Q.ひとは自分の同人誌が売られたい、という理由でヒーローになれるか答えよ   作:ピコッピコ

11 / 23
今回で終わりです


11 ポフレは風邪かしら、と呟いた

──寒い。

 

北条はコスチュームを長袖にしていて良かった、と心底思いながら、氷漬けにされたビルに入っていく、轟焦凍を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人組だと1人余る、と言及してしまった北条は、特別にくじが免除された。

北条が入るチームはBチーム。ヒーロー側だ。

 

メンバーは轟焦凍と、障子目蔵という二人。

 

いくら秋波を送ろうが靡かないであろうイケメン2人に、北条はウキウキしていた。何せ、イケメンである。

 

「よろしくね。 障子くん、轟くん。」

「よろしく。」

 

逞しく大柄な肉体。口全体を覆った青い布。

障子目蔵。彼は、恐らく異形型の個性だろうか。

 

威圧的で、少し怖い容姿とは反し、なんだか優しげな声と態度で、北条は安堵した。

 

「はいはい!提案があるの、先ず最初に障子くんが複製腕で──」

「必要ない。」

 

──えっ????

 

我ながら名案だ!と意気込んで語ろうとした計画、それは轟焦凍に切り捨てられた。

 

「轟、それは何故だ?」

「俺だけで勝てる。」

 

お前達など要らない、そういうことだろう。

 

自信満々、にしては何だか味気ない。そんな轟焦凍の言葉に、北条は首を傾げた。

障子目蔵は轟焦凍の言葉自体に首を傾げる。

 

──轟くんに任せるだけで大丈夫そう。

 

北条は面倒くさくなってきていた。

轟焦凍が個性把握テストで上位だったのもあり、北条には何かいけんじゃね?という自信が出来る。ダメだったらどうするつもりだ。

 

「それは──」

 

障子目蔵が轟焦凍に説得を試みようとした時、オールマイトの声が響く。

 

障子目蔵は早かった。

素早く耳の複製を作り出し、ビルの中の尾白猿夫と葉隠透、二人の居場所を突き止めた。素晴らしい手腕である。複製腕だけに。

 

そして、轟焦凍は黙ってビルに触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

──いや、ありえない。ありえないから。

 

「ね、ねぇ、障子くん。私、夢見てる訳じゃないよね…」

「……信じられないだろうが、現実だ。」

「だ、だよねー…………マジかぁ…」

 

ヒーローチームの勝利だというのに、北条は浮かない気持ちだった。

 

他のチームの戦いをモニタで眺めながら、先程の戦い…いや戦いと言うには一方的。

それこそ、蹂躙という言葉が似合う出来事を思い出していた。

 

轟焦凍、彼の個性は余りに強力すぎた。

下手なプロヒーローよりも強いことは確かで

 

「ひょっとしたら……ポフレより強いかも…」

「ポフレ?……聞いた事ある気がするな。」

「私のお父さんの個性だよ。お父さん、元サイドキックだから…その関係かな。」

 

北条は何故か障子目蔵と仲良くなり始めていた。

 

「そういえば、障子くんって何で青い布なんて付けてるの?イケメンなのに勿体なくない?」

 

きゅるるん!

 

北条と障子目蔵の身長差を考慮した表情、目線、仕草。

愛らしく、しかしくどくない。そう愛玩動物じみた可愛らしさではない、思わずキュンっと来てしまう人間のそれ。

 

完璧だった。

 

「……そ、うか?」

「絶対そうだって。」

「……ありがとう。」

 

──落ち……たか?

 

純情な少年の心を弄ぶな

 

 

 

 




障子!!俺だーーー!!結婚してくれえええええ!!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。