ドS(親切)とオーバーロード   作:低価格ハムスター

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ドSとオーバーロード冒険者になる。

 

 

 ガゼフを発見し村に戻り少し話した後、俺達はナザリックに戻りNPC達に何があったかを教え解散し、それから数日経った。原作では殺してしまったニグンを生きたまま捉えているため、情報はかなり手に入っただろう。基本的に俺が知ってる事だろうから聞いてはいないが…。

 

 俺が自分の部屋で花の世話(幽香っぽいこと)をしているとモモンガさんが突然来た。そして今色々と話をしている。

 

 

「えっ、ウロボロスで魔法系の職業を貰ってたんですか?」

 

 

「えぇ、それとオリジナルの魔法も手に入れたわよ」

 

 

「うわぁ…ワールドチャンピオンが魔法職も100レベルで、しかもオリジナルの魔法まで持っているとか何の冗談ですか……」

 

 

「仕方ないじゃない。幽香は魔法も使えたのだから…それよりも何が用事があって来たんじゃ無かったの?」

 

 

 これまでの事について軽く話し出したら止まらなくなってしまった。こういうのって一度脱線するとなかなか戻らないよな。特に話が盛り上がった時。

 

 

「そうでした…幽香さん、俺冒険者になろうと思うんですよ。それで…ナザリックを幽香さんに任せても良いですか?…ダメですかね?」

 

 

「モモンガが頑張っているのはわかっているわ。息抜きも必要だと思うし、冒険者をするのに反対なんてしないわよ」

 

 

「じゃあ…」

 

 

「ただ、私も連れて行きなさい」

 

 

 ここ数日で俺は原作のモモンガさんがどれだけ辛かったかが身にしみた。もはやNPCは狂信者だ。俺達至高の42人をどれだけ凄いと思っているんだろうか。あいつらが思っている三分の一もあれば良い方だろう。そのくらい俺達が凄いと信じて疑わない、そしてその信頼を裏切れないんだ。ここでは俺がいるからまだマシだっただろうが、原作だと1人だったもんなぁ…。

 

 

「しかし幽香さんは王国戦士長や兵士に顔が割れています。俺は全身鎧(フルプレート)面頬付き兜(クローズド・ヘルム)で隠すつもりですが。幽香さんの体型ではおかしいですし…」

 

 

 そう、その辺りは俺も現実世界でかなり悩んだ。しかし、ある課金アイテムのお陰でその心配もなくなった。

 

 

「心配ないわ、私にはこれがあるもの」

 

 

「それは…!かなり高かったんじゃないですか!?……たしかにこれなら……いや、でもそれではナザリックが…」

 

 

 課金アイテムでアバターの見た目を保存、変更できるアイテムがあったのだ。そのため俺は冒険者用に、もしくは何かあった時用にいくつかの見た目を用意した。もちろん今の見た目の物も用意してある。

 

 このアイテムの凄いところは何度でも使える所だ。まあ武器や防具は新たに作らなければいけないが、そのくらいの時間ならいくらでもあった。一応武器は神器級(ゴッズ)防具は伝説級(レジェンド)で作ったのだが…こちらで使うように同じ見た目の武器や防具を聖遺物級(レリック)で作り直した。

 

 

「これでどうかしら、武器や防具ももちろん揃えてあるわ……もちろん私も行っても良いわよね?」

 

 

 俺は課金アイテムで見た目を変えてモモンガさんに見せる。

 

 

「ですが…」

 

 

「ナザリックの事ならデミウルゴス達に任せた方が上手く行くわよ」

 

 

 俺がそういうとモモンガさんは少し考え、そして口を開いた。

 

 

「…わかりました」

 

 

「それじゃあ私の名前は蓬莱山輝夜…輝夜で行くから、よろしくね」

 

 

「俺は…モモンでお願いします。それでですね…お供なんですけど、誰が良いと思います?」

 

 

「思いつくのはナーベラルくらいね、他は…見た目的にほとんどアウトよ」

 

 

 まあ、見た目以前の問題な連中は多いけど、セバスやユリを除いたほぼ全員が見た目関係なくやばいやつしかいないからな。そもそも外に出すのが不安だ。ここは原作通りナーベラルの方が何かとやりやすいだろう。

 

 

「ですよねぇ…」

 

 

 

 それから少し話し合って俺達は解散した。

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 さあさあ、やってきましたエ・ランテル。俺達は今エ・ランテルに来ていて冒険者になったとこだ。

 全身鎧(フルプレート)のモモンガさんに美人なナーベラルで元々原作でも人目を引いていた。そこに輝夜がはいる。するとどうなるか…もっと人目を引いている。何というか…物凄い視線を感じる。過去…前世も含めてここまで注目を浴びた事はない。かなりの居心地の悪さだ。

 

 輝夜ってお伽話になるくらい綺麗なんだもんなぁ…いやまぁ、俺が作ってるだけだから本来の美しさとかではないと思うが。ちょっと視線がうざいからフードを被っておこう。というか何故最初から被らなかったんだ俺。

 

 

「アインズ様。幽香様」

 

 

 そんな事を考えているとナーベラルが話しかけてくる。

 

 

「違う、私の名前はモモンだ。そしてお前はナーベラル・ガンマではなく。ナーベだ」

 

 

「私は輝夜よ?間違えないようにね」

 

 

「あっ!…失礼しました、モモン様。輝夜様」

 

 

 やはりNPC達的には一時的な物であろうとも俺達を呼び捨てにするのは無理なんだな。

 

 

「様もいらないわ、おかしいでしょう?」

 

 

「しかし…!」

 

 

「…はぁ……ナーベ、これは命令だ」

 

 

 NPCたちは一部を除いて基本的に頭が固いからな。無理矢理にでもさせないとできないことが多い。

 

 

「……かしこまりました。モモンさ…ん。輝夜さ…ん」

 

 

 妥協点だろうか、ナーベラルにはこれ以上は無理そうだな。ルプスレギナとかなら割とフレンドリーに接してくれそうだが…今度試してみるか。

 

「まぁ、それなら良いだろう」

 

 

 

 その後も俺達は話し合いながら歩いていた。すると目的の場所を見つけたみたいでモモンガさんの足が速くなる。当然だがこの体格の差でモモンガさんに速く歩かれると、俺は小走りでついていかなければならない。その辺りの気遣い…と言いたいところだが。ステータスのお陰で辛くないのと俺も早く見たいものがあるので文句はいわない。そして俺達は店の中にはいっていく。

 

 

 

 




冒険者の時に誰にするかすごく悩みました。そして輝夜の身長はナーベラルより少し小さいくらいです。

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