_| ̄|○ ほんっとうに申し訳ない。
とりあえず今回でUSJ編は終わり、アニメと漫画を見直しながら体育祭編を頑張ろうと思いまふ。
四期おめでとうございます
USJ内で医療器具は用意したものの野戦病院の荒療治になったが、すぐに執刀したから一命を取りとめ経験だが後遺症もないはずだ。
治療終了と共に正面からプロヒーロー達が扉をぶち破って突入してまもなくまんまと取り逃がした主犯格を除き、チンピラヴィラン共は鎮圧、お縄についた。
警察も到着して怪我の酷かったイレイザー、個性の反動で指をやった緑谷の二名が救急車でリカバリーガールの病院に搬送された。
俺達には簡単な事情聴取、質疑応答の時間があったがA組皆の頭には搬送された二人があった。
「大丈夫かしら? 相澤先生」
「心配か?」
「篠ノ之ちゃん……そうね、心配だわ」
「俺も出来る限りの治療はした。放課後からは自宅待機、明日も多分休校になるだろ……俺はその前に病院によってみるつもりだ。何なら容態も伝えるが?」
「じゃあ、お願いするわ」
蛙吹が離れると入れ替わりに八百万がおずおずと体を小さくさせながら近寄って来た。
その顔から勘違いからビンタしたことを後悔しているんだろうがあれは俺の態度と適当な言い訳が招いた結果だ。謝ることはない。
「あ、あの篠ノ之さんあの時は申し訳ありませんでした。何と謝罪すればいいか……」
「あれは俺も悪かった。それでいいだろ。それよりも放課後時間があるか?」
「何々? 先生は制服に着替えたらそのまま下校だって言ってたけど」
「あの警報の時、そして今回の襲撃の一部始終を話す。箝口令も当事者には意味ないし飯田との約束もある。だから皆も聞きたいことがあったら聞きに来い」
それだけ言って先に更衣室に戻った。
俺がA組の教室で待っていれば、全員が揃った。その中に轟や爆豪がいたことに驚きはしたが、特に気にすることなく話始める。
「集まったな。じゃあ誰か質問あるか?」
其処彼処から手が上がる。とりあえず一番近くにいた八百万に視線で許可し質問を促した。
「それでは確認ですけど、あの時……マスコミの方々が侵入し警報が鳴った時、篠ノ之さんの姿はありませんでした。誰よりも早く敵の侵入を察知し現場に急行した、で間違いありませんか?」
「ああ、個性を使ってマスゴミの侵入はすぐにわかったがあいつらだけであんな事が出来る訳ないのはすぐにわかった。だから黒霧……あの靄のワープゲートが反応した場所に移動した」
「その時の状況は?」
「職員室に侵入した奴らの目的は教員用カリキュラムだ。今回の目的がオールマイトの殺害だったから彼が講師をする時間帯を選んだんだろう。俺は奴らの目的を探る為と時間稼ぎに少し話しただけだ」
「では、あの日のサボタージュは箝口令の為の嘘だったと?」
「それもあるが、対オールマイトの切札が来るとわかっていた俺は、お前達の手に負えないと判断した。何かあれば俺が出るつもりだったからな。
八百万、その節はすまなかった。お前の信頼を裏切る行為だったのは間違いない。許してくれとは言わない。だからこっからもう一度信頼を取り戻してみせる」
「っ……はぃ……はいっ。これからもよろしくお願いしますわ」
両手で口元を押さえて、少し上を向き涙が溢れるのを堪えている彼女に頭を下げ、他の女子に介抱されていったのを見送る。
次に頭を上げればもう手を挙げている二人がいた。
「ッチ。終わったな? じゃあ俺の番だ、オールマイトをブッ殺すっつーヴィランについて教えやがれ!」
「爆豪と概ね同じだ。今回の襲撃で主犯格は捕まってない。なら再び襲撃があると考えた方がいい。その時に俺達でもどうにかできるか対策を立てておく為に情報が欲しい」
「真似すんじゃねーよ半分野郎!」
ドカンドカン掌で個性を爆発させる爆豪も、その隣で澄ました顔で無視する轟も、今回の襲撃で寧ろチンピラヴィラン共を圧倒した二人だったな。
明らかに増長してやがるな……。
「チンピラに勝ったくらいで調子に乗るなよ? お前ら」
「そっちこそ、自分が倒せたのはまぐれじゃないのか?」
「無視すんじゃねーよ!!」
俺達三人の間で文字通り火花が散り、ピリピリと緊張感が教室を支配する。
「……ヴィランの個性はマスゴミも公表はしない。意味がわかるな? ここだけの話だ、誰にも口外するな。言った時点で責任問題でそいつが退学になるのは間違い無いからな……よし、主犯格の三人、手形マスク──死柄木弔は『崩壊』。掌五本指で触った物を何でも砂や塵に崩す個性だ。生物非生物問わず。あの性格からして既に人で試したことがあるだろう。気分で人を殺す、そんな奴だ」
「ワープゲート──黒霧はまんまだ。爆豪辺りはもう弱点を見つけてるだろ。奴は全身も靄に変える訳じゃない。頭部、手首から先を靄に変えて体を隠していたに過ぎない。厄介なのは範囲と同時に大量の人間を一度に移動させる実力だ。まあ厄介だよ」
「最後、実は此奴が一番ヤバイ。何がヤバイってあれは人体実験で作られた元人間だって事だ」
「「「!?」」」
この事実は話すつもりがなかったが、二人の鼻を折るのにA組の皆にも話すことにする。ここで臆するのは子供なら仕方ない事だ。ヒーローを目指さず静かに暮らすのも悪くないと思ってるぞ。
「察しのいい奴は気付いただろうが、今後アレが更に強化されて量産される可能性があるって事だ。個性は『ショック吸収』と『超再生』」
オールマイトの物理攻撃を完全に無効化する対物理個性とそのエネルギーを有効に使う為の回復力。近接戦闘しかない個性にこれほど厄介な敵は早々いない。
「ちなみに聞くが、轟お前ならどう倒す?」
「凍らせて動きを封じる」
「オールマイト並の速度で移動し、同等のパワーを持つ相手にか? 個性も説明しただろうが、凍ったとしても凍った部分を捥いで即再生してくるぞ。実際にそうなったしな」
俺の論破にムッと睨む轟はならお前はどうしたんだと苛立ちの声を上げる。
「簡単だ。俺も同等の力と速度で対応した。無理だと思うだろうが事実だ。……実物を見せる」
ホドキの量子格納庫から機械化した実体剣と、脳無と大体同じ大きさの駆動鎧を取り出す。
これが俺の個性ではないと知ってる連中もそうじゃない者も驚く。何もない場所から自分よりも大きな機械が出現したのもだが、それが明らかに銃などの武器を装備していたからだ。
剣を腰に構え、手を添える。
キィン。
鍔鳴りが聞こえた直後、ズズズ……と黒い駆動鎧がズレて七閃の時の半分、七つのガラクタに裁断されて崩れた。
念の為索敵に優れる耳郎、障子に聞こえたり見えたか問うが、どちらも首を横に振った。そして轟と爆豪を見る。
聞かずとも若干目を見開いてる二人の顔を見れば理解した。今の彼我の力量では手も足も出ず、『座標移動』で背後に移動されれば知覚する間も無く駆動鎧の様に殺されると。
ガラクタと化した駆動鎧と実体剣を仕舞い、皆に向き直る。ちなみに今のは素の身体能力であり、個性もとい能力は一切使っていないことも説明しておく。
「これでも脳無……アレは止まらなかったからな。再生途中に硬貨を投げ入れて避雷針にした。上鳴はよく聞いとけよ。反省会で俺が言った指向性の実演だからな?」
「う、うぃ」
「硬貨を飲み込んだまま再生したアレに落雷を落として炭化させた。炭化した体が再生しないのは再生系の個性を持つ奴らじゃ常識みたいなもんだからな」
脳無が凍って壊死した体を砕いていた理由でもある。再生しない部分を効率的に排除して再生の余地を作る為だ。
「再生途中で動きの鈍った所をこの特殊な製法で作った冷媒で凍らせ、砕いて再生するのをまた雷で炭化させる。これの繰り返しだ」
「「「うわぁ……」」」
「普通の人間に使わないから安心しろ。『液化人影』で見ていたが轟、お前敵を凍らせても砕いてはなかったな」
「当たり前だ。そんなことすれば死んじまう」
「そうだな、だから敢えて俺はそうした。再生にも色々あるが一瞬で欠損を治すレベルだと相当エネルギーが必要だ。『ショック吸収』で蓄えたエネルギーを消費させるにはそれが一番手っ取り早かった。当然、エネルギーが枯渇すれば動きも鈍くなる」
もう氷すら砕けないまで弱らせたのが俺の方法だ。
そこまで説明したが、皆絶句。大方俺を怒らせないようにしようとか考えてるんだろうな。別に怒ってもそんなことしないぞ。敵には八つ当たりするだろうが。
「参考にならねぇ」
「そもそも勝てると考える方が間違いだ。オールマイトにすら勝てないと無理だよ。諦めろ」
「じゃあテメェは勝てるのかよ! オールマイトによぉ!?」
「ああ、簡単じゃね?」
俺を除くA組全員の顔がはぁ? と馬鹿にしたものになる。お前は何言ってるんだと向けられた目は口ほどに物を言う。
「お前は何言ってんだ? さっきと言ってることが逆だぞ」
実際に言われてしまった。
「轟、お前俺が全力出して辛勝と思ってるのか?」
「違うのか?」
「全く。掠りもしてない」
寧ろ上手くことが進み過ぎて油断したんだ。
あの時の俺は既にUSJ全体に能力を使っており、『鳥瞰把握』『透視能力』『表層融解』『液化人影』の四つを同時に並列思考を用いて演算し、黒霧脳無の順に斬りつけた。
『超電磁砲』の雷撃はただ雷を発生させただけ。誘導する矛先を避雷針替わりの硬貨を使い、威力以外を度外視した簡単なものだけ。
これだけ複数の能力の同時使用をしていれば『一方通行』の反射が使えなかった。もし仮に使えたとしても『ショック吸収』の個性で回復され長期化していただろう。
最善手とはそういうことだ。
そんな厄介な個性を持たない脳筋のオールマイト相手が相手だったなら普通に使って物理攻撃を反射させただろ。
流石にアレに地球を砕く程の力はないだろうしな。
「まずオールマイトは物理攻撃のみだからな。しかも肉体一つで突っ込んでくる脳筋っぷり。ここで誤解しそうなのは肉体の強度だ」
「「「強度?」」」
「そう。例えば切島の『硬化』は単純に頑丈になる。実にシンプルでわかりやすい個性だ。だがオールマイトと似ている緑谷の個性……筋力か体力かは知らんが増強系は肉体の出力を上げるだけでそれに耐える強度は別なんだ。じゃないと緑谷の怪我の説明がつかない」
首を傾げている大多数に答えあわせ。オールマイトの力は兎も角、肉体の強度はそこまで高い訳じゃない。よくて普通の人間レベルだ。紙で指は切るし小指を角にぶつければ痛い。
「オールマイトも個性の関係で他より頑丈にはなってるがナイフで刺せば血が出る。だったらやりようは幾らでもある」
流石に池袋の自動喧嘩人形並なら多少は考えたが……記憶を見た限りこの前書類をまとめてる時に紙で指を切っていたからその線はない。
「まあそんなことより、緑谷以外は敵の襲撃から無事生き残った。おめでとう、そしてこの経験は俺達のアドバンテージであり他のヒーロー科でも体験できない貴重なものだ」
「「「……」」」
「まあ俺からすれば雄英にも安全な場所はなかったという落胆しかないが、なぁヒーローの卵達? 轟が言った通り今後も敵連合の襲撃は必ず起こる、必ずな」
『予知能力』を使うまでもない。死柄木の背後関係も含めて俺に降りかかる火の粉は全て払う。だがまあせめて自衛くらいは出来るようになっててくれよな。
目を覚ましたらそこは真っ白な天井で視界の端にレールに吊るされた白いカーテンが三面を覆っていて、残りの一面に点滴を取り替えている最中だった看護師と目が合った。
「リ、リカバリーガール!! イレイザーヘッドが目を覚ました! リカバリーガァァアアル!?」
病院内はお静かに。そんなマナーをドブにでも捨てたのか錯乱状態で病室から飛び出していった看護師にため息をついて顔を覆う……つもりだったが両腕を動かせば鈍い痛みがあり、顔も右半分がガーゼか包帯で覆われているのか今更ながら視界が半分しかないし距離感が掴みにくい。
少し経ち、バタバタと走る足音が聞こえて扉が開く。
視線だけを音の方に向ければ見知った顔があった。
「意識ははっきりしてるね」
「リカバリーガール……ここは貴女の病院ですか」
「そうさね。そろそろ麻酔が解けるはずだけど、痛みはあるかい?」
「……骨折したはずの両腕にジクジクと鈍い痛みが」
「他は……右眼はどうだい?」
右眼……包帯で塞がれた視界に違和感はない。あの時は痛みで失神と覚醒を繰り返していたのにも関わらず。
「そういえば、今は何時ですか?」
「イレイザー、まだ今日だよ。生徒達も複数人の重軽傷者は出たがね。緑谷って子が指を二本やっただけさね。アンタが一番の怪我人だよ。安心しな」
「そう、ですか……」
イレイザーがあの時体を張ったから主犯格が釘付けにされ俺が間に合った。
「結局主犯格は逃しちまったが、イレイザーには随分負担をかけたからな」
「お前は……篠ノ之、そうかお前が」
「リカバリーガール、俺は個性の治療は門外漢だ。一応診るがそっちは任せる」
「お手並み拝見かね」
「何? どういうことだ?」
リカバリーは言ってなかったのか。イレイザーが搬送される前に応急処置としてカエル顔の医者の技術と能力を駆使して怪我の殆どを治療していたのを話した。
カエル顔の医者が開発した負の遺産の一部、タンパク質を溶かして細胞分裂を意図的に増やした再生治療、止血や呼吸確保、バイタルチェック、麻酔を能力で代用しながら骨折した腕の骨を『透視能力』と『座標移動』で全摘出し分子レベルで結合、再生させた元の位置に戻す。
眼窩の粉砕骨折も同じだがイレイザーの個性は目が重要だ。能力の様に脳が個性を発現させているのか、授業で言っていた身体能力の一部……つまり原石の様な概念なのかわからなかったが今はそちらの専門家がいる。
あの襲撃と彼の負傷は不幸だったが、俺にとっては決して悪いことだけじゃなく棚から牡丹餅だった。
一応『透視』で確認しながらギブスを取っていく。一度摘出した骨が体に馴染むまでのものだからもう取っても問題ない。
外した端から両腕の確認をしているイレイザー。あとは目の部分だ。診た限り眼球の傷も完治しており視力の低下もないはずだが……。
シュルシュル包帯を解くと……なんか心なしか若返った印象を抱くが、イレイザーに変わりない。何だこの違和感……。
「どこか違和感はあるかい?」
「……目が」
「「目が!?」」
「以前よりよく見えますし、楽です。ギブスでわからなかったが体も軽い……篠ノ之、お前何をした?」
何をしたと聞かれても先程手術内容は一通り説明した……あ。
「あ」
「何だ! 何をした!?」
「多分肌年齢が若返ったというか細胞自体を新しいものに一新したからその所為じゃないか? それにドライアイも治ってるだろ?」
「な、何だって!? それは本当かい?」
イレイザーは癖だろうが、試しにかなりの時間目を開いてもらうと明らかに個性発動の持続時間が伸びてインターバルも短い。本人も学生時代の時間に近いと言っていた。
「個性の確認も済んだ。イレイザーも完全復活か」
「篠ノ之と言ったね。アンタこれほどの技術、どこで」
看護師は既に席を外している。ここにいるのはイレイザー、リカバリー、そして俺の三人だけ。
病室の空気がリカバリーの言葉の後からピリッと張る。緊張感が否応なく感じさせられるが流石は年の功。戦闘系のヒーローでなくとも修羅場の数はやはり桁違い。一瞬だが気圧されそうだったよ。
「放浪していた医者にな。誰が言ったか知らないが『冥土還し』と呼んでいた。技術や薬品、医療に関する知識の殆どは彼から受け継いだ。それだけだよ」
「「……」」
「まあ、俺もこれを徒らに広めるつもりはない。だがイレイザー、アンタはまだA組に必要だと思ったから今回だけだ」
最悪二人の記憶を消せば治療法は誰も知らない。彼の傷だけが治り執刀医が誰かわからない迷宮入りだ。だが、二人は忠告するつもりだった。つまり誰にも話すつもりはないらしい。ただ二人は校長には話すだろうが……そうなったらそこまでだ。
「だからまあ俺としては偽装として包帯だけ外さないでくれれば話が俺に向かわず楽なんだが、ま、無理ならいいぞ」
「篠ノ之、今更だが助かった。礼を言う」
「先に矢面に立ったのはそっちだろ。それに、生徒が先生を守っちゃいけないか? 俺達はヒーロー目指してんだ。手の届く範囲ならまた手を貸す。それじゃ俺の用事は終わったし明日は臨時休校らしいからまた明後日だな」
「ああ、気をつけて帰れよ」
病室の扉が閉まる前にイレイザーの声が聞こえて振り返らず手だけ振り返した。
パタンとスライド式の扉が閉まる。端末からイレイザーの容態が回復傾向にあることを伝えておく。これで蛙吹との約束は果たした。
死柄木の奴は全身火傷で回復役がいなければ動き出そうとはしないはず。その間にアジトの場所を突き止め……いや、あんなのでもA組の経験値を稼ぐにはもってこいか。
やはり実戦でしか体験できないことはある。それは雄英教師陣に任せるとして俺は襲撃時に本当は安全だが緊張感のあるヴィランとの実戦を経験させる。そういう方針にしようと決めた。
さて、こっからどうやって書けばいいのか……誘惑が多すぎるぜぃ