Q.ひとは自分の同人誌が売られたい、という理由でヒーローになれるか答えよ 作:ピコッピコ
「わーたーしーが!!!………普通にドアから来た!!!」
豪勇な肉体の、大昔に流行っていたとされるアメコミという漫画に出てきそうな大男。
オールマイトが、普通にドアから入ってきた。
「オールマイトだ!すげぇや、本当に先生やってんだな……!!」
「
「画風違いすぎて鳥肌が立ってきた……」
──本当にやってるんだ…教師…
北条は珍しく、純粋な方で興奮していた。
北条もヒーローを目指す卵の端くれ、現No.1ヒーローであるオールマイトは、勿論憧れであった。
故に、キラキラと輝く瞳でオールマイトを見つめる。常にこうであって欲しい。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う科目だ!早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!!」
──ヒーロー基礎学……燃えてきた。
やめろ燃えるな、冷めろ。
北条は、よっぽど心理学等に精通した者でも気づくことすら出来ないような程、僅かに恍惚の表情を浮かべた。純粋は続かなかった。
「そして、ソイツに伴って…こちら!入学前に送ってもらった【個性届】と【要望】に沿って誂えた………戦闘服!!」
「うおおおおおおおお!!」
北条含めクラスメイトは、大いに盛り上がる。
何せ、コスチュームだ。
ヒーローにとって、無くてはならぬ物。
それはヒーローのコスチューム!!
あのヒーロー誰だっけ?と名前は忘れても…コスチュームは忘れない!!
そのヒーローを象徴とするのが、ヒーローが身につけてるコスチューム。
ここに居るのはヒーローを目指す卵たち、そんな子達が盛り上がるのは仕方の無いことだ。
「着替えたら順次、グラウンド・βに集まるんだ!」
「はーーい!!」
「格好から入るってのも重要な事だぜ、少年少女!自覚するのだ!今日から自分は─ヒーローなんだと!!」
北条は、女子更衣室にて着替えていた。
「お茶子ちゃんのコスチューム…めっちゃ可愛いね。」
「え!ほんま?ありがとう!なぎさちゃんのコスチュームも…シンプルで可愛ええよ!」
「ふふ、ありがとう。」
ピチッ、とした白と黒のスーツ。
彼女の個性を意識してるのか、宇宙服っぽさを少々感じられる。
北条は純粋に可愛いと思った。あと、体のラインが多く出る所が良いと思った。ふとももとか特に。
──みんな、すっごい可愛いし、凝ってる。
サイケデリック、ロック、キュート。
それぞれの個性に合った、特徴的であり可愛らしい、他に類を見ぬ、
対する北条。
北条は、別にコスチュームに拘りは無かった。
なにせ、個性が個性。
個性自体がコスチュームみたいな物な為、特にコスチュームに数寄を凝らす必要は感じられなかったのだ。
黄色のニットワンピースと、黒いくるぶしより上ほどの長さなズボン。
ニットには沢山の同系色のリボンがあしらわれている。
いや、割とこだわってるだろ。
そう思われるだろうが、いや、こだわって無いのだ。……北条は。
当初はもっと地味だった。全体的に暗く、一目見ても印象には残らないようなデザインであった。
それに小鼻を膨らませたのは、ポフレである。
地味なコスチュームは、自分の娘のように思っている、親バカ気質なポフレにとっては我慢ならない物。
せめて、もっと可愛く!とポフレは口を極めて説得をした。極めすぎて最早洗脳に近かった。
よって、出来上がったのが此方になります。
目立つ訳でも、目立たない訳でもなく、普通にとても可愛いコスチュームが出来上がった。
「なぎさちゃん、早く行かないと遅れちゃうよ!」
「えっ、あ、ホントだ!ごめん、今行く!」