光の巨人になりたかったのに、なっていたのは……   作:特撮SS

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この度初めて投稿させていただきます特撮SSです
初投稿につき誤字脱字などが目立つかもしれませんが生暖かい目で見ていただくと有り難いです

ものすごいやっつけ作品なので国語力などは期待しないでください


転生

 人は死んだら何処に行くのだろう。生前何かのテレビ番組を見たときふとそんなことを考えたことがある。

 

 

 何故"生前"なんて言うのか、それは自分が死んでしまったからだ。

嫌な事に死んだ瞬間の記憶もバッチリ残っている

 

 

 自分の死因は交通事故だ。原因は居眠り運転。

誰かを庇ったとか誰かを救ったとかではない。ただ自分が事故を起こし自分が死んだだけだ。

誰かを巻き込んだかも知れないが、それを知ることもなく自分の意識は無くなった。

ぼんやりとだが、自分の胸に何か大きな破片?のようなものが刺さっていたのはうっすらと覚えている。

 

 

 ここで疑問が出てくる。

ならば何故俺はこんな事を呑気に考えられるほど五体満足でいるのか。胸元の傷もないし、それどころか今いる場所は先程まで座っていた車の運転席ではない。

 

 

 周りを見渡せば何もない真っ白な空間が広がっている。どこまでが上でどこまでが下なのかわからなくなるくらい真っ白だ。

そんな空間でポツリとある黒い椅子に自分は座っている。

 

 

 周りを見渡すのをやめ、ふと視線を前に向けると一人の女性が真っ白な椅子に座っていた。床まで伸びた長い銀髪に白いドレスを着た美しい女性だ

今の今までいなかったのに気付いた時にはソコにいた。

 

 

 『こんにちは。』

 

 

 こちらが気付き驚くよりも早く目の前の女性はニコリと微笑み声を出した。

よく透き通った優しくもしっかりとした声だ。

反射的に頭を下げて挨拶を返す。驚きはしたが挨拶は返す挨拶は大事ですから。

 

 

 『貴方は先程事故を引き起こし亡くなられました。』

 

 

 目の前の彼女はそう続けた。

やっぱり自分は死んだのか。あまり動揺することもなく、ならば何故俺はここにいるのか。

そう彼女に聞いてみた。

すると彼女は少し表情を暗くしてゆっくりと話し始めた。

 

 

 『貴方の事故によって多数の命が亡くなりました。驚くほど多くは有りませんが、決して少なくはないほどの……』

 

 その話を聞いて自分は愕然とした。

仕事で疲れていたとはいえ、自分の不注意で沢山の人々が命を落としたのだ。自分は沢山の人達の未来を奪ったのだ。

頭を抱え俯く。きっとその人達は自分を恨んでいるだろう。いきなり理不尽に命を奪われたのだから当然だ。

ならば当然自分は地獄行きであろう。そう彼女に呟いた。

 

 

 『確かに、あれだけの事ですし、貴方の魂は地獄に行くでしょう……ですが……』

 

 

 その言葉を聞きふと顔を上げる。すると彼女が自分の前で膝を着きそっと自分の手に触れた。

今まで女性に触れられたことが無かったので、暖かく柔らかい彼女の手に少しドキッとする。

 

 

 『ですが、もしも償いの機会を与えられるのだとしたら、貴方は……どうしますか?』

 

 

 "償い"。

 その言葉を聞いた瞬間に、様々な事が頭に浮かんだ。だがまず先程から思っていた疑問を彼女に聞いた。

 貴女は誰なのか、と。

 

 

 『私は貴方方の世界で言うならば、女神……でしょうか?』

 

 

 彼女は微笑みながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 女神と名乗った彼女の話しによると、俺は今までの人生でとくにこれといった悪行をせず、真面目に生きてきたので転生の機会が与えられたのだそうだ。

 しかし、元々俺が居た世界ではなく、別の世界に転生するらしい。

 ちなみに俺のせいでなく亡くなってしまった人達は全員再び生を与えられ、第二の人生を歩むとの事だ。

 それを聞いて少し胸が軽くなった。俺が言えた事ではないが、その人達第二の人生に幸せがあるようにと心の中で願った。

 

 

 何故俺は他の世界なのか、それを聞いてみたら自分が犯した罪を清算するために、特殊な力を与えてその世界の人間達の生死を調整してほしいとの事だ。

 女神様曰く、俺が送られる世界は出生率よりも死亡率の方が高いらしい。

災害や障害事件や紛争などといったものが上げられるが、その中でもとりわけ"特異な物"による死亡が多いらしい。

有り体に言ってしまえば、俺が今から行く世界には人を脅かす"怪物"や脅威が存在して、力を与えるからそれを使って様々な脅威から人々を守れ、と言うことだ。

 

 

 そこから話はトントン拍子に進んだ。元々俺がヒーローに憧れていたと言うこともあり、それで償いになるのであるならと、その役割を引き受けた。

 女神様も不安だったのか、引き受けると言った瞬間に少し顔が明るくなった気がする。すると彼女が俺に言った。

 

 

 『では、貴方の望む力は何ですか?』

 

 

 与えられる力は転生者の希望する力が与えられるらしいので、俺は迷うこと無く彼女に言った。

もしも"ヒーロー"になれるのなら俺はずっと"あの人"になりたいと心の中でずっと思っていた。だから、迷うこと無く決断できた。

 

 

 

 俺を、"ウルトラマンティガ"にしてほしいと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『困りましたね。』

 

 

 彼を待たせて、真っ白な空間を右往左往しながら女神は一言呟いた。

 

 

 『どうしたんですか?お姉様?』

 

 

 その様子が気になったのか、テレビを見ていた彼女の妹が聞いてきた。

ちなみにテレビの周りには、何処から送られてきたのかインターネット通販のロゴの入った段ボールが置いてある。

 真っ白な空間にあるテレビと段ボールが妙に異質な物に女神は見えた。

 

 

 『実は、今回の転生者さんが"ウルトラマンティガ"になりたいと願ったのですが、私外界のそう言った物には疎くて………』

 

 

 『あ~~お姉様見ないですもんね、ウルトラマン。』

 

 

 『そう言えば貴女はそう言うの好きだったわよね?』

 

 

 『はい、ちょうどBlu-rayboxが届いたので今見てるところですよ。』

 

 

 『本当!?』

 

 

 驚いた女神が妹の見ているテレビを覗く。

彼女が覗いた時、ちょうど戦闘シーンの直前くらいで、画面の中央にいた男が変身しようとしているらしい。

 

 地面から伸びる炎に包まれて現れたその姿を見て女神は理解した。

 

 

 『そうか!"コレ"がティガなのね!』

 

 

 『え?お姉様これは違ーーーー』

 

 

 『彼に伝えて来なければ!』

 

 

 テレビの続きを見ること無く、妹の言葉を聞くことも無く女神は転生者の待つ空間へと向かっていってしまった。

 画面では"光の巨人"と"先程現れた巨人"が向き合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女が戻ってきた。

何やら転生に際しての細かい調整をしていたとの事。神様でもそう言った事務的な事があるんだなぁ。

 彼女は再び目の前の椅子に腰掛け、俺と向かい合う。

 

 

 『ではこれより、貴方の魂を新しい身体に移し転生させます。』

 

 

 いよいよか。自分で望んだとはいえ少し緊張する。

憧れとは言え、これから俺は人々の平和を守る光の巨人、ウルトラマンティガになるのだ。緊張しない訳がない。

 

 

 『貴方の望む力、ウルトラマンティガの力を授けましょう。でも、本当にこの力でいいんですか?』

 

 

 勿論です。子供の頃からの憧れのヒーローだったんですから。そう彼女にハッキリと言った。

 

 

 『………外界のヒーローとは随分と変わった姿をしているのですねぇ。』

 

 

 彼女が何かを呟いたがよく聞こえなかった。

 すると、俺の足元が輝き始めた。それと同時に自分の体が宙に浮きだした。

 彼女が宙に浮く俺を見上げ、手を伸ばす。

 

 

 『どうか、貴方の道行きに幸がありますように………』

 

 

 

 

 

 

 

 そのまま俺の意識は光に飲まれて消えていった………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 眩い光が無くなり、ゆっくりと目を開けると目の前には青空が広がっていた。

 雲一つない晴天だ。どうやら無事に転生出来たらしい。

しかし、どこか身体に違和感を感じる。なんだか体がふわふわしているような………

 仰向けの体制でいるはずなのに、背中に感触を感じない。

 ふと視線を後ろに向ける。

 

 

 眼下に町があった。見間違いかと思ったが、確かに町だ。

自分の体はどうやら宙に浮いてるらしい。そこまでならまだいい。問題はふと下に伸ばした自身の腕だ。

 

 ぼんやりとした輪郭、半透明な体、なんか見た事のある腕の形。

 

 

 まさか……そんなまさか!

 

 

 慌てて体に触れる。しかし触れた感触を感じない。

 もし他人が俺の顔色を見ることが出来たのなら恐らく俺の顔面は真っ青になっているだろう。

今までの特徴全てに思い当たる節がある。考えたくはないが………

 

 

 

 

 

 

 俺は、"炎魔人キリエル人"になっているようだ………

 

 




これでいいのかな?
果たしてちゃんと出来ているのかひたすら不安だ………

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