インフィニット・ストラトス~天空を翔る白き花~   作:妖牙

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今回はセシリア戦の後を書きます。一夏の専用機についても詳しく書きます。


「戦いの後」

一夏side

 

俺はオルコットとの決闘に勝利し、自分のピットに戻っていた。

 

ピットに戻ると、別室に移動していた千冬姉達も戻ってきていた。

 

「よくやったな。瀬川。」

 

「うむ。見事だったぞ一夏。」

 

千冬姉や箒からは口々にそう言われる。

 

「随分遊んでたじゃねぇか、一夏。」

 

しかし、洋一さんからは帰ってきて早々そんな事を言われる。

 

「そんな訳ありませんよ。」

 

俺はそう返すが、

 

「ん?にしてはかなり余裕そうに見えたが?」

 

洋一さんにそう言われてしまう。まあ、涼子さんとの模擬戦に比べれば余裕ではあるが。

 

「まあいい。それよりも、お前に『白百合』について詳しく話しておかないとな・・・、優花!」

 

そう言われ、脇の方から優花が出てきた。

 

「は~い。さてと、一夏君の専用機『白百合』について説明するね。」

 

そう言って、優花は目の前のスクリーンにデータを映し出した。

 

「まずは武装だけど、さっき使った近接ブレードの名前は『雪白』。これには瀬川重工の技術が使われててね、通常時は高周波で振動するんだけど、最大出力時には刀身にバリアを纏う事が出来るんだよ。そのおかげで、元から高かった切断能力も向上してさっきみたいにレーザーとかの光学系兵器の攻撃も『切断』出来るよ。」

 

「バリアって、まさか・・・!?」

 

バリアという言葉に一つの心当たりがあった。

 

「うん。デルフィ二ウムに搭載されてる物の技術を応用したんだよ。いや~、これには苦労させられたよ~。」

 

という事は、さっき俺が感じた『何か』はこれの事だったという訳だ。

 

「次に、『ショットライフルⅡ』なんだけど。これは一夏君が前に乗ってたラファールに搭載されてた物の改良版で、従来の機能だけじゃなくて、更にパーツを後付け出来るようにしてあるよ。」

 

前の機体の武装が積んであるのはありがたい。特にこれは使い易くてよく重宝していた。

 

「『ショットライフルⅡ』以外の武装だけど、他には『レールカノンⅡ』と荷電粒子砲『建御雷神』、後は新造した特殊装備だね。」

 

(特殊装備まで積んでるのかよ・・・。)

 

ここまで聞くと、かなりのスペックである。

 

「なんていうか・・・、かなり詰め込んだな。」

 

やはりその一言に限る。

 

「うん。自分でも容量足りるのかなって思っちゃったし。」

 

(優花でさえそう思ったのか・・・。)

 

そんな事を考えていると、一つ疑問が浮かんだ。

 

「なあ、優花?」

 

「何かな?一夏君。」

 

「確か単一仕様能力って第一形態じゃ使用できない筈だけど・・・。」

 

そう本来ISは第二形態から単一仕様能力が発現する。

 

・・・とはいえ、全ての機体が発現するわけではないが。

 

なのに白百合は第一形態から使用することが出来た。

 

すると、優花は忘れていたというような表情をして補足し始めた。

 

「それはね、社長から頼まれたんだよ。第一形態から単一仕様能力を使えるようにって。これが一番苦労したよ~。」

 

まさか、洋一さんからの要望だったとは思わなかった。

 

「・・・でもね。無理矢理そう出来るようにした分、能力は一度の展開につき一回しか使えなくなっちゃった。」

 

なるほど・・・。デメリットか。

 

「でも、その分すごい能力だから十分使えると思うよ。」

 

この機体の能力の性能は先ほどの試合で確認しているので使える事は分かっている。

 

「機体については分かったよ。説明ありがとな。」

 

俺がそう言うと、優花はまた脇の方に消えていった。

 

そして、千冬姉が近づいて来て

 

「瀬川。お前はもう戻って休め。こちらの方々の事は私が対応しよう。」

 

そう言ってきたので、ここはその言葉に甘えることにした。

 

「分かりました。洋一さん、それじゃあまた。」

 

そう言って、俺は自分の部屋へ戻った。

 

一夏sideend

 

 

 

千冬side

 

私は一夏に部屋に戻るよう促し、客人の対応をしていた。

 

(彼が、一夏の新しい家族か・・・。)

 

私が男の方を見ていると、男はこちらに視線を向けてきた。

 

「優花。俺はこの人と話があるから、先に行っててくれ。」

 

男は連れであろう白衣を着た少女にそう言ったので、

 

「では山田君。彼女の案内を。」

 

「分かりました。」

 

私は山田君を彼女に付き添わせ、二人きりの状況にした。

 

「さてと・・・、貴方が織斑千冬か。会えて光栄ですよ。」

 

男はそう言ってくる。

 

「挨拶はお互い必要ないでしょう。貴方の事は一夏から聞いています。」

 

私はそう返した。すると男の雰囲気が更に重くなる。

 

そんな雰囲気を纏っていても、私は動じずに質問する。

 

「単刀直入にお聞きしますが・・・、貴方は一夏の事をどう思っているのでしょうか?」

 

すると、男からも返事が返ってくる。

 

「・・・家族だな。実の息子の様に思っている。」

 

男が纏う雰囲気は已然変わっていないが、表情はとても穏やかになっていた。

 

「んで?それを聞いてどうしようと?」

 

男がそう聞いてくる。

 

「私はただ・・・、知りたかった。一夏が後を追いかける、貴方が一夏の事をどう思っているのかと。そして、貴方の答えを知り、確信しました。やはり私よりも貴方の方が一夏を幸せにできると・・・。」

 

「一夏を取り戻したいとは思わないのか?」

 

男にそう聞かれるが

 

「私は、一夏が決めた事を私が捻じ曲げるつもりはありません。それが一夏の答えならば、どんな答えでも私は引き止めたりはしません。」

 

私がそう答えると、男が纏っていた雰囲気が一気に軽くなる。

 

「そうか・・・。変な事ぬかしやがるようなら、女だろうが思いっきりぶん殴ってたところだったが・・・。いい姉持ってんじゃねぇか。一夏の奴。」

 

そう言うと、男はこちらに近づいて来て

 

「これを受け取って下さい。」

 

そう言って、何かを手渡してきた。

 

「これは・・・?」

 

「ウチの会社の社員達だけに配布する、IDカードですよ。これが有れば、うちの会社に自由に出入りできる。もっとも、貴方の場合は幾らか入れる場所に制限が掛かりますがね。」

 

「何故こんな物を私に・・・?」

 

私がそう聞くと、男は溜息を吐いて説明した。

 

「要は、一夏にいつでも会いに来れるってことですよ。一夏はこの学園を卒業したら、ウチで働く事になっていますしね。」

 

私は彼の説明を聞き、その意味を理解した。

 

「いいんですか・・・!?」

 

「ええ。その方が、一夏だって喜ぶでしょう。」

 

私はその言葉を聞き、彼に深々と頭を下げ

 

「ありがとうございます。」

 

礼を言った。しかし彼は手を振りながらこう言ってきた。

 

「いいですよ、礼なんて。ですが、代わりに頼みたい事があります。」

 

「頼みたい事・・・ですか?」

 

彼が何を欲しているのか皆目見当がつかなかった。

 

すると、彼はある方向を指さした

 

「アレを頂きたい。」

 

そこにあったのは、一夏用に用意されたISだった。確か名前は『白式』だったはずだ。

 

「あのISを・・・?何故?」

 

私は気になり聞いてみたが

 

「特に理由は無いんですが・・・、駄目ですかね?」

 

彼は口ではそう言うが、内心では何か考えがあるようだった。

 

「しかし、私の一存では・・・。」

 

私がそう言うと、

 

「なら、開発元の企業に連絡を取っていただけませんか?」

 

彼はそう言った。交渉に持っていくつもりだろう。

 

「連絡を取るだけなら、構いませんが・・・。」

 

「そうですか。では宜しくお願いします。・・・じゃあ自分も優花の所に案内してください。」

 

彼にそう言われ、私は案内をするためにピットを後にした。

 

千冬sideend

 

 

 

 

洋一side

 

俺は与えられた部屋で物思いに耽っていた。

 

理由はあの『白式』とかいうISだ。

 

アレが一夏専用機として政府が用意した物だという事は納得した。

 

だが、問題はそこじゃない。

 

此方の調べた情報が正しければ、あの機体は開発が頓挫し既に放棄されている筈だった。

 

一度、開発が頓挫した物が完成した状態で目の前にあるなんて・・・、普通ならあり得ない。

 

一度は作ろうとした企業でさえ匙を投げた機体を完成させた人物・・・。

 

何か裏があると踏んだからこそ、俺はあの機体を調べたいと思った。

 

故にあの機体を確保したかった。

 

そして、機体の取引を口実に交渉の場で倉持技研と接触し、開発者の名前を聞き出したかった。

 

(果たして、どうなることやら・・・だな。)

 

そんな事を思いながら、俺は次の日に備え床に着いた。

 

洋一sideend

 

 

 

 




今回はセシリア戦の後を書かせていただきました。白式ですが、しばらく退場してもらいます。白百合の詳細は下の方に書かせていただきます。次回はどこまで書きましょうか・・・。




白百合

搭乗者 瀬川一夏


武装・近接ブレード『雪白』、ショットライフルⅡ、レールカノンⅡ、荷電粒子砲『建御雷神』、小型ブレード×4

単一仕様能力・『幻影麗華』《げんえいれいか》

周囲に特殊な粒子を散布することで、肉眼や電子機器からその姿を完全に消すことが可能な能力。使用している間、シールドエネルギーが減っていくという弱点があるが、扱いやすく奇襲にも使用できる。しかし、無理矢理第一形態から使用出来るようにしたために、一度の戦闘につき一回しか使用出来ないのが現状である。

特殊装備・バリア、自律兵装『無双花月』

デルフィ二ウムを元に開発された、正真正銘の一夏専用機。瀬川重工の技術の粋を集めて作られた瀬川重工の技術の集大成ともいえる機体である。機体色は全身白一色で、背中には巨大なウイングスラスターが装備されており、ここに特殊装備を収納している。一夏のデータを前の機体であるラファールから移植している。武装は前の機体やデルフィ二ウムの装備に改修を加えたものや、新たなノウハウで構築された新装備を搭載している。『雪白』は内部にバッテリーを備えており、予めエネルギーを装填しておけばシールドエネルギーを消費せずに最大出力へ移行出来る。レールカノンⅡは単射と速射の二種類のモードに切り替えることが可能になり、ショットライフルⅡは弾丸の換装だけでなく後付けパーツによってあらゆる状況に対応出来るようになり、更に汎用性が向上している。荷電粒子砲『建御雷神』は発射口付近をバリアで覆う事により、エネルギーを極限まで収束することが可能になり、エネルギーを一切無駄にせず発射することが可能となった。そのため通常の出力を抑えた状態であっても、その威力は十分脅威となる。特殊装備も使用可能で、バリアは勿論の事この機体の為だけに用意された自律兵装『無双花月』も搭載されている。武装が多いため、シールドエネルギーを全損しないように各武装のシールドエネルギー消費率も大幅に低減されている。
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