成華には魔理沙が持っている八角柱のものがどういう使い方をするのかわからなかった。
「これはな、ミニ八卦炉って言うんだが……
成華、お前戦えるか?
その方が分かりやすいだろ? これの性能も、お前の実力も」
そして魔理沙がにぃと笑うと、霊夢がため息をついた。
「はぁ……ねぇ魔理沙」
「なんだ? 霊夢」
霊夢はもう一度ため息をついてこう言った。
「はぁ……あのね、私はこの子の程度の能力を調べに来たの。
あと、怪我させたらどうするのよ」
魔理沙は得意げな表情で
「なーに、怪我なんてさせねーって」
そしてミニ八卦炉を空中に放り投げ、正面でキャッチして叫ぶ。
「避けろよ?
恋符「マスタースパーク」!!」
ものすごい魔力の塊が高速で成華を襲う。
しかし成華は間一髪で避ける。
それを見て魔理沙は驚いた顔をしてこう言った。
「へぇ。今のを避けるか。すげぇなお前」
霊夢もそれを見て素直に驚いていた。
「ふーん、凄いわね貴方。
でも魔理沙? 成華が怪我をしたらどうするつもりだったのよ」
「現に避けたんだしそんな事は考えなくてもいいぜ。
結果オーライだ」
霊夢はそれに対して深いため息をつきながらこう言った。
「はぁ……無鉄砲過ぎるのよ。貴方は」
「私は私の直感をいつでも信じてるぜ」
「そう言うのが無鉄砲だって言っ……」
話を遮り、魔理沙は成華の方へ向き直した。
「成華、これでミニ八卦炉の事は大体理解できただろ?
で、本題に移るけどお前の程度の能力だ」
「私の、程度の能力……」
成華は唾を飲み込む。
「そう、お前の程度の能力は、生命力を操る程度の能力だ。
まあ恐らく、生命力とやらを与えたり奪ったりするんだろうな。
名前を見た感じ大体そんな感じだろう。
ま、与えた生命力をどうするのかは自分で調べてくれ」
霊夢は不服そうな表情だったが突然納得した様な表情を見せた。
「なるほど、そう言う事ね」
「なんだ霊夢、何が分かったんだ?」
霊夢は一呼吸置いて口を開く。
「ただの憶測だからあんまり信じ込まないでね。
成華、貴方の生命力を操る程度の能力が、まだ10歳の貴方をここまで成長させたのかもしれ
ないという事かもしれないのよ。
もしかしたら貴方の母さんにも影響があったかもしれないわね」
魔理沙はこう言った。
「そうだとしたら、探すのは思ってたよりは楽そうだな」
霊夢はその意見に同意した。
「ええ、そうね。
この子みたいに生命力を感じるかは分かんないけどね」
「そうですね。
お二方 ありがとうございます。
しかし今は暗くなって来たので家に帰ります」
成華も同意しながらそう言った。
「魔理沙、成華送ってあげなさい。
貴方に任せるわ。じゃあね」
逃げるが勝ちと言わんばかりに霊夢は逃げ去った。
「お、おい。ちょっ、霊夢待て……
はぁ、お前家どこだ? 送ってやるから」
魔理沙も仕方なく霊夢からの仕事をこなす。
「すみません、魔理沙さん。ここから西に」
魔理沙は箒を取り出し、それに跨った。
「成華、後ろに乗ってくれ」
成華も真似して座る。
「飛ばすぞ成華。振り落とされるなよ?」
と言うと箒が宙に浮び、矢の如きスピードで加速する。
景色は瞬時に過去の物となり、過ぎ去って行く。
すると、10分程で成華の家に着いた。
「ありがとうございます。魔理沙さん」
「ああ、これの貸しは返して貰うぜ、そのうち」
「はい」
魔理沙は成華を手で制し、こう言った。
「いやお前じゃない。
今日はマスパ撃ててスッキリしたしな。
それだけで貸し借りはなしだ」
「では……」
「この借りは霊夢に返して貰う。
利子付きでな。
じゃあな、成華」
と魔理沙は成華を送った時と同じく物凄いスピードで去っていった。
「霧雨魔理沙、格好良い人。
それでいて、とても優しい人だ」
と、成華は呟いた。
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