インフィニット・ストラトス~天空を翔る白き花~   作:妖牙

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新章に突入です。やっと原作に入りましたね。


第一章 IS学園
 「入学」


一夏side

 

洋一さんからIS学園に入学するように誘われてから、三日後に俺の存在は世界中に公表された。

 

それからは本当に面倒事ばかりだった・・・。

 

俺の事を執拗に調べようとするマスコミや、企業からの勧誘等がとにかく多かった。

 

洋一さんも流石に堪忍袋の緒が切れたのか、色々な脅しをかけてようやく事態が収束した。

 

そして俺は、IS学園の入試を受け、無事IS学園に入学した。

 

因みに、入試では俺の専用機ではなく、学園にあったISで試験を受けた。

 

何故かというと、前日に洋一さんにISを持って行かれ、手元に無かったからだ。

 

どうしてそんなことをしたのかは分からないが、合格できたので良しとする。

 

現在、俺はIS学園の校舎内にある、一年一組の教室にいるのだが・・・。

 

・・・・周囲を見渡しても、女ばかり。おまけに、視線も痛い。

 

(はぁ・・・。これはキツイな・・・。)

 

自分で決めた道だが、まさかここまで険しいものだとは思わなかった。

 

そんなことを思っていると、緑色の髪をした女性が入ってきた。

 

「皆さん。入学おめでとうございます。私は副担任の山田真耶です。一年間宜しくお願いしまします。」

 

どうやら、教師のようだ。しかし、誰も返事をしないのを見ると、すぐ涙目になった。

 

(本当に教師なんだよな・・・?)

 

そんなことをつい思ってしまう。

 

「そ、それじゃあ、廊下側の人から自己紹介をして下さい。」

 

涙目になりながらも山田先生がそう言うと、廊下側の人から自己紹介が始まる。

 

(自己紹介か・・・。ここはしっかり決めないとな。)

 

そして、自分の番になった。

 

「瀬川一夏です。趣味は料理と新聞を読むことです。ISを動かしてしまい、ここに入学することになりました。男ではありますが、仲良くしてくれると嬉しいです。これから一年間宜しくお願いします。」

 

俺はそう言って、席に座る。

 

「「「「「「キャアァァァァァ」」」」」」

 

「イケメンよ!しかも礼儀正しい!!」

 

「見た目も爽やかで、好青年って感じ。」

 

「女に生まれて来て良かった~!!」

 

凄まじい音波攻撃がおれの耳を襲う。

 

(こ、鼓膜が・・・。)

 

そんなことはお構いなしに、声が鳴り止むことは無く、むしろヒートアップしていった。

 

「静かにしろ。この馬鹿共が。」

 

その一声で、教室内の女子達が沈黙する。

 

「このクラスの担任となる織斑だ、一年で君達を使い物になるようにするのが私の仕事だ。私の言うことには必ず従うように。」

 

(千冬姉・・・。)

 

どうやら、千冬姉がこのクラスの担任のようだった。

 

あの事件の事に関しては、千冬姉に対する怒りは収まっているが、まだ割り切れてはいない。

 

それ故に、気まずい再会でもあった。

 

(ケリは付けないとな・・・。)

 

俺がそう決意を固めると同時にまた女子達からの音波攻撃が俺を襲った。

 

「キャァァァ!!本物の千冬様よ!」

 

「千冬様に会うためだけに、九州から来たのよ!」

 

「千冬様~!こっち向いて~!!」

 

辛うじて耳を塞ぐことが出来た俺は、さっきよりは低いダメージで済んだ。

 

一向に静かにならない女子達を見て、溜息を吐く千冬姉だったが、いきなり俺の方を見てきた。

 

(何かあるのかな・・・?)

 

そう思っていると。

 

「瀬川、貴様には話がある。放課後に私の所に来い。」

 

そう言ってきた。

 

「分かりました。織斑先生。」

 

そう俺が返事をすると、千冬姉はすぐに視線を戻した。

 

(いよいよか・・・。ここで俺の気持ちをはっきりさせる!)

 

そうして、朝のSHRの時間は過ぎて行った。

 

 

 

「ちょっと、いいか?」

 

一時間目が終わった頃にポニーテールの女子が話しかけてきた。

 

「ん?ああ、箒か。何か用か?」

 

彼女の名は篠ノ乃箒という。俺の幼馴染で、ISの開発者である篠ノ乃束の妹だ。

 

「ああ、ここでは話しにくい。屋上に行かないか?」

 

箒にそう言われ、俺は彼女と屋上に向かった。

 

 

 

屋上に着き、箒から口を開いた。

 

「・・・久しぶりだな。一夏。」

 

「ああ、六年ぶりだっけ?元気そうで何よりだ。」

 

箒とは彼女が小学校の時に転校して以来会っていない。

 

(知り合いがいてくれて良かった。)

 

内心でそんなことを思っていると。

 

「そういえば、何で名字が変わっているんだ?」

 

そう箒が聞いてきた。

 

「ん?それはな、訳あってある人の養子になったからだよ。」

 

「千冬さんはもう家族ではないのか?」

 

箒にそう聞かれ、俺は少し暗めの声で答える。

 

「そうなるのかな・・・、戸籍上はそうなるわけだし。」

 

俺のその答えを聞き、箒はどこか申し訳なさそうな顔をしていた。

 

空気が重くなるのは流石にまずいと思った俺は、話題をそらすことにした。

 

「そういえばさ、剣道の大会優勝したんだってな。おめでとう。」

 

俺がそう言うと。

 

「な、何故お前が知っている!!」

 

箒にそう言われる。

 

「なんでって、そりゃあ新聞に載ってたからだよ。」

 

「何故お前が新聞を読んでいるんだ!?」

 

(おいおい・・・、俺が新聞読んじゃいけなのかよ・・・。)

 

「あれ?新聞を読むのが趣味だって、自己紹介の時に言った筈だぜ?」

 

俺がそう言うと、箒も納得したのか、それ以上は何も聞かなくなった。

 

「・・・そうか。」

 

「それよりも、早く教室に戻ろうぜ。授業が始まっちまうぞ。」

 

「そ、そうだな。じゃあ行くか。」

 

そうして、俺達は急いで教室に戻った。

 

 

 

二時間目が終わり、休み時間に入ったので、自分の席でくつろいでいると。

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

金髪のいかにもお嬢様っぽい女子が話しかけてきた。

 

(彼女は確か・・・。)

 

セシリア・オルコット・・・、それが彼女の名前だ。

 

イギリスの代表候補生で、名門貴族オルコット家の当主でもある。

 

「イギリス代表候補生、セシリア・オルコットか?」

 

俺は彼女にそう返事をする。

 

「あら。私のことをご存じでしたのね。」

 

オルコットは俺にそう言った。

 

「まあな。それで、レディーがこんな俺に何の用かな?」

 

俺は彼女に一応礼儀をもってそう聞いた。

 

「一応、礼儀も出来てますのね。貴方も知っての通り、私は代表候補生・・・。つまり、エリートなのですわ。そんな私が貴方にISについて教えて差し上げようかと思ったのですわ。」

 

オルコットが俺にそう言ってくる。正直言って、今の彼女は嫌いだ。

 

何故ならば、俺を見下したような目で見てくるからだ。

 

人を見下す人間は苦手・・・というよりもむしろ嫌いだ。

 

そんな人間から教えを乞うなど、正直反吐が出るが、

 

それを言えば彼女が突っかかってくるのは確実だ。

 

それを避けるために俺は敢えて彼女を怒らせないように丁重に断る。

 

「折角のお誘いだが、今回は遠慮させてもらう。ISの整備位なら自分でもできる程度の知識はある。まあ、開発とかは流石に無理だし、分からない事も多いから時には頼らせてもらう事になるだろうけどな。」

 

俺がそう言うと、彼女は。

 

「そうですか。でしたら、もう用は無いですわ。」

 

そう言って、自分の席に戻っていった。そして、授業開始のチャイムが鳴った。

 

 

 

三時間目に入り、俺は山田先生の授業を受けていた。

 

山田先生が皆のほうを向き、

 

「ここまでで、分からないところがある人はいますか?瀬川君も大丈夫かな?」

 

こう言ってきたので、

 

「はい。問題ありません。」

 

とだけ言った。

 

すると、教室に千冬姉が入ってきて、教壇に上がった。

 

どうやら何か大事な話があるらしい。

 

「さて、授業の前に再来週に行われるクラス対抗戦のクラス代表を決めようと思う。」

 

どうやら、このクラスの代表を決めたいらしい。

 

「クラス代表はその名の通り、クラス対抗戦などの行事に出席する、いわばクラス長だ。因みに一度なったら、一年間変更することは出来ないからそのつもりでいてくれ。さて、自薦、他薦は問わない。誰かいないか?」

 

そう千冬姉が言う。こうなると、どうなるかは簡単に想像できる。

 

「はい!瀬川君がいいと思います!」

 

「私も、瀬川君を推薦します!」

 

「折角の男子だもん、使わなきゃ損だよね。」

 

(おいおい・・・。まっ、良い経験にはなるか。)

 

「瀬川か。他にはいないか?」

 

そう千冬姉が聞くと。

 

「納得できませんわ!!」

 

そう言って、オルコットが机を叩き、勢いよく立ち上がった。

 

「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ! わたくし……、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

 彼女の言葉は止まらない。

 

「実力からすればこのわたくしがなるのが必然。それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!大体! 文化として後進的な国で暮らさなければ行けないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でーー」

 

「そこまでだ。オルコット。」

 

俺は、強引に彼女の言葉を遮る。

 

「なんですの!?まさかこの私に指図するつもりですか!!」

 

彼女はどうやら今の状況を分かっていないらしい。

 

「はぁ・・・。幻滅した。」

 

オルコットは俺のその言葉に更に怒りを見せるが、俺はお構いなしに言葉を続ける。

 

「大体お前が言っているのは、この日本という国家に対する挑発だ。つまり、お前は今日本に対して喧嘩を吹っ掛けたことになるんだよ。お前は確かイギリスの代表だったな。ということは、お前の言葉はイギリスを代表したものだと日本側は受け取ることが出来る。もし、そうなったら、日本とイギリスの関係はたちまち悪化していくだろうな。」

 

そして、俺は止めにこう言った。

 

「例えそのつもりが無かったとしても、言葉一つで世界は動いちまうんだ。そんなことも理解できないような奴に代表を名乗る資格は無い。」

 

そうすると、オルコットがいきなり俺を指さし、

 

「決闘ですわ!男の癖にコケにして・・・もう容赦しませんわ!!」

 

そう言った。

 

「いいぜ。受けて立つ。」

 

俺も肯定の言葉で返す。

 

それを見た千冬姉が

 

「よし。一週間後にクラス代表の決定戦を行う。場所は第三アリーナだ。」

 

そう言って、俺達の決闘はクラス代表決定戦で行われることになった。

 

一週間後の決闘に向け、意気込んでいると。

 

「さて、クラス代表決定戦を行うことになったが、瀬川には政府から専用機が支給されることになった。」

 

千冬姉のその言葉に驚きを隠せないのか、教室内がざわつき始める。

 

(専用機・・・?俺のはもう・・・、もしかして洋一さんはこのために俺のISを・・・?)

 

いろいろ疑問があったが、結局洋一さんが政府と共同開発することになったということにした。

 

「あら?それは良かったですわ。てっきり、訓練機で戦うのかと。」

 

オルコットがそう言った。

 

「どうやら、そうみたいだな。そうなったからには、全力で行かせてもらうからな。手加減無しで来い。」

 

俺がそう言うと、女子達が笑いながら俺にこう言った。

 

「瀬川君。それ本気で言ってるの!?」

 

「そうだよ、せめてハンデくらいつけてもらいなよ。」

 

「いくら瀬川君がISを動かせるからって、勝つとは限らないんだよ?」

 

だが、俺は

 

「問題ないさ。媚びて勝つより、全力で戦って負けた方がマシだ。」

 

そう言った。すると、女子達からの声は聞こえなくなった。

 

(まっ、負けるつもりは無いけどな。)

 

「良いですわ!貴方のその生意気な態度をへし折って差し上げますわ!」

 

そして、俺は一週間後に向けて闘志を燃やすのだった。

 

一夏sideend

 

 

 

千冬side

 

瀬川とオルコットのクラス代表決定戦の話が決まり、廊下で一人考えに耽っていた。

 

私は世界大会があった日、一夏が誘拐されたことを知らされず、試合に出た。

 

結果として、大会二連覇を成し遂げることが出来たが、そんなものはどうでもよかった。

 

誘拐の事を知った私は、ドイツ軍に協力してもらい、一夏の居るという場所に向かった。

 

今からではもう遅いかもしれない・・・、そんな思いが頭をよぎった。

 

そして、現場に到着した時にあったのは死体になった誘拐犯と思しきものだけだった。

 

一夏の姿が無いと分かり、私はその日から失意のどん底に落ちた。

 

その後、ドイツ軍への借りを返すためにドイツで一年間教官を務めたのちに、

 

IS学園に教師として就任した。

 

そしてついこの前、世界初の男性操縦者の記事を見つけた時、

 

その操縦者の名前に、私は目を疑った。

 

私は自分の弟だと何故か確信を持てた。

 

一夏が生きていてくれた事に喜びを感じると同時に、私は一夏に会うのが怖かった。

 

あの時の事を恨んでいたとしたら・・・。それが気になって仕方が無かった。

 

だが、逃げるわけにはいかない。ここではっきりさせてみせる。

 

例え恨まれようが構わない。どんな罰だろうと、受けて見せる。

 

せめて一夏に謝りたい。こんな情けない姉で済まなかったと。

 

「一夏・・・。お前はどう思っているんだ・・・?」

 

私はそう呟いた後、不安を振り払うように廊下を歩いて行った。

 

千冬sideend

 

 

 

 

 

 




今回はクラス代表決定戦が決まるところまで書かせていただきました。流石に詰め込みすぎでしたね。そのせいで、セシリアとの会話とかヒドイ事になってしまいました・・・。この作品の千冬は自分が一夏を救えなかった事を、『知らなかった』からだという他人に責任を押し付けるのではなく、『自分が情けなかった』からだと思っています。果たして一夏と千冬は答えを出せるのでしょうか・・・。次回はついに一夏が千冬と一対一で対面します。
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