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“七罪”序列第三位“虹月幻想オーケストラ”が誇る“コンサートマスター”……虹月……アルト……。
あたしはほぞを噛む。
ユーミアはここであたしたちを殲滅するつもりだ、綾小路桐夜の施術に関して万難を排するため“統率者”すら招聘したのだろうけど……それが功を奏したってことになる。“ドールマスター”への対抗手段として“コンサートマスター”はまさに適役……。
あたしはここまでの戦闘状況を想定していなかった。もちろん元“死季嶌書房”であるユーミアとの戦闘は織り込み済みの依頼だ。
しかし、七つあるあたしたちの血統序列―
序列第一位“迦陵”
序列第二位“亜桜人形劇団”
序列第三位“虹月幻想オーケストラ”
序列第四位“断華絶刀流”
序列第五位“紅蓮宮機甲旅団”
序列第六位“死季嶌書房”
序列第七位“千里塚インフォメーション”
……第七位のみ例外としても、一位から六位の血統が他の血統に助力を求めるなどあり得ない。それをするには、プライドの問題ももちろんあるにはあるが、戦闘「方針」があまりに異なり過ぎる。お互いの戦闘方針が、共闘するには邪魔以外の何物でもないのだ。
ただの木偶を「強化演出」するだけなら自分とは関係ないと割り切っているのか……、もしくは、機械人形に成ったユーミアは“死季嶌書房”の業を捨て去ったのか……。
なんてことを思考している間にも、あたしのお人形は少しずつ数を減らしていく。既に半数対半数というバランスすら崩れ、敵方が500余体、こちらは360を割ってきている……。
まずい……このままでは……!
「あらあらまあまあ、奏ちゃん? ずいぶん劣勢になってませんこと? ふふふ……わたくし、少し張り切り過ぎちゃったかしら……なにしろ久方ぶりのコンサート。しかもこんな大舞台……、ちょっと熱が入っちゃったかしら?」
天井近くのスピーカーから虹月アルトの声が響く。
あたしはそれに応えず、最も近い場所に設置されたスピーカーを2~3基まとめて斬妖線で切り裂いた。
当たり前の話ではあるが……目に見える音響機材を破壊したところで虹月の業を阻止することなど不可能だ。アルトは笑いを含んだ声でなおも語り掛けてくる。
「ふふ……ちょっと奏ちゃん? 舞台装置を損壊しては演者の名折れですわよ? 不利なのは理解出来ますけど……。うふふふふふ……あら、ごめんなさい。まさか“ドールマスター”を討てる機会をいただけるだなんて……許しがたい“七罪”の面汚しではあるけれど、あの品性下劣なあばずれ女に感謝しないといけませんわ」
あー、アルトもユーミアのこと嫌いだこれ……。まあそうでしょうね、アレを好きになる人間がいたら、あたしはそいつの周囲1kmには近づきたくないわ。
すさまじい音を立てて、あたしの足元までお人形たちの残骸が……! やばい、物量差がかなり開いてきた、これ以上は致命的になる……! 最早これまで……、ならば……見せてやるわ……!
“アレ”はまだ、今のあたしでは4体しか操演出来ない……つーか4体しか渡されてない……。でも……あたしのお人形の中では紛うことなき最強の4体! 造ったのがあたしじゃないってのが気に入らないけどね!
「さっきからお返事をくれないのね? わたくしばっかり喋ってる、とっても寂しいですわ。でも……“ドールマスター”である奏ちゃんのことですもの。次の演目を……そろそろ見せてくれるのでしょう?」
ヤツの言葉が終わらないうちに、あたしは展開している全ての人形の糸を解く。
その通りよ虹月アルト。
見せてあげるわ……。
「その通りよ“コンサートマスター”。“虹月幻想オーケストラ”最高の“統率者”が共演であるなら、あたしも最高のお人形で舞台を盛り上げないとね! 一人しか選ばれない、次代の“マエストロ”の座を競うあなたとあたしの二人で……歴史に残る舞台を創り上げようじゃない!」
あたしは「殺戮人形劇」と対を成す、亜桜の秘奥を展開する。10体が揃ってこその舞台だが……これ以外にこの場を凌ぐ術はない。そして、アルトが相手だろうが……ユーミアが相手だろうが関係ない、これを観劇することは、そのままお前の死に直結するのよ虹月アルト……!
「お出でなさい、あたしの可愛い十王人形……! そして、眼前の敵を殲滅し、アルトを引きずり出すのよ……! 遊びはここまでだ……冥界人形劇“地蔵十王経”!!!」
即座に接続された糸は、あたしの所有する最高芸術たるお人形を眼前に現出させる。
すなわち、
“秦広王”
“初江王”
“宋帝王”
“五官王”
“亜桜人形劇団”が保有する至高の10体、そのうちの4体。残りの6体は……まだ前代“ドールマスター”朝倉弦月……お祖母ちゃんから継承されていない。
アルトの声に緊張が入り込んだ。
「ついに出しましたわね……亜桜が誇る至宝……地獄の冥王たち……!」
いま、あたしが操るお人形の姿は冥府の閻魔を象ったモノ。そう、「彼ら」は死後の人間を裁く閻魔、地獄の十王そのもの。史上最高の“マエストロ”朝倉弦月が現世に創造した、戦闘芸術の極みたる「地蔵菩薩発心因縁十王経」!
間が空きすぎて何を書いてるかわからないw
このあと続きがあるなら、設定の名前だけでまだ出てないキャラ出したい。