暗躍のV.V.   作:ヒアデス

5 / 6
第4話 神の死

 ルルーシュとV.V.は新たに現れた人物に驚愕した。

「大きくなったわねルルーシュ。V.V.も、あなたが私を殺したおかげでずいぶん遠回りする羽目になったわ」

 シャルル先帝の第五皇妃マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア。

 テロリストに殺されて死んだはずの人物だった。

「これは何の幻想だ! 俺を惑わしてどうするつもりだ」

 掴み掛らんばかりの勢いで詰め寄るルルーシュの怒声も耳が届かない。V.V.にとっても予想外の出来事だった。

「マリアンヌ……どうしてここに? Cの世界には確かにいなかったけど……」

「ギアスを使ってアーニャって子に乗り移ったのよ。安心して、ラグナレクの接続にはあなたとC.C.が必要。協力してあげるわ。C.C.もじきにここにやってくるはず」

 V.V.の問いに答えながらマリアンヌは協力を表明した。

「C.C.が来るまでの間することもないでしょう? それまでの間息子と話をさせてちょうだい。ラグナレクの接続とは何なのか。シャルルがどうしてそれを望んだのか。私が死んでから今までどうしていたのか。ブリタニアを敵にしてまで求めていた答えを明かしてあげたいわ」

 

 

 

 

 アヴァロンにてシュナイゼルとビスマルクが相対していた。

 突然反乱を起こした部隊の鎮圧を報告するためである。

 だが報告を終えたビスマルクを士官が包囲した。

「何かお気に障る真似をしてしまいましたか? シュナイゼル閣下」

 さほど驚かずに問うビスマルクにシュナイゼルは、

「ああ、この程度で君を制圧できるとは思ってないよ。ただ、君の目論見は無駄に終わってしまったことを話してあげたくてね」

 シュナイゼルの推察どおりビスマルクがアヴァロンに向かった本当の目的はC.C.を連れだしV.V.のもとに送り届けることである。

 シュナイゼルなら見抜いてもおかしくないが、

「アールストレイム卿がC.C.嬢をどこかに連れて行ってしまったらしい。私の想定にないことだ。心当たりがあるかな?」

 マリアンヌ様だ! ビスマルクはすぐに気づいた。先帝から一度聞かされたことがある。マリアンヌは肉体に深い損傷を負ったが魂はギアスによってアーニャに乗り移ったと。先帝への忠義からV.V.にも話したことは無い。

(シャルル様、ヴィクトル様、そしてマリアンヌ様が夢見たラグナレクの接続が間もなく始まる)

 

 

 

 

「そうか、俺は初めから世界の異物で、邪魔者で……」

 すべてを知ったルルーシュは苦笑した。初めから両親に守られ、逆恨みから始めた反逆も両親の企んでいた計画のお膳立てでしかないことに。

 自虐の笑みを浮かべながら背後から現れた訪問者に笑いかける。

 C.C.とスザク、マリアンヌに助けられこの空間まで導かれここまでやって来た二人が姿を表す。

「コードはそろったわ。過去の遺恨は水に流して……神を殺しましょう!」

 マリアンヌの催促にV.V.は自分を思い通りに操っていた彼女への敗北感を拭いきれないまま手をかざす。

 コードが反応し、アーカーシャの剣も現実世界も揺らぐ。

「あとはコードを一つにするだけだ。さあ、C.C.僕にコードを渡して。それで君の永遠も終わりだ」

 C.C.は動かない。彼女の前をルルーシュが立ちふさがった。

「ルルーシュ……今さら何のつもり?」

 今になって反抗的な態度を取る息子をマリアンヌは訝しむ。

「母さん、いやマリアンヌ! やはりお前と皇帝は俺たちを守ったんじゃない。捨てたんだ! 日本で戦争が起きて俺たちが死ぬのはお構いなしに、Cの世界でまた会えるとでも言い訳するつもりだろうが」

 マリアンヌは絶句し押し黙る。図星を隠せないマリアンヌをなおも責めるルルーシュにV.V.は、

「結構なことじゃないか。ラグナレクの接続が終わればトウキョウで死んだナナリーにも会えるよ」

 V.V.はもう誰にも止められないとルルーシュに勝ち誇る。だがルルーシュは明日をあきらめてはいなかった。

 コンタクトを外しギアスの宿った左目をあらわにする。

「僕にギアスは効かないよ。マリアンヌにかけたところで――」

「いいや、他にいるじゃないか。お前の後ろにいる()()に」

 ルルーシュの指摘にV.V.はたじろぐ。

 集合無意識、人の意識の集まり……。

 

 だがV.V.はすぐに持ち直し嘲笑する。

「所詮王の力、神に勝てるわけがない!」

 ルルーシュは構わずそれに語り掛ける。

「これは勝ち負けじゃない。神よ。集合無意識よ。俺は明日が欲しい!」

 命令というより懇願するような言葉にV.V.はルルーシュに憐みさえ覚えた。そのV.V.の下半身が消滅する。マリアンヌも。

「Cの世界がギアスにかかっただと? そんなことをすればギアスとコードにどんな影響が出るのか……取り返しのつかないことになるかもしれないぞ!」

 V.V.の狼狽にC.C.は答えず消滅しかけているV.V.の肩を握る。コードのある右肩に

「Cの世界に行くんだ。もうコードはいらないだろう? わたしがもらってやろう」

 突然のC.C.の行動にV.V.は訳が分からなくなった。

「一体何を考えて…」

 言い終わる前にV.V.いや()V.V.とマリアンヌは消滅した。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。