ドS(親切)とオーバーロード   作:低価格ハムスター

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『』 はメッセージです!


現地人

 ある村で村娘…エンリは妹の手を引き必死に走っていた。妹を助けようとする一方で、妹を見捨てれば自分は助かるのでは無いかという考えが浮かんでくる。そんな考えを振り払い妹の手をしっかり握ってエンリは走った。

 

 

「あっ!」

 

 

 しかし妹が転んでしまった。それも当然だろう、もうかなり走り続けている。まだ幼い妹がその小さな身体で必死に逃げている相手は大人の訓練された騎士だ。妹は足が痙攣して走らないようで、エンリは妹を抱えようとする。しかしエンリのすぐ後ろで金属音が止む。

 

 騎士が剣を振り上げる。エンリは咄嗟に妹を胸に抱き庇った。直後、背中に激痛が走る。しかしエンリはただの村娘とは思えない精神力で、妹だけでも…と妹を逃す決意をした。そして騎士が再び剣を振り上げる。

 

 

(ネムだけは…絶対…!)

 

 

 

 ◆

 

 〜モモンガ視点〜

 

 

 俺は幽香さんと遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモートビューイング)を眺めていた。

 

 

「おっ!」

 

 

 幽香さんと遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモートビューイング)の操作方法を模索し始めて結構な時間が経った。そして今、漸くその操作方法がわかったのだ。

 

 

「やっと動かせたわね。」

 

 

「おめでとうございます。モモンガ様。風見幽香様」

 

 

「ありがとう、セバス。」

 

 

「長い間付き合わせて悪かったわね」

 

 

「何をおっしゃられますか。至高の御方々のお側に控え、命令に従うこと。それこそが執事として生み出された私の存在意義です」

 

 

 NPCのこういう所がなぁ…もっと気楽に話せないものだろうか。彼らの様子を見る限りそんな事は不可能だろうが。俺は心の中で苦笑する。そして遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモートビューイング)を操作していると村を発見した。その村は何やら騒がしかった。

 

 

「祭りか?」

 

 

「いえ、これは違います」

 

 

 よく見ると全身鎧を着た騎士が剣で村人を切り裂いているのだ。それは蹂躙である。

 

 

「ちっ!」

 

 

 不快だったため、光景を変えようとする…しかし。

 

 

 

「…!」

 

 

 突如、強いプレッシャーに襲われ俺の動きが止まる。俺はその発生源…隣をみる。いつも余裕のある表情を崩さない幽香さんだが、今はその影もなく激しい怒りの表情を見せている。そして、おそらく姉妹であろう少女達の姉が妹を庇い、その身に剣を受けた時。

 

 

「〈転移門(ゲート)〉」

 

 

「なっ…!」

 

 

 彼女はその場から姿を消した。

 

 

 

 ◆

 

 

 〜幽香視点〜

 

 

 俺は今とてつもない怒りを感じていた。俺も自分でどうしてこれだけ怒っているのかわからない。この出来事は知っていたし、心構えもしていた。このシーンではモモンガさんがセバスを見てたっち・みーさんの事を思い出していた。その後自らこの村を助ける判断をするのだ。だから俺は今までも出来るだけ原作と同じになる様にしてきた。今回もモモンガさんが動いた後に行動するつもりだったのだが…。

 

 〈転移門(ゲート)〉でエンリの後ろに転移した俺は突然の事に驚いている騎士を私の武器である日傘で騎士の1人を吹き飛ばす。物凄い勢いで壁に叩きつけられた騎士はそのまま絶命した。

 

 

「ひっ!」

 

 

 もう1人の騎士が怯えて後ずさる。

 

 

「あら、私のことは追い回さないのかしら?」

 

 

 その時私の後ろで〈転移門(ゲート)〉が発動する。そしてモモンガさんが出てきて魔法を行使する。

 

 

 

「〈心臓掌握(グラスプ・ハート)〉」

 

 

『幽香さん、一人で飛び出さないでください!どんな相手がいるかわかってないんですよ』

 

 

『ごめんなさい。少し、不快なものを見たせいで怒りが抑えられなかったのよ』

 

 

『本当に…次からは頼みますよ?』

 

 

 

「それにしても弱いな…」

 

 

「一般の兵士…騎士?ならこの程度じゃないかしら?」

 

 

「うーむ、そういうものでしょうか…中位アンデッド作成…死の騎士(デス・ナイト)……この村を襲っている騎士を殺せ」

 

 

 モモンガさんがそう命令すと死の騎士(デス・ナイト)は雄叫びをあげて走り去っていった。…これは俺の分は残らないな。エンリを斬りつけた下衆な騎士は殺したし、少しは怒りもおさまった。それに、どうせもう一つイベントがあるし…それまでは我慢するか。

 

 

「守るべきものを置いていくのはどうなんだ?」

 

 

 その時開いていた転移門(ゲート)からアルベドがでてくる。

 

 

「準備に時間がかかり、申し訳ありませんでした」

 

 

「いや、実に良いタイミングだアルベド」

 

 

「それで、この下等生物の処分はどうしますか?」

 

 

 こいつらは本当に…そう作られているかもしれないし、人間種がほとんどいないナザリック、しかも基本的にカルマ値が低いやつらばかりとはいえ…人間がいたらとりあえず殺そうとするのはどうにかならないだろうか?セバスやユリ以外を外に出すのが怖いぞ…。

 

 

「アルベド、この子達は私とモモンガが助けたのよ?殺さないわ」

 

 

「…この村を助ける。敵はそこに転がっている鎧を着た者達だ」

 

 

「了解しました」

 

 

 モモンガさんは姉妹に目を移す。

 

 

「怪我をしている様だな………飲め」

 

 

 うわぁ、あれが治癒の薬だと知らなければどっからどう見ても血にしか見えないし。モモンガさんはもう少し優しい言い方を出来ないのか。

 

 

「の、飲みます!だから妹には…!」

 

「お姉ちゃん!」

 

 

 まぁ、そうなるよね。アルベドが怒り出す前になんとかしよう。

 

 

「それは治癒の薬よ。決して血や危ない薬ではないから安心しなさい」

 

 

 私がそういうと、恐る恐るではあるがエンリは薬を飲んだ。

 

 

「傷が…」

 

 

「痛みは無くなったな?」

 

 

「は、はい」

 

 

 これで無事エンリを助けることができた。俺が飛び出す必要は無かったのだが…我慢できなかったのだから仕方がない。確か原作でモモンガさんはアンデッドになった影響で人の心をなくしたと言っていた。そしてモモンガさんのカルマ値は最悪だ。それに対して俺のカルマ値は+でそこそこ高い。もしかしてそれが理由か?…そんなことを考えてる間にモモンガさんが魔法をかけ終えて、アイテムも渡した様だ。

 

 

「あの、お名前を教えてもらえませんか!」

 

 

「……我が名を知るが良い、我こそがアインズ・ウール・ゴウン!」

 

 

 カッコつけてたけど、そのあと俺も名前を聞かれたから俺は普通に答えた。たぶん今、俺がいることに気づいて恥ずかしいと思うからあとで揶揄う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エンリって、普通の村娘なのに覚悟とか凄いと思います。とても好きです。


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