Q.ひとは自分の同人誌が売られたい、という理由でヒーローになれるか答えよ 作:ピコッピコ
「すっげー!!!USJかよ!!?」
──訓練場っていうより、テーマパークっぽいな。
大きなジェットスライダーのような建物や、波の経つプールのような水辺。まるでリゾートの様な大きな建物。
バスから降りた皆を待ち受けていたのは、豪華で遊び心を感じられる訓練場であった。
余談だが、北条は遊園地等のテーマパークへ行ったことが無い。
だから、北条にとってのテーマパークはテレビで見た物だ。
なので、この様な大きくて、子供心を擽るような建物達には何とも……耐性というか、慣れというか、そういうものが無い。
「水難事故、土砂災害、火事……etc.あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。その名も……
──う、え、あ、じゅ、13号さんだ…!
この限界を迎えているのは北条である。
最早言うまでもなかろう、北条は13号先生のファンなのだ。
フワフワしたコスチューム。全体的に丸くて、思わず抱きつきたくなる。紳士的で、カッコイイ。
北条は邪な気持ちは一切なく、13号先生が好きだった。
なんなら、今すぐサインを貰いたい。
「わー!!私好きなの13号!」
「わ、私も!」
「ほんま?!なぎさちゃんも好きなん13号?」
「うん!すっっっごい好きなの!!!」
マジかー!と北条は浮かれながら、麗日お茶子と手を繋いでピョンピョン跳ねる。うさぎか何かか。
…北条がフワフワ気分で浮かれる中。
13号先生と相澤先生は何やら話し込んでいた。
13号先生が何かを伝えると、相澤先生の眉間のシワが更に深く濃くなった。
……そういえば、オールマイトは何処だろうか。
「えー、始める前に、お小言を一つ、二つ…三つ四つ。」
──小言増えるなぁ…でも13号さんのそういう所、好き。
その純粋さを常に持っていてくれ。
ぽやぽや顔で、手を両頬に当てた幸せ気分な北条は、13号先生の話を聞き逃さないように耳を澄ます。
「皆さんご存知だとは思いますが、僕の個性は、【ブラックホール】。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます。」
「その個性で、どんな災害からも人を救い上げるんですよね!」
何度も動画で見たことがある。
吸い上げた瓦礫が、指に吸い込まれチリに変わるのを。
それを見る度、なんだか薄ら寒くなる思いであった。
「ええ……しかし、簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう個性がいるでしょう。」
──ポフレとか、良い例よね。
「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制することで、一見成り立っているようには見えます。しかし、一歩間違えれば、容易に人を殺せる【いきすぎた個性】を、個々が持っていることを忘れないで下さい。」
北条が中学生ぐらいの頃、夜の公園で個性を使っていた時、うっかりビームを放ち、危うく公園の遊具を消し去りそうになったことがある。
ポフレに謝り倒して、すぐさま直してもらったが……あれは思い出したくはない。
温厚な人間……いや個性だが、そういう者が怒るのは、金棒を持った鬼よりも恐ろしい。
今でも身震いする様な記憶だ。
……あれを人に向けてたなら……考えたくもない。
「相澤さんの体力テストで、自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。」
………余談だが、100年くらい前には個性は無かったらしい。
……どういった世界だったんだろうか。
「この授業では……心機一転!」
先程までの、何だが重苦しい、暗い雰囲気から一変。
いつも通りの、明るい13号先生に戻る。
「人命の為に、個性をどう活用するかを学んでいきましょう。君たちの力は、人を傷つける為にあるのではない、助ける為にあるのだと、心得て帰って下さいな。以上!ご静聴ありがとうございました。」
「ステキー!」
「ブラボー、ブラボー!」
──カッコイイ…はぁ…やっぱ13号先生最高だわ……
北条は精一杯の拍手を送りながら、そう思った。
好きすぎるだろ。
北条は拍手を送りながら、そう思った。
「そんじゃあ先ずは……」
相澤先生はピタリと言葉を止める。
目は会場の方を凝視しており、それは何だか不自然にも感じられた。
北条も習って、下にある会場を覗く。
──モヤモヤ?
なんだろう、と北条は小首を傾げる。
黒い霧っぽいモヤが、広場に広がって言っていた。
さっきまで、あんなものは無かった筈。
「一塊になって動くな!!!」
相澤先生が、そう叫んだ。
いつも誤字報告ありがとうございます。