十六夜一族   作:‪α‬ラッブ

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拙い文章ですがよろしくお願いします。


満月の少女

  幻想郷・・・そこは忘れ去られた者達の楽園。

  紅魔館・・・それは幻想郷にそびえ立つ吸血鬼の住まう場所。スカーレット家の一族が住んでいるとされている。

 

 

  紅い目の紫髪をした幼女の姿の吸血鬼、紅魔館に住まうスカーレット家の姉で紅魔館の主、レミリア・スカーレットと、この物語の鍵となる少女、十六夜 咲夜の物語である。

 十六夜咲夜は紅魔館のメイド長で、人間。

 ただし、この紅魔館へと来た際に忠誠心と労働を捧げる代わりにレミリア・スカーレットの血を受けた。

 その紅魔の血による身体能力と生まれ持った恐るべき能力で、紅魔館の随一戦闘能力を誇る。

 まず、彼女は紅魔館に仕える前の記憶が一切無い。それは産まれも育ちも、自分の名前すらも・・・。

 彼女が持つ最も古い記憶はたったの2年前まで。

 彼女自身も分からないが、恐らくそれは当時16歳の頃だ。

 

 それは紅魔館が幻想郷に移る前の話。

 

 

 ふと目を覚ますと、赤レンガの壁にもたれかかっていた。

「こんな夜中に大丈夫っすか?」

 前メイド長の紅美鈴(ほん めいりん)と言う赤髪の女性だ。

「?」

 名の無い頃の咲夜に優しく話し掛ける。

「えーっと・・・大丈夫?」

 と、ようやく名無しの少女は話し掛けられた事に気づく。

「・・・?。あ、ああ、はい。多分?」

 所々痛みがあるし、動けないが、驚いてそう答えてしまう。

「良かった。でも動けないみたいだし、ちょっとここで待っててね?すぐ戻って来るから。」

「あ、はい。」

 その赤髪の女性が大きい門の奥へ走って行くと、お嬢様!お嬢様!と大きい声で誰かに呼び掛けながら更に奥へ走って行った。

 ドアの閉まる音がすると、静かになったので、名無しの少女は何故自分は倒れているのか、自分の名前は何なのかと言う自分に関する記憶が一切ない事に動揺した。

 数分後、先程の赤髪の女性が戻ってきて、

「失礼しますよーっと。」

 と、名無しの少女を抱きかかえて門の中へと連れていった。

 連れて行かれた所に羽の生えた幼女が座っていた。

「お嬢様、連れて来ました。」

 と、赤髪の女性が羽の生えた幼女に報告する。

「ありがとう、美鈴。後でこの子の世話をお願いしてもいいかしら?

 じゃあ1分後にここへまた来て頂戴。」

 美鈴と呼ばれた赤髪の女性がはいと短く答えて部屋を出て行った。

 幼女は名無しの少女を見つめてこう切り出した。

「フフフ・・・ふーん、面白いわね。貴方、名前は?」

 名無しの少女は小さく首を横に振った。

「そう、動けない様だけれど、何をしたのかしら?」

「覚えてない。」

「じゃあ、最後の質問よ。貴方に帰るべき所はあるかしら?」

「分からない・・・けど、私には何も無い・・・気がする。」

「分かったわ。」

 幼女は少し考えると、よし、と小声で言い、

「貴方に居場所と名前をあげる。」

「え?」

 と言う事はここに住まわせてくれると言う事だろうか。

「では貴方に名を与えます。今日は満月だし丁度良いわ。今日から貴方は、十六夜 咲夜。文字はこう書くの。ここではきちんと働くのよ?

 あ、丁度いい所に来た。美鈴、この子をメイドにする事にしたわ。世話をお願い。」

 レミリアがそう言うと、美鈴が

「わかりました。

 行きましょう、咲夜さん。」

 そうして自身の名前すら知らない少女、十六夜咲夜は紅魔館にてメイドになった。




ここまで読んで下さってありがとうございました。
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