Q.ひとは自分の同人誌が売られたい、という理由でヒーローになれるか答えよ 作:ピコッピコ
文章力上げようと頑張りました!!!!!
頑張った結果がこれだよ!!!!
驚愕を見せる歓声が会場を熱する。
入試試験の
1歩歩けば地面が揺れ、鉄の巨体はゆっくりと迫る。
何百回建ての高層ビルよりも高く、足が竦む威圧感を放ち、道を塞ぐ。
……そんな物が
──氷漬けかよ!!?
白みがかった氷漬けのロボは、歩みだした姿そのまま、グラリ、崩れた。
「1-A 轟!攻略と妨害を一度に!こいつァシヴィー!!ずりぃな1抜けだ!アレだな、もうなんか……ズリィな!!!」
「お、おい!誰か下敷きになったぞ!」
「死んだんじゃねぇか!?死ぬのかこの体育祭??!」
例の如く出遅れた北条。
多くの困惑の声。動揺に飲まれ、足を止めた参加者たちの横をすり抜けていく。
気づくのは、通り抜けた時の風だけで、北条は全く気づかれない。
横風に揺れた髪が頬を刺すのを、はて?と首を傾げた少年少女の姿は後ろ。北条は珍しく、地味に行動していた。
北条には作戦があった。
【ロボの頭上を飛び越える】
あんな大きなロボを飛び越える、だなんて目立つ所の話じゃない。それに、無駄な戦闘を避けるのは印象も良い。
ここで目立つよりも、そこで一気に目立つ方が効率的であり、莫大である。
北条は足に力を込め、一気に跳や─
「A組 爆豪!巨大ロボの頭上を行ったー!更に瀬呂と常闇も後を追う!」
──はああああああああ!!?
いま北条が飛んでも【爆豪勝己のマネ】という印象が着くことは免れない。
北条は2番目……それどころか4番目。
そんなこと、目立つことに命を懸けている北条には到底許容できることではない!!!
女の子は何時だってトクベツになりたいのだ!!!
「借りは必ず返すよ……!!」
涙を呑んで足の力を走る分のみに変えた。
タッタッタッ、と軽快に走る北条に三体ロボが近づく。
入試の時のロボと同じのようだ。
だが、量は格段と多く、他の参加者たちもロボと格闘しタイムロスしているようで……つまり、引き離せるチャンス。
北条はロボに突っ込む程の速さで進み続ける。
──イチ、ニ、サンかな。
「ヒーローぶっこ」
「イチ。」
バレリーナのような健脚がロボの頭を殴る。
握れば折れそうな細い脚からは想像出来ない、重い一撃を食らったロボAは、アッサリと頭が六つに別れた。
「ニ。」
ストン、と脚が地面に着地した瞬間。
右足のつま先からを支柱し、コンパスのようにグルリ、と回った。
もちろん、勢いなど……いう必要も無かろう。
ロボAの左上に居たロボBは、頭部の…人間で言うところの、眼球と鼻を抉った。
活動が終わった2体。だが、もう一体。
「サン。ショット。」
北条に向かって来ていたロボC。
北条の手から放たれた光球はロボの腹部に当たると、消えた。
消えた刹那。
ロボCの体は痙攣すると、バタリ倒れた。
ため息の漏れそうな程洗練され、芸術とすら感じさせる滑らかで、常識的に考えて有り得ない動き。
だが出来る。
それが
──聞こえる……私に注目する人達の声が!!!
腰辺りに疼く興奮と、胸に込み上げる高揚感だけで喉が乾く。
──見てろよ轟君!私に宣戦布告しなかったの後悔させてやるんだから!!そして惚れろ!!
スピードは全く落とさず、それ所か早めてロボを潰して行く北条。
その度に衝動的渇望が疼く。うち太ももに溜まる興奮に、北条は務めて冷静沈着であり、優しげな風貌を装い進んでいった。
「お次は第二関門!落ちればアウト!それが嫌なら這いずり周りな!!ザ・フォーール!!」
底見えぬ大穴、中間地点としてなのか岩の柱が所々に設けられ、そのまでの道のりは綱渡り。
──これは……大チャンス!!
北条は足に力を込め、穴に落ちる1歩手前で跳躍した。
その跳躍は一気に高度と距離を上げ、穴の4分の1まで翔び、高さはビル10階に相当する。
見事な弧を描き回転すると、一番近くのカメラに向かって決めポーズ。
一番いい笑顔で、可愛らしさを全開した後は落ちるのみ。
舞踏会の作法が如き着地をした北条は、そのまま走り出す。
現在の順位 12位
このまま北条はキープできるのか……
会場のモニターで見ているであろう、ポフレと大介に良い所は見せられるのか………
「地雷は無理だよ!!!!!!」
北条の叫びは地雷の爆音に掻き消された。
これからも勘違いはヒートアップしていく予定です。