

 

 そして乾杯し騒ぎ始めるケイオス関係者達。皆この歓迎会で二人のことを祝ってくれていることがよく伝わってくる。

 皆に祝われたことが嬉しかったのだろう。フレイヤは嬉しさのあまりに感動して泣きながら元気いっぱいに頑張りますと皆にお礼を言うと、それで更に盛り上がる面々。そんな面々に呆れつつも祝われてることが嬉しいのかハヤテは大げさと言いつつも満更ではないようだ。

 そんな雰囲気の中、ミラージュは二人を祝いつつも少しだけ拗ねているようであった。

 

「どうしたの、みーちゃん? 何かあった」

 

 アキトがそう問いかけると、ミラージュはアキトにいつもと変わらない真面目な表情のまま答えた。

 

「別に何もありませんよ」

 

 そう答えるミラージュだが、幼馴染みであるアキトにはお見通しである。彼女は幼い頃と全く変わっていないとアキトは思いながら軽く笑う。

 

「みーちゃん、何でも無くはないよね。だってみーちゃん、少し変な顔してるよ」

 

 真正面から拗ねてると指摘すれば自棄になって怒り出すであろうことがわかるからこそ、アキトはそう彼女に言う。すると彼女はアキトの笑顔を見て少しだけ溜息を吐くと若干拗ねた様子で話し始めた。

 

「だってあーちゃんがこの歓迎会には含まれていないじゃないですか」

 

 そう言うとミラージュは私は拗ねてますと言わんばかりの様子でアキトを見つめる。

 

「確かに正式に入ったハヤテとフレイヤのことはめでたいです。ですけど、ソレでしたらあーちゃんだって祝われたっていいはずです」

 

 どうやら目の前の幼馴染みは自分が祝われないことを不服に感じているらしい。そんなことで自分の為に拗ねてくれる彼女にアキトはついつい笑ってしまう。

 

「僕は二人と違って出向だからね。正式に入ったわけじゃないから仕方ないよ」

「むぅ、だったらそのPMCなんて辞めてあーちゃんがこっちにくればいいんです。ケイオスはいつでも大歓迎ですよ」

「無茶言わないの。そのお誘いはありがたいけどね」

 

 若干拗ねるミラージュにアキトは微笑む。

 

「でも……僕の為に拗ねてくれたのは嬉しいよ。みーちゃんのそういう顔も可愛いからね」

「か、かわッ!?…………もう、不意打ちは卑怯です」

 

 アキトの言葉にミラージュは顔を真っ赤にして慌てるのだが、直ぐに気を取り直す。それでも嬉しいのかニヤつく口元を抑えきれないようだ。

 端から見たらカップルのそれであり、その雰囲気に独り身な人達は実に恨めしそうな目で睨んでいたという。

 そんなこともあるが周りも大いに盛り上がり、酒飲み比べや仲が良い集団による飲み会、何故かアーネストとの腕相撲大会などが行われていくことに。

 皆大いにこの歓迎会を楽しんでいる。そして主役であるフレイヤとハヤテの二人もまた料理に舌鼓を打ちながら楽しんでいた。

 そこで盛り上がる内に話題に上がったのはフレイヤのデビューライブの話であり、ワルキューレがライブをするということはヴァールに対する治療行為でもあるということ。それ故に初陣に緊張するフレイヤ。

 そんなフレイヤを見ながらハヤテはふと気になったことを口にする。

 

「何でライブなんだ? 録音して放送とかじゃ駄目なのか?」

 

 よく考えれば当たり前の事であった。歌を聴かせるだけなら録音したものでも良いはずである。それにその方が安全だ。危険な戦場に出る必要などないのだから。その事にアキトも少しばかり気になったようだ。

 その疑問に対しマキナが答えてくれた。

 

「私達が歌うと生体フォールド波っていうのが発生するの。で、それがヴァールに効くんだけど録音したりデータ化したりすると効力激減」

 

 その言葉にハヤテとフレイヤの二人は感心する。アキトはその事を聞いてだからライブなんだぁと納得していた。

 そんな中、ミラージュは少し不安そうな顔をする。

 

「どうしたの、みーちゃん?」

 

 本日二度目のその問いかけに今度は素直にミラージュは答えた。

 

「あのアンノウンはまた来ると思います。そう思うと不安で………」

 

 それは命を賭け戦うと決めても必ずある恐怖。自分の失敗で誰かが死んじゃないかという恐怖、自分は勿論だが、それ以上に 『大切な人』が死んでしまうのではという恐怖。そういったものが彼女の心を侵食していく。

 ミラージュの不安気な顔を見て、アキトはそれでも朗らかに笑う。

 

「大丈夫だよ」

 

短い、けどはっきりとしたその言葉は暖かくしっかりとミラージュの胸に染み込んでいく。

 

「あーちゃん………」

「大丈夫。来たとしても倒せば良いだけ。みーちゃんはいつものように一生懸命に正義の味方として頑張って。それだけで絶対に勝てるから。それにもしみーちゃんを傷付けようとするのなら、その時は…………ね」

 

 一瞬だが漏れ出す殺気。それだけで周りにいた者達の背筋をゾクリとさせるのに十分なものであった。その怖気に賑わっていたはずの会場にぽつりと空白空間を作り出す。それを感じてなのか、アキトは若干大きな声でミラージュに笑いかけた。

 

「あはははは、大丈夫だよ。みーちゃんは僕が守るから。正義の味方の悪役にならないような小悪党は僕が斬るから。だからみーちゃんは安心して悪役を倒して。そのために僕が手助けするからさ」

「あーちゃん…………」

 

 ミラージュにとってそれは不安を払拭するのに十分な安心感であり、寧ろそんな『王子様』的な台詞を言われて彼女は顔を赤らめながらアキトを見つめてしまう。いつもと同じニコニコとした笑顔なのだが、彼女にはいつも以上に格好良く見えた。

 

「はいはい、ごちそうさま」

「ふぁ~~~~、ミラージュさんゴリゴリ真っ赤やね~!」

「本当にこれで付き合ってないとか嘘だろ」

「クラゲは生が一番」

 

 そんなやり取りをする二人にマキナは見慣れてきたこともあって普通に対応し、フレイヤは顔をリンゴのように真っ赤にして手で目を隠すのだが隙間から覗き見ていることが丸わかり、ハヤテは呆れながらそう呟き、レイナは我関せずであった。

 そんなふうにこの日は賑やかに過ぎていった。

 

 

 

 ついにやってきたフレイヤのデビューライブ。会場は惑星ランドールの大都市にある特設ステージ。そこに向かってデルタ小隊はワルキューレと供にマクロス・エリシオンの左腕(アイテール)に乗り込みフォールドで向かう。

 その中にはアキトも乗り込んでおり、当然のようにVFー19Σ『村正』も積んである。そのコクピットの中にてアキトは目を瞑る。本来の仕様のためにあるスティックやレバーに手も足もかけず、ただ背中にあるコネクターで機体と自身を繋ぎ『一つとする』。目を瞑っていても見える外の光景。皆が慌ただしく機体の整備をしている。

 その光景を見つつアキトは一人笑う。

 

「困ったなぁ、どうしよう?」

 

それは困った声である。何がそんな彼を困らせているのだろうか?

 

「みーちゃんの頑張る姿は見たいしアクロバティックの晴れ姿もみたい」

 

 いつものように惚気るアキト。大好きな女の子の頑張る所をみたいと漏らす姿はただの色ボケである。だが…………。

 

「でも、戦ってる姿もみたいんだよね。正義の味方らしく戦ってるところも」

 

 危ないと分っていながらも勇ましい姿も見たいと思う。矛盾しているのだがそれでもそう思ってしまうのだろう。

 

「それに………ああいう手合いはまた来るからね…………斬りたいなぁ……ねぇ、村正。僕は我慢が出来るのか不安だ。我慢する気がないけどね」

 

 コクピットの中、妖刀の刃が妖しく輝くのであった。

 

 

 

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