Q.ひとは自分の同人誌が売られたい、という理由でヒーローになれるか答えよ 作:ピコッピコ
タグにオリ主変態って、入れるべきか悩んでます。
とある昼下がり。
チヨチヨ、小鳥のさえずりが、暖かな日と共にカーテンを揺らす。
机の椅子に座り、本を瀟洒に読む北条の足元に、日光が覆い被さっている。
題名は【幸せな恋愛をする方法】という、過去累計70万部を売り上げたベストセラーの…所謂自己啓発本だ。北条のバイブルでもある。
そんな優雅な昼下がり。
カタン、と部屋の扉が開いた。
「なぎさちゃーん、紅茶入れたの。がんばったよー!」
フヨフヨ浮きながら、入ってきたのは、ちょっと大きなぬいぐるみのような、ファンシーな生き物。ピンクっぽい色で、大きな耳。
少し舌足らずで、間延びした、子供よりも高く、それでいて幼稚さを感じさせる声。
器用にも、その小さな腕でトレイを持ってきた。
お盆には湯気たったティーカップと、小皿に四角い砂糖が盛られていた。
この小さな生物は、北条の実の父親の個性である。名前はポフレ。
「美味しそう!入れてくれたんだ!」
「ふふ、凄いでしょ!頑張ったんだよー!」
「……美味しい!すっごい美味しいよこれ!」
「やったー!!これで、おべんきょ、もーーっと頑張れるねっ!」
なんだかマスコットキャラみたいな愛くるしい見た目とは裏腹、実は元サイドキックの父とタッグを組んでヒーローをしていた。
ぶっちゃけ俺より強い、とは父の談。
「あ、そういえばねー、なぎさちゃんにお手紙きてたよ〜」
はいどーぞ〜、と渡されたのは白い封筒。赤い蝋で封されて、なんだか舞踏会からの招待状のような、特別感を醸し出していた。
「雄英から……か。」
溜息を漏らした。
洗練された動き、加減された吐く息の量、揺れる瞳。まるで妖狐が誰かを誑し込む策を練っているかのような、危なげな香りする。完璧に計算され尽くした所作であった。
マから始まりラで終わるモノを疼かせる為、何年も研究を重ねた北条が、辿り着いた技の一つだ。なにやってんだよ。
「わぁ!じゃあ合格通知だね〜。ポフレ、大介とリビングで待ってる〜!」
だが、目の前の
気を効かせたポフレが、部屋から出ていくと、北条はゆっくりと封を切った。
中には案内通知と、押した爆発します、と言われても疑わない赤いスイッチ。
北条は何の躊躇無くボタンを押した。
「私が投影されたァ!」
「ほあ!?」
筋骨隆々を地で行く、剛勇な肉体が。
大昔に流行ったとされている、アメコミに登場しそうな大男が投影される。
「初めまして北条 なぎさ君!私はオールマイトだ!」
唖然とオールマイトを見上げた。
なぜ、雄英からの通知にオールマイトが映っているのだろうか。
「なぜ私が雄英の合格通知に投影されたのか、って?HAHA!!それは私が、この春から雄英に教師として勤めるからさ!」
ガンッと衝撃を受けた。
まさか、あの、あの平和の象徴が、まさか教師になるだなんて!!考えもしなかった!!!!
突然の登場に唖然とする北条を置いて、オールマイトは話を進める。
「さぁ!早速君の合否を発表しよう!」
ゴクリ、唾を飲み込む音が。
バライティなどでお約束のドラムロール、マジシャンが声援と共に受けるような、ライトアップがオールマイトに向けられた。
まるで、これからショーでも始まるかのような雰囲気のオールマイトを、北条は食い入るように見つめる。
「おめでとう!合格だ!!」
無言でガッツポーズをした。
いや、無言ではない。
ただ、出してる声が
「セイ”ッ!!しゃおらッセイ!!」
という、鳴き声みたいな物だったので……まぁ、実質無言だ。
「筆記は問題無く!実技試験は65ポイント!気がついていただろうが、先の実技入試!受験生に与えられるポイントは仮想敵ポイントだけに非ず!審査制の救助活動ポイントも存在していた!」
──え?そうなん?
「北条 なぎさ君、仮想敵ポイント45ポイント、救助活動点20点!!あのリボンに付いては不確かだと審議されたが……多数決により、ポイントとして加算された!文句無しの合格だよ。」
リボン、というのは試験終了後に届けた、あのリボンのことだろう。
やはりは最高峰のヒーロー育成学校か。
試験終了後は見せかけ、続いていたのだろう。
気を緩めず、ヒーローを志す精神よ強くあれ
ということか。人知れず北条は戦慄した。
──終わった後でも気を緩めるな、吟味はまだ続いているぞ……ってことか。…全く恐ろしい限りだわ。
「改めておめでとう、北条少女!雄英で待っているぞ!」
投影された映像が消えた。
北条は、扉を蹴破らんと勢いで部屋を飛び出し、ポフレに抱きついた。
近くで茶を啜ってた父は寂しそうであった。
ポフレは北条が合格したことに、いたく喜び、2人?で喜びを分かち合った。
混ぜてもらえぬ父は、いじけていた。
もちろん、北条は父の存在を忘れてはいない。
ただ、余りの喜びに失念していただけだ。
北条は抱きついた。約5年ぶりだった。
それに父は異常に喜び、北条を脇に手を入れて持ち上げる、赤ちゃんキャッキャ抱っこをした。
翌日、父親は腰痛で病院に駆け込んだ。
北条 なぎさ、15歳。
彼女が最ッ高のヒーローになる物語の幕が、今上がった!!!!
北条 大介
有名ヒーローの元サイドキック。
ポフレ
父親の個性。強い。
紅茶を入れるのを頑張った。MVP。
母親
大介とポフレの浮気を疑って離婚した。
どうして。
大介<アッカーーン