インフィニット・ストラトス~天空を翔る白き花~   作:妖牙

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はじめまして。正直文才はありませんが、お付き合い頂けると嬉しいです。


序章 
プロローグ


「クソ、外れない!」

 

俺は今自分を縛っている縄を解こうとして足掻いていた。

 

本当なら今頃は千冬姉の大会の応援をしていたのに。

 

「おい、コイツまだ足掻いてるぞ。」

 

「おうおう、元気なこった。」

 

「まあ、無駄だけどな。」

 

「「「ギャハハハハハ」」」

 

恐らく自分を攫ったであろう黒服に身を包んだ男達が俺の様子を見て笑っていた。

 

(クソ!何もできないなんて、俺は・・・。)

 

俺はは心の中で無力感に苛まれていた。

 

いつも、『世界最強』である姉に助けられ、そして迷惑ばかり掛けてきた。

 

だからこそ、自分もそんな姉の弟として認められようと努力してきた。でも・・・。

 

『ブリュンヒルデの弟のくせに、そんなこともできないのか?』

 

『千冬様の弟なら、これ位できて当然よ。』

 

いくら努力しても、周りの反応はいつもこればっかり。

 

いつしか自分の心は疲れ切っていた。

 

それでも、千冬姉の事を恨んだり、努力を惜しんだりしなかった。

 

いつか自分を認めてくれると信じて・・・。

 

(結局、千冬姉に頼るのかよ・・・情けないな。)

 

そんな事を思っていると、男達の話し声がまた聞こえてきた。

 

「しかしよぉ、これだけで本当に来るのか?」

 

「心配ねぇよ。なんたってここには、大事な弟がいるんだからよ。絶対来るぜ。」

 

「だな。ククク、これほど楽な仕事はねぇな。」

 

男達は千冬姉が試合を放棄すると思っているらしい。既に勝ち誇ったような顔をしていた。

 

だが、男達のもとに届いた情報は・・・。

 

「はぁ!?織斑千冬が試合に出てるだと!?」

 

千冬姉が試合に出ている・・・つまり、見捨てられたということ。

 

「オイッ!!どーすんだよ!!」

 

「じゃあ、コイツを殺すか?」

 

「賛成だな。顔を見られている上に、失敗した以上もうコイツに価値はねぇしな。」

 

「それに、名誉をとって弟を見殺しにした事にすれば、アイツの評価もガタ落ちだろうしな。」

 

そう言って男達の一人が懐から拳銃を取り出し、俺の額に押し付けた。

 

(ああ、俺は見捨てられたのか・・・。)

 

自分でも驚く程に、自分は今の状況を受け入れていた。

 

まるで、こうなるのを予期していたかのように。

 

(結局、見捨てられて・・・何だったんだろうな、俺って・・・。)

 

そして、これから来る死の瞬間を覚悟して、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、一向に痛みは来ない。

 

「おうおう、楽しそうだな~。俺も混ぜろよ~。」

 

「だ、誰だテメェは!!」

 

そんな会話が聞こえた。

 

(誰か来た・・・?)

 

目を開けると、そこには20代後半から30代前半で、黒いロングコートを羽織った男がいた。

 

「ん?俺か?まっ、どこぞの風来坊ってところだな~。」

 

かなり、呑気な返事を男は返してきた。

 

「ふざけんじゃねぇ!!」

 

男達はいきなり現れた男を始末しようと全員が懐から拳銃を取り出す。

 

「さて、ふざけるのも此処までにして・・・覚悟しろよ?」

 

さっきまで、男が纏っていた雰囲気が一気に暗くなる。

 

そして、俺の近くにいた一人に男は一瞬で接近し、額を撃ち抜いた。

 

辺り一帯に飛び散る鮮血と、いきなりのことで呆然としている男達。

 

「余所見してる場合か?」

 

そして呆然としている男達は、何も出来ずに額を立て続けに撃ち抜かれていった。

 

まさしく瞬殺だった。そうして、男は俺に近づいて来て縄を解いてくれた。

 

「さてと、坊主。お前はどうする?」

 

男にそう聞かれる。見捨てられた俺に帰る場所なんてないだろうし、何より強くなりたかった。

 

(この人についていけば強くなれるかもしれない。)

 

さっきの出来事を見て、そう感じた。

 

「俺は・・・強くなりたい。お願いします。俺を連れて行ってください!」

 

「訳ありってカンジだな。何があった?」

 

俺は、ありのままを彼に話した。見捨てられたこと。何より無力な自分が許せず、強くなりたいということ。

 

「それが真実なら、確かにひでぇ話だな。まっ、真実ならな。」

 

言っている意味がわからなかった。

 

男は溜息をつくと

 

「つまりだな、何も見捨てられたとは限らないってことだ。例えば、知らされていなかったとしたら?」

 

そう指摘されて、男の言いたいことが分かった。

 

確かにそうだ、見捨てられたというのはあくまでも自分の視点から見た話だ。

 

だとしたら、男の言うとおりであるという可能性もゼロではない。

 

「まっ、俺の知ったことじゃねぇしな。そこんとこはお前が自分で確認なりしろ。」

 

そう言って男は歩き始め、出口の前で止まり俺と向かい合ってこう言った。

 

「さて、俺と来たいんならお前は今までの生活を捨てることになるぞ?それだけの覚悟はあるか?」

 

答え・・・そんなの決まっている。

 

「覚悟はあります!!だから、俺を連れていってください!」

 

そう言うと、男は口元を緩め、笑みを浮かべた。それはどこか優しさも感じられる笑みだった。

 

「上出来だ。さてと、これから一緒に暮らすんだ、まずは自己紹介からだな。」

 

そう言って男は一呼吸開けてから

 

「俺の名前は、瀬川洋一だ。お前の名前は?」

 

俺も一呼吸開けてから

 

「俺の名前は織斑一夏です。」

 

そう言った。

 

「一夏か。よし、それじゃ行くぞ。」

 

「はい!」

 

こうして、俺は皆の前から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、誘拐犯と思しき男達の死体と血の跡だけが広がる光景の中で、ただ一人弟の名前を叫ぶ織斑千冬の姿が見られたという。

 

 

 

 

 

 




プロローグ的なものを書かせていただきました。もう少なめに出来れば良かったのですが、文才がないので悪しからず。投稿は遅めになると思います。
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