目が覚めると、見知らぬ空間に居た。
その空間は大量の目があちこちに浮いている。
「ここは・・・どこ・・・」
独り言をつぶやくと、何処からともなく声が聞こえた。
「成華・・・だったわね?」
突然聞こえた女の声に驚き、拳を構える。
「ここはどこですか?」
声の主が見えないので
「・・・秘密。」
姿を見せないので怪しく思い、こう言う。
「姿を表して下さい。」
「ごめんなさい。それは出来ないの。
フフッ、そのうち会えるわ。」
「いらっしゃい。幻想郷へ。」
「幻想郷?なんですかそれは。
あと貴方は誰ですか?」
「私?私はゆかり。八雲紫。
そんな事はどうでもいいの・・・
さあ、行きましょう?幻想郷へ。」
幻想郷という所を聞いた事がない成華は幻想郷とは何かを聞こうとした瞬間、
「幻想郷は全てを受け入れる。それが悪であろうとね・・・。」
「それと、貴方のお母さんも幻想郷に居るわ。」
「・・・そうですか。ありがとうございます。」
すると、視界は一変し、出て行ったはずの家に居た。
ちゃんと荷物も両脇にあった。
「なんでここに・・・」
外に出ると、見知らぬ空があった。
「ここが幻想郷?しかし家はここにある。」
考えても仕方がないので外に出ることにした。
何度見ても知らぬ空がそこにあった。
「家ごと転移したということでしょうか?
まあ、あの人の言うことが正しいのならばそう言う事になる・・・。
当分はそう考える事にしましょう。」
外で家の方に向き直すと、
「おばあさん、またお世話になります。」
と家に告げた。
世界が変わったとて、家の居心地はかわらなっかった。
数日後、朝起きて窓の外を眺めると、空が紅く染まっていた。
「何でしょう。
これも幻想郷の自然現象でしょうか。」
この紅い霧は後に紅霧異変と呼ばれる紅魔館勢が起こした異変であることを彼女は後に知る。
紅い空が青くなって数週間後・・・
「あの紅い空はあの時の特異的なものだったのでしょうか。
そんな事は置いといて、今日は下に降りましょう。」
この家は小さい山のてっぺんにあるが、実は幻想郷に移動してからまだ降りた事がないのだ。
成華はこの幻想郷で今までに使用していたお金が使えるか悩んだ結果、とりあえず持って行くことにした。
「このお金は使えるか分かりませんが、とりあえず持っていきましょう。
さて、幻想郷はどのような場所なのでしょうか・・・楽しみです。」
彼女は家を出て、山を降りて林の中を歩きだした。
すると、水色の髪をした羽の様なものを生やした少女と緑髪で羽の生えている少女が歩いて来て、成華を見てこう言った。
「おいお前!!」
「何でしょうか。」
「失礼だよチルノちゃん。
すみません。チルノちゃんが。」
「いえ。貴方達は?」
このチルノと呼ばれた少女は性格が良くないのか頭が良くないのか分からないが、元気のいい子供だと彼女は思った。
「あっ・・・すみません。
この子はチルノちゃんで私は大妖精です。大ちゃんとお呼び下さい。」
「そうですか。ありがとうございます。
私の名前は成華。苗字はまだありません。」
それを聞いて疑問に思った大妖精がこう切り出した。
「苗字がまだないってどう言う事ですか?
私達ならともかく人間達とか妖怪とかでも苗字がありますけど・・・」
「私は自分のお母さんがこの幻想郷という所に居るらしいのです。
その方を探して、その方から苗字を探そうと思っています。」
「あたいがそのお母さんとやらを探してあげる!!
お母さんの名前は?」
最初、成華に何かを言おうとしていたチルノがそう提案した。
「それはありがたいです。手伝って欲しい時には話しますよ。」
と、笑ってそう返すと、チルノが自慢げな表情を見せてこう言った。
「任せろ!!なんてったってあたいはさいきょーだからね!!」
「フフッ・・・そういえば成華さん。」
「何でしょうか。」
「成華さん、幻想郷じゃ見ない顔ですけど、外から来たんですか?」
「外・・・ですか?」
この大妖精はまだ幻想郷を理解していない成華にとって気になることを言った。
「はい。幻想郷は博麗大結界という大結界で世界から隔離された場所なんです。
幻想郷に来るのは世界から忘れられた者や幻想郷を作った中の一人の八雲紫が連れて来た人だったり妖怪だったりが来る場所なんです。」
成華は八雲紫と名乗る人物に連れて来られた中の一人であった。
「そうですか・・・。ありがとうございます。
ではまた。」
「あっ・・・成華さん。」
大妖精が呼び止める。
「はい、何でしょうか。」
「博麗神社という所に案内します。」
「博麗神社?
もしかして先程の博麗大結界の?」
「はい。」
「お?大ちゃん博麗神社に行くのか?」
「うん。チルノちゃんも来る?」
「当たり前じゃん!!
なんてったってあたいはさいきょーだからね!!」
ここまで読んで下さってありがとうございます。
次回もお楽しみに。