これは、瀕死の状態で発見されたお嬢様・綾小路咲夜と綾小路家の、その後のお話。
ちなみに咲夜は『ヤンデレCD』2作目のトップバッター(第1話に登場)で、ジャケットイラストも飾っています。ヤンデレというよりもツンデレ要素が強かったヒロインです。
track.1 目覚め
「
遠くで誰かが呼ぶ声がする。
誰かしら、どこか懐かしい…、昔よく呼び掛けてくれた、この懐かしい声…。
「バイタルは正常値…脳波も反応しています…完全覚醒まであと5秒」
「咲夜…起きてくれ咲夜っ…!」
まだ眠い…瞼も、重い…お願い、もう少しだけ、放っておいて…
「帰ってくるんだ! 咲夜ぁ!」
「!!! お義兄様っ!」
呼びかけられた声の強さに、私は叫び声をあげて跳ね起きる。
眩しいっ…!
私に向けられた照明の明るさに、思わず手で顔を覆う。
しかしすぐに目は慣れ、辺りの様子を伺う。
ここは…?
「システムオールグリーン、咲夜様、起動しました。タイムスケジュールの誤差はコンマ3秒、おめでとうございます
「バカっ…言葉に気を付けろユーミア、咲夜はまだ…」
「すみません、失礼しました」
見覚えのある、白衣を着た背の高い男の人が、傍らの女性と何か喋ってる…。
え? なにこの人…、女性というか…女の子…?
男の人は普通のお医者さんに見える…。
それはいいとして、女の子のほう…。なんでミニスカメイド服の上に白衣着てるの…?
しかも…ネコミミ…カチューシャ? メガネも…でかっ!
顔は…美人よね、うん。
金髪のショートカットに、蒼く透き通る澄んだ瞳、白磁のような綺麗な肌…。
外国の人なのかしら…。歳は…若そうに見えるけど…。
私より少し上…かな…。
私が…%$#+歳だから…
………え。
あれ? 私は…私っ…
私って…いくつ…だっけ…。
「咲夜! 大丈夫か咲夜!? どこか痛いところはないか? そうだ! お腹すいてないか!?」
優しそうなお医者さんは私の肩を掴んで、質問と共にガクガクと揺さぶってくる。
「良かった…咲夜が目を覚ましてくれて…本当に良かった…」
彼は涙を流し、私を抱擁してくれる。
そんな私たちを、白衣のメイド…というか、なんだかわからないおかしな格好をした女の子が、メガネの位置を人差し指で直しながら見つめている。
私は、彼らに何も答えることが出来なかった。
いや、実際には周りの状況を観察する以外に、何をしていいのか、何を口にしていいのか、全くわからなかったのだ。
私は、ようやくこれだけを口にする。
「私は…誰? ここは…どこ?」
泣いていたお医者さんが、涙でびしょびしょの目を真ん丸に開いて私を凝視する。
「咲夜!? お前…記憶が…」
「私は…わたしはぁ…誰なの!? ここどこ!? アナタは誰!? どうして私、こんなところに…!?」
名前がわからない、自分がだれかわからない、いる場所も全然知らない!
わたしは…誰なの! あなたは…誰!?
「いやあああああああああ!!! 助けて! 怖いよ!」
怖い怖い怖い怖い怖い!
わたし、何かすごく怖い目にあって…冷たい色をした、銀色の…刃物が、わた…わたシ…ノ…かラ…かラダ…ヲ…
「きゃああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
「咲夜!?」
「これ以上は危険です桐夜様。
「やめろユーミア! まだ…!」
「システムダウン」
「ユーミアっ!」
ワタシの、意識ハ、暗転スル。
時間が出来たら続き書く。
いま本業と、別の新企画が忙しいの。
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