Q.ひとは自分の同人誌が売られたい、という理由でヒーローになれるか答えよ 作:ピコッピコ
一家が1家になっているのは、見やすいようにする為の仕様です。誤字報告ありがとうございます!
「え"っ?!マスコミ来てたの!!??」
北条は思わず声を荒らげた。
無理もない。
北条は目立つことに命を掛けている。マスメディアなんて、頬も落ちる絶品の餌だ。
「う、うん。校門の前でオールマイトについて聞いてたよ。」
「麗日君や、俺も聞かれたな。」
「マジか。」
──早く来なければ良かった!!!
「…そうえば、人すごいね。」
北条は無理やり話を逸らした。
これ以上話していたら心が折れそうだった。
北条の中学校にも食堂は有った。
有ったが、雄英はそんな物比じゃない程の大きさ。
「ヒーロー科の他に、サポート科や経営科の生徒も一同に会するからな。」
「米が上手い!」
飯田天哉が丁寧に教えてくれた。
入試説明会の時の彼である。
…また会見えた際には若干嫌な顔をされた物だ。
されたが、北条は「緊張してたのと集中しようとしてて、ついつい」と説明したことにより和解した。
北条は麗日お茶子に、オカズを分けてあげた。
麗日お茶子は喜んでいる。
「いざ、委員長やるとなると務まるか不安だよ……」
「ツトマル」
「大丈夫でしょ。」
「大丈夫さ。緑谷くんのここぞという時の胆力や、判断力は【多】を牽引するに値する。だから君に投票したのさ。」
──緑谷くん、真面目そうだし大丈夫だと思うけどな。
北条は、又もや麗日お茶子にメインのハンバーグを人かけあげた。麗日お茶子は遠慮しつつ、それを頬張った。
余程美味しかったらしく、相好を崩す。
もはや餌付けである。
「でも、飯田君も委員長やりたかったんじゃないの?…メガネだし!」
「やりたい、と相応しいか否かは別の話…僕は、僕の正しいと思う判断をしたまでだ。」
「あ、飯田くん今ボクって言った。」
目敏い。
北条は、飯田天哉が割と良い話をしていたというのに、目敏くソレを見つけた。
「ほんまや!ちょっと思ってたけど…飯田君って、もしかして坊ちゃん?」
「………………そう言われるのが嫌で一人称を変えてたんだが……あぁ、俺の家は代々ヒーロー1家なんだ。俺はその次男だよ。」
「…マジか。ヒーロー1家とか…マジか。」
「えぇ!!すっごーーー!!!」
ヒーロー1家となると、正真正銘のエリート1家になる。
なにせ、ヒーローは世知辛い。
人気など一瞬に消え、歩合制のため、高い実力が必要不可欠なのだ。
「ターボーヒーロー・インゲニウムは知ってるかい?」
「もちろんだよ!!東京の事務所に65人もの相棒を雇ってる、大人気ヒーローじゃないか!!………!まさか……!」
「詳しい……。それが僕の兄だ。」
「あからさま!!すごいや!」
「飯田くんのお兄さん凄い人だね…」
実は、北条の父…細かく言えばポフレは、インゲニウムと縁深いのだが……北条は忘れている。
「規律を重んじ人を導く愛すべきヒーロー!!俺はそんな兄に憧れ、ヒーローを志した。人を導く立場は、まだ俺には早いのだと思う。上手の緑谷くんが就任するのが正しい!!!」
正しく力説。
飯田天哉は、初めての笑顔を見せた。
「なんか……初めて笑ったかもね、飯田君。」
「笑った方が良いよ、飯田くん。」
「え、そうだったか!?笑うぞ俺は!!」
北条は、ひどく幸福であった。
友達と学食で、こんなに賑やかに話ながら昼食を楽しむ。そんな事が、北条には酷く幸せに感じられた。
北条は又もや麗日お茶子にオカズを別け──
ウゥーーーーーーーーー
耳を劈くような甲高いサイレン。
それは、分けようとしたオカズを、机に落としてしまう程に突然の出来事だった。
「何これ……!」
「警報……!?」
〔セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは、速やかに屋外へ避難して下さい]
「すみません、セキュリティ3とはどういう事ですか。」
「誰か校舎内に侵入してきたってことだよ!三年間でこんなの初めてだ…!君らも早く!!」
ここは雄英。
セキュリティなど、簡単に敗れる訳がない。
そんなこと周知の事実。
そう、
そんなセキュリティが破られる程のヴィラン……並大抵な者では無いのは明らかであった。
「いたっ!!急に何!!?」
「さすが最高峰!!危機への対応が迅速だ!!」
「迅速過ぎてパニックに……って、どわーーーしまったーー!!」
「デクくん!!」
「緑谷くーーん!!」
「ちょ、緑谷く……キャアッ!」
「なぎさちゃん!!」
「北条君!」
あっという間の出来事であった。
みんな人混みに一瞬で流され、もう北条の目には3人は1人も写っていない。
「あ、危ないなぁ…」
奇跡的に北条は壁の方に追いやられ、北条はこれ以上遠くへ持っていかれる事は無かった。
──どうしよう……取り敢えず状況を把握しなきゃ。
状況を整理しようと、辺りを見ようと首を回した時。近くに1人の少女居ることに気がついた。
北条は、咄嗟にその子を庇う。
壁に両手を付き、鼻の付きそうな程近い距離……俗的に言えば、【壁ドン】である。
「いッきなり、ご、めんね!大丈夫ッ?
…百ちゃん。」
ポイント入れてもらった時は飛び跳ねて小指を打ち付けました。