一夏side
オルコットとのクラス代表決定戦の事が決まった日から、ついに一週間が経ち、試合当日になった。
この一週間は、何とか借りられた学校のISでの操作訓練とシュミレーションをしていた。
因みに、今は一人でアリーナのピットで待機している。
理由は俺の専用機が未だに到着していないからだ。
千冬姉や箒も居たのだが、今は別室に移動していた。
(遅いな・・・。まさか訓練機で・・・?)
そんな事を考えていると、
「瀬川君!瀬川君!瀬川君!」
そう言いながら、山田先生が凄い勢いでこちらに走ってきた。
「取り敢えず、落ち着いてください。」
「あ、はい・・・。」
俺が落ち着くように促すと、山田先生は深呼吸してから
「瀬川君の専用機が届きました。」
そう告げた。
(ついに来た・・・。)
「案内します。ついて来て下さい。」
「分かりました。」
そう言って、俺は山田先生について行った。
山田先生に案内され、やってきた所にあったのは、白いISだった。
「これが、俺の・・・。」
「はい。その名も『白式』です。」
俺は感慨の籠った声でそう呟きながら、白式に触れようとすると。
「ちょっと待ちな~。」
どこかで聞き覚えのある声が聞こえた。
「よっ。久しぶりだな一夏。」
・・・やっぱり洋一さんだった。
「久しぶり・・・じゃないですよ!!」
「あはは。悪い悪い。」
そんなやり取りをしていると、
「あ、あの~。どちら様でしょうか?ここは関係者以外は立ち入り禁止なんですけど・・・。」
山田先生が洋一さんに向かってそう聞いた。
「ん?ああ、これは申し遅れました。自分はこういう者です。」
そう言って、洋一さんは山田先生に名刺を手渡す。
「ええっと、瀬川重工・・・。しゃ、社長さんですか!?」
名刺を見た山田先生は驚いていた。
「一応、政府からは許可を得ているので、その点についてはご心配無く。」
洋一さんはそう告げた。
「ところで、なんでここに?」
俺は洋一さんにそう聞いた。
「ん?ああ、お前の専用機を届けに来たんだよ。」
洋一さんはそう答えた。
「えっ?この機体じゃないんですか!?」
俺は疑問に思い、そう言った。
「いや・・・、その機体はウチで作ったものじゃないが・・・。」
「じゃあ、俺の機体は何処に・・・?」
洋一さんの言葉を聞き、俺がそう言うと。
「おまたせ~!一夏君~!」
優花が手を振りながらこっちに走ってきた。
「優花!何でここに?」
「えっとね、一夏君の専用機を持って来たんだよ。」
そう言う優花の後方には、大きなコンテナの様な物があった。
どうやら、その中にある機体が俺の専用機みたいだ。
「これが一夏君の専用機・・・。」
そう言いながら、優花がコンテナのコントロールパネルを操作すると、
コンテナが開き、中にある機体が見えてきた。
そこにあったのは、白式と同じ白色をした機体だった。
「・・・『白百合』だよ。」
機体の名を告げられ、俺は白百合に触れる。
「一夏君のデータは前の機体から移植してあるから、すぐに一次移行するはずだよ。」
優花にそう言われ、この機体にどれだけの思いが詰まっているのかを感じ取る。
「あの~。そろそろ試合を始めたいんですけど・・・。」
山田先生にそう言われ、俺は白百合を装着し、アリーナへ向かう。
そして、一度立ち止まり
「洋一さん。優花。」
「「何(だ)?」」
「勝ってくるよ。」
それだけ言って、俺はアリーナに飛び立った。
アリーナの上空では既にオルコットが『ブルー・ティアーズ』を展開した状態で待機していた。
つまり、今俺は彼女に見下ろされている状態である。
遅れて登場した俺に向かってオルコットは侮蔑の目を向けてくる。
「あら、よく逃げずに来ましたわね。てっきり逃げ出したのかと思いましたわ。」
「悪いな。コイツの受け取りに時間が掛かっちまってな。」
オルコットの憎まれ口に俺はそう答える。
「貴方に最後のチャンスを差し上げますわ。このまま戦えば、私が勝つのは火を見るよりも明らか、今謝れば許してあげなくもありませんわよ?」
オルコットのその声に俺は溜息を吐いた後に
「前にも言った筈だぜ・・・、媚を売る位なら全力で戦って負けた方がマシだってな。」
そう答える。
「そうですか。では・・・。」
彼女のその声と同時に、試合開始のブザーが鳴り
「お別れですわね!!」
オルコットが『スターライトmkⅢ』をこちらに向け、レーザーを放ってきた。
だが、俺はそれを身体を僅かに捻る事で回避する。
すると、彼女も避けるとは思ってはいなかったのか、顔の表情が変わっていた。
「・・・クッ。中々やりますわね。なら、これでどうでしょうか。」
そういって、彼女は動きを止め・・・、
「行きなさい!!『ブルー・ティアーズ』!!」
彼女のISからビットが射出され、一気に俺を包囲する。
「踊りなさい!このセシリア・オルコットの奏でる円舞曲で!!」
その一声で、ビットから一斉にレーザーが飛んでくる。
流石にこの状況で丸腰はキツイと感じた俺は武装を探し始める。
(武装は・・・、近接ブレード一本だけ・・・!?)
俺は内心武装の少なさに驚きながらも、唯一の武装であるブレードを展開する。
そして、飛んでくるレーザーを回避しながらも、ビットを近づいてきたものから
次々と落としていった。
「クッ!よくも!!」
流石にここまでやれると思っていなかったのか、彼女の顔に焦りと怒りの色が見え始める。
そして、全てのビットを落とした後、
『最適化終了 一次移行完了 単一仕様能力使用可能』
そのメッセージと共に、一次移行がようやく終わった。
よく見ると、武装欄にも武装がかなり追加されていた。
するとオルコットの顔に驚愕の色が見えた。
「あ、貴方。まさか今まで、初期状態で戦っていましたの!?」
「ああ、そうみたいだな・・・。」
俺は呼吸を整え
「さて、反撃と行くか!!」
そう言って、俺はスラスターを全開にして突撃する。
さっきまでとは違い、機体も俺についてくる。
そして俺は、新たに加えられた武装である、『雪白』を展開する。
展開されたブレードは、全てにおいて雪のように白かった。
「ウォォォォォ!!」
「そんな、見え見えの機動ではッ!!」
オルコットから『スターライトmkⅢ』のレーザーが飛んでくる。
俺は、機体のエネルギーを雪白に集中する。
(雪白、出力最大!!)
すると、雪白に目ではよく見えない『何か』が纏わりついた。
そして、そのまま向かってくるレーザーを文字通り、『切り裂いた』。
呆然とするオルコットに、俺は素早く近づき雪白を振りおろそうとするが。
「掛かりましたわね!!『ブルー・ティアーズ』は六機ありましてよ!!」
オルコットは近づいてきた俺に向かって、ミサイルを放ってきた。
(グッ・・・。この距離で食らったら・・・。)
諦めかけた俺だが、
(でも・・・、ここで負けたら送り出してくれた人達に顔向け出来ない・・・!!)
そう思い、再び闘志を震わす。すると、機体の様子が変化し始め、
『単一仕様能力 発動 幻影麗華』
そして、俺の機体はその場から姿を消す。
目標を失ったミサイルは、アリーナの壁に激突し爆発した。
「ど、どこにいったんですの!?」
オルコットは俺の姿を辺りを見渡して探していたが。
「ここだよ。」
俺は、オルコットの真上から再び姿を現す。
そして、雪白を構え、一気に振り下ろした。
「キャァァァァ!!」
雪白は確実に彼女の機体を捉えていた。
そして・・・
『ブルー・ティアーズ シールドエネルギーゼロ 勝者 瀬川一夏』
試合終了のアナウンスが鳴り、決闘は俺の勝利に終わった。
一夏sideend
今回は戦闘シーンを中心に書かせていただきました。相変わらず下手糞だな・・・。そして、ようやく出せましたよ、一夏の専用機を・・・。この機体や出しきれなかった武装などについては次回詳しく書くつもりです。次回は決闘後の様子を書きます。