インフィニット・ストラトス~天空を翔る白き花~   作:妖牙

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第四話です。うーん・・・カップリングどうしようかな。オリヒロになりそうな流れになってるけど・・・。


第4話

一夏side

 

俺は、涼子さんとの模擬戦の後、ISの研究施設に来ていた。

 

理由は、さっきの模擬戦で故障した俺のISの修理と、故障の原因について調べる為だ。

 

因みに、優花が解析を行ってくれている。

 

「原因はわかったか?」

 

俺は優花にそう尋ねた。

 

「うん。右腕とスラスターの回路がショートしてたから、それが原因みたい。」

 

(回路がショート?試合の前に点検した時は、回路は普通だったのになんで・・・?)

 

そんなことを思っていると、優花から声を掛けられる。

 

「でもね、これはおかしいなって思ったから、詳しく調べてみたんだけど・・・。」

 

優花の声が一瞬止まり、一呼吸置いてからこう告げられる。

 

「多分、今回の故障は人為的に引き起こされたものだよ。」

 

一瞬何を言っているのか分からなかったが、すぐに理解した。

 

「そう判断した根拠は?」

 

俺は、優花にそう尋ねた。

 

「ケーブルとかの一部がね、普段使ってる物とは違うものだったし、私の後に誰かが弄った跡が残ってたから。」

 

優花は、自分の調整した機体については隅々まで覚えている。

 

彼女の考えは、ほぼ合っていると見ていいだろう。

 

「もしそうだとしたら・・・、今回の事は俺に対する妨害工作ってことか?」

 

「そうとも言えるし、以前から計画された犯行の可能性も否定できないよ。」

 

(以前から計画されていたってことは・・・。)

 

「・・・犯人は妨害だけじゃなく、俺の命も狙ってたってことか。」

 

「かもね。でも、もうそんな心配は無いと思うよ?」

 

どういうことなのかと考えていると。

 

「もう社長には伝えてあるからね~。」

 

「ああ・・・納得した。」

 

こればっかりは犯人に同情する・・・。

 

心の中で顔も知らない犯人に合掌していると。

 

「あっ、こちらにいましたか。」

 

一人の男性が近づいてくる。

 

この人は、優花の現在の父親だ。この人も優花と同じくISの研究を行っている。

 

因みに、優花はこの人の養子であるため、血のつながりは無い。

 

「山口さん、何か用ですか?」

 

俺はやってきた山口さんにそう尋ねた。

 

「ええ。社長からの伝言で、『後で社長室に来るように。』だそうです。」

 

そういうことか・・・。余程大事な話があるのだろう。

 

「分かりました。ありがとうございます。」

 

「いえいえ。それでは私はこれで失礼します。」

 

そう言って、山口さんはその場から離れて行った。

 

「まだ行かなくていいの?」

 

優花が、そう聞いてくる。

 

「ん?後でいいって言ってたし、まだやることもあるからな。」

 

俺がそう答えると、優花はいきなり頭を下げた。

 

「な、何してるんだよ!?」

 

俺がそう言うと、優花は今にも消えそうな声で話し始めた。

 

「ごめんね・・・。本当なら、こんなことあっちゃいけないのに・・・。」

 

どうやら、今回の事に関してかなりの責任を感じているようだ。

 

「それは、優花のせいじゃないだろ?」

 

俺は彼女をフォローするが。

 

「ううん・・・、私が甘かったせいで、今回の出来事を見過ごしちゃった・・・私の責任だよ。」

 

彼女はまだ自分を許しきれていないようだった。

 

「あはは・・・。私、失格だよね・・・、一夏君の機体を預かる者として・・・。」

 

俺はそんな彼女の姿を見ていられなかった。

 

「そんなこと・・・無いさ。」

 

「えっ・・・?」

 

彼女は間の抜けた声を上げながら、頭を上げ俺の顔を見る。

 

「知ってたよ。優花がいつも俺の機体の調整を寝る間も惜しんでやってたこと。」

 

「・・・知ってたんだ。」

 

そう、彼女は俺の機体を調整するとき、いつも夜遅くまで、それも念入りに行ってくれていたのだ。

 

だからこそ、俺は優花に機体を任せているのだ。

 

「いつもそこまでしてくれて・・・、感謝してる位だよ、ホント。」

 

そう言って俺は優花の頭を優しく撫でる。

 

「一夏君・・・。」

 

「だから、優花一人がそこまで背負い込む必要は無いんだ。」

 

微笑みながら俺がそう言うと、優花の顔に生気が戻り始めていた。

 

「ありがとう。」

 

優花が俺に微笑み返しながら、そう言った。

 

(これで、一安心かな・・・。)

 

「んじゃ、俺はそろそろ行くな。」

 

そう言って、優花の頭から手をどける。

 

「そっか、ごめんね。引き止めて。」

 

「気にすんな。じゃあまたな。」

 

そして俺は、その場を後にした。

 

一夏sideend

 

 

 

優花side

 

一夏君がいなくなった後、私は一夏君の機体の修理に取り掛かっていた。

 

あの時、一夏君が言ってくれた言葉が無ければ私は立ち直ってはいなかっただろう。

 

彼が頭を撫でてくれた時、嬉しくて、そしてとても心が落ち着いていた。

 

(結局、助けられてばかりだね・・・私って。)

 

助けられるのはこれが初めてではない。今まで何度も助けられてきた。

 

だからこそ、私は彼を支えられるように出来る限りの事をしてきた。

 

私は最初は彼をどうでもいい存在としてしか見ていなかった。

 

でも、自分には出来ない事を成し遂げていく彼に次第に憧れを抱くようになっていた。

 

そしていつからだろうか・・・彼に抱く思いが、憧れからそれ以上のものになっていったのは。

 

彼を・・・好きになっていたのは。

 

(いつか・・・絶対に伝えてみせるからね。)

 

誰もいない部屋の中で一人そんな決意を胸に秘めながらも、作業を続けるのだった。

 

優花sideend

 

 

 

 

一夏side

 

俺は優花と別れた後、他にあった用事を済ませ、社長室に向かっていた。

 

(優花、思い詰めてなければいいんだけど・・・。)

 

そんなことを思っているうちに、社長室の前に着いていた。

 

「失礼します。」

 

ドアをノックして、部屋の中に入る。

 

「おっ、来たか。」

 

洋一さんが俺を見て、そう言った。

 

「すいません。少し用事があって遅くなりました。」

 

俺はここに来るのが遅くなったことを謝罪する。

 

「構わねぇよ。それより立ち話もあれだ、取り敢えず座ってくれ。」

 

洋一さんは俺に座るように促してきた。厚意に甘え、俺はソファーに腰を下ろす。

 

「そういや、模擬戦はどうだった?」

 

いきなりそんな事を聞かれた。

 

「一応・・・、俺が勝ちました。」

 

俺が質問に答えると、洋一さんは嬉しそうな顔をしていた。

 

「そうか!ってことはお前は初めて涼子に勝ったってことだな。」

 

「まぐれでしたけどね・・・。」

 

俺はそう言って、まぐれだと主張するが。

 

「いや、まぐれって事は無いだろ?右腕とスラスターが十分に動かない状況で勝ったんだからな。」

 

そう言って、俺を褒めてくれた。素直に嬉しかった。

 

俺はふと、気になっていたことを聞いてみた。

 

「そういえば、俺の機体に細工した犯人って見つかったんですか?」

 

そうすると、洋一さんの雰囲気がガラリと変わり、危険な雰囲気になっていた。

 

「あぁ、間抜けにも一部始終が監視カメラに写ってたお陰ですぐに見つかった。」

 

「因みに、どうなったんですかその人・・・。」

 

恐る恐る聞いたが・・・。

 

「知りたいか?」

 

「いえ、結構です・・・。」

 

どう考えても凄いことになっているのは明らかなので、追求するのはやめておいた。

 

「さてと、そんなことは置いといてそろそろ本題に入るぞ。」

 

洋一さんがそう切り出し、場の空気が変わる。

 

(いよいよか・・・。一体何の話だろう?)

 

俺がそんな事を思っていると。

 

「IS学園って知ってるか?」

 

彼の口から、そんな言葉が飛び出した。

 

(IS学園って・・・あの?)

 

確かIS専門の養成機関だったはずだ。

 

「一応、聞いたことはありますが、それが何か?」

 

「ああ。一夏、俺はお前をここに通わせようと思っている。」

 

(えっ・・・。)

 

一瞬呆然とするが、すぐに我に返り。

 

「ほ、本気ですか!?」

 

と聞くが。

 

「ああ。本気だ。」

 

・・・・本気のようだった。

 

「どうしてですか?まさか、何かの仕事ですか?」

 

一応、理由を尋ねてみる。

 

「いや、これはお前を守るためだ。」

 

(俺を守るため・・・?)

 

何故そこに通うことが俺を守ることになるのか分からなかった。

 

すると、洋一さんが溜息をつきながら説明し始めた。

 

「お前は恐らく世界でただ一人だけ、ISを動かせる男だ。今はまだお前の存在は知られていない

が、もし知られれば大変な事態になるぞ。様々な企業や研究機関がお前をモルモットにしようと押し

寄せてくるかもしれん。そうなったら、いくら俺でも完全にはお前を守りきれん。だからこそ、お前の存在を正式に世界に公表して、IS学園に入学させれば、どこの企業も下手に手は出せなくなる。そうなれば、少なくとも三年は自由でいられるだろう。三年経てば、この会社に就職すれば良いしな。」

 

洋一さんの説明を聞いて、俺は自分の価値がどれほどのものなのかを知った。

 

確かに、俺のような貴重なサンプルをを企業や科学者たちが見過ごす筈がない。

 

だから、洋一さんは俺を守るために敢えてこの手段を取ったのだろう。

 

「別にここに残るという選択肢もある・・・。お前が決めろ、一夏。」

 

洋一さんにそう言われ、俺は考える。

 

ここを離れるのか、それとも残るのか。

 

俺はしばらく考えて、ようやく答えを出した。

 

「答えは決まったようだな。言ってみろ。」

 

洋一さんは目を閉じ、俺の答えをじっと待っていた。

 

「洋一さんだってつらい思いを覚悟の上で俺にこの話をしてくれたんです。それを無には出来ません。」

 

「・・・。」

 

洋一さんは無言を貫いている。

 

「だから・・・俺はIS学園に行きます。」

 

俺がそう言うと、洋一さんは立ち上がり。

 

「そうか。なら、止めるわけにはいかねぇな。」

 

そしてそのまま近づいて来て俺の肩に手を置き、こう言った。

 

「何かあったらすぐに頼れ!出来る限り力になってやるからな!」

 

「はい!」

 

それだけ会話を交わした後、俺は社長室から退室したのだった。

 

一夏sideend

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は一夏がIS学園に行く決心をするまでを書かせていただきました。次回はキャラ設定等を書く予定なので、その次から新章に突入します。
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