十六夜一族   作:‪α‬ラッブ

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遅くなりました。


凍てつく殺意

「さっきも言ったが私達はお前達が来た所が気になるんだ。

 どこかと繋がってるのか?」

 魔理沙が大妖精に問うと、

「あ、はい。ここを出るとに山のふもとなんです」

「ふーん……洞窟と枯れ井戸がねぇ……」

 魔理沙が何か引っかかる事がある風に呟くと成華が、

「ええ、何かありそうですね。

 大妖精さん、この先に何かありましたか?」

 彼女は「うーん……」と心当たりを探すも、首を横に振った。

 魔理沙はそれを聞いてすぐ帰ろうとするが、

「成程。礼を言うぜ2人とも。礼は出さんけどな……

 って寒ッ!!」

 突然、尋常ではない冷気が彼女等を襲った。

 すると同時にコツ……コツ……コツ……とゆっくり歩く音が洞窟内に響き渡り、魔理沙が

「誰だ!」

 と叫ぶが、返事は無い。

 止まる事無く尚も歩き続ける足音は、着々と近付いている。

 成華も魔理沙も大妖精もリグルも緊張感に包まれ、天井から垂れた水が落ちる音でさえ邪魔に感じる程だった。

 ただ、落ちた筈の水の音はせず、コツン、と石が落ちた様な音だけがして、それを合図とする様に床、天井、壁が氷で埋め尽くさる。足も氷でがっちりと固定されて四人とも身動き一つ取れない。

 そこで魔理沙は、

「クソッ! なんだこれ。氷か? なら私の魔法で木っ端微塵だぜ!」

 と足元に軽い爆発系の魔法を打ち込み、周囲の氷を地面ごと破壊して氷の拘束を力ずくで振りほどいたが、1人気を失う者が居た。

「ちょっ……魔理沙さん!! 何してるんですか!! リグルちゃんがびっくりして気を失ってるじゃないですか!!」

 成華は大妖精らが来た道が成華達が来た道より氷が厚く、その分気温が低くなっている事に気がついた。

「魔理沙さん、大妖精さんが来た道に氷の妖精やら妖怪やら居る筈です」

 それを聞いて魔理沙は箒に跨り、

「成華!! 乗れ!! お前らはここにいとけ!!」

 成華を乗せて敵の場所へと全速前進する。

 ただ、当然凍てつく様な寒さ中を凄いスピードで動くのでその分寒くなる。

「せ、成華!! 寒いと思うが我慢だ!!」

 魔理沙も成華も当然寒さは感じているが、今は魔理沙の言う通り我慢するしか方法は無い。魔理沙の魔法は基本、力こそパワーな破壊系の魔法ばかりなので寒さを凌ぐ事は出来ず、成華も、寒い中からは生命を生み出すことは出来ず、昨日霊夢が言っていた「生命力を操る程度の能力が、まだ10歳の貴方をここまで成長させたのかもしれない」という成長を加速させる様な能力についても成華自身、自身の生命を操るという能力を完全に知っている訳でもなく

 、知っていたとしても寒さを凌げるとは思えない。

 飛んで間もなく、魔理沙が焦った口調で

「成華!! 飛び降りろ!!」

 と叫び、咄嗟に飛び降り、元居た所を見ると箒を氷が覆っていた。あと一瞬でもあの場に居れば氷漬けにされていた

 魔理沙もそれを見ており、その能力についても見覚えがあった。

「やっぱお前……でも何で……」

 と呟くと、成華は

「魔理沙さん。敵の正体が分かるんですか?」

 と聞いた。

 足音はまだコツン、コツンと鳴っている。

「ああ、自称幻想郷最強の妖精、チルノだ」

 その名前には成華にも聞き覚えがあった。

 昨日成華を神社の所へと案内してくれた元気な妖精がそのチルノであり、数分しか関わりが無かったとはいえ人を襲うような性格では無かった。

 しかし2人の前に立っている妖精は人が変わった様に殺気立っていた。

 

【挿絵表示】

 

 成華が戦闘態勢に入ると急に魔理沙はチルノに腹パンをかまし、チルノを気絶させてその場に倒れさせた。それと同時に氷も消え、倒れた妖精を見ると昨日はつけていなかった耳飾りに目が行った。

 幼い見た目のチルノには似合わない禍々しい手のデザインの耳飾りだ。

「なるほど」

 チルノは気絶しているにも関わらず不自然に動き出す。それは糸吊り人形の様な動きだった。

「魔理沙さん」

「何か思いついたのか?」

 気絶して尚も動き続け、操り人形にされた様な不自然な動き。そして昨日は付けていなかった耳飾り。彼女が人を変えた様に襲い掛かってくる理由。

「ええ」

 彼女を倒すという意味でも、彼女を助けるという意味でも考えうる方法は一つ。誰もが思い付きうる基本的な事。

 

 

 それは……

 

 




ここまで読んで下さってありがとうございます!!
次回もお楽しみに
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