IS 革新の為に   作:伝書鳩

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前回のあらすじ?
 リボンズ「僕が一番上手くガンダムを扱えるんだ!!」
 家事もマイスターとしての嗜み
 名前が出たよ! やったね一夏君!!


第4話 モンド・グロッソ開幕

『特報!! 第2回モンド・グロッソに謎のISが緊急参戦!?』

 

 この情報が流れてから連日、各種報道機関はこの事を取り上げ、解説という名の好き勝手な憶測を垂れ流している。この件についての真相は各国のトップ陣営にも知らされておらず、国際IS委員会の極一部のみがそのISの正体を知っているのが実情である。このニュースについてだが、世界に流れた情報は余りにも少ない。

 

 

 

――このISは【ソレスタル・ビーイング】という組織に所属している

――このISは委員会の課した特例での参戦条件を達成

――このISの大会登録ネームは『ガンダム』

――ガンダムの搭乗者については正体不明

 

 

 

 この情報は様々な人物に影響を与えた。ある者はガンダムがどれ程の性能を秘めているのか純粋な興味を示し、ある者はガンダムを入手することは出来ないか思案した。ある者は――――

 

(このガンダムというISのコア……やっぱり私が作ったコアじゃない。他人の思惑に乗るのは束さんの趣味じゃないんだけどな~)

 

――――罠があるとわかっている道を敢えて進む。

 

 

 

 

 

「刹那、準備はどう?」

「アニューか。ガンダムの調整は済んでいる、俺自身もコンディションに不備はない」

「リボンズも無茶させるわよね~。ISの世界大会にガンダムを放り込むんだもん」

「ガンダムの性能は確かだが油断はしないことだ、刹那・F・セイエイ。現地では自分以外は敵だと思っておけ」

「わかっているさ、ブリング。……他のみんなは?」

「リヴァイヴとデヴァインはサポート要員として現地でトラブルが起きた場合に備えて予め待機させているよ。リジェネも現地に行ってるけど、彼からのサポートは期待しない方がいいかな」

「……リボンズ・アルマーク」

「恐らくガンダムのデータを少しでも集めたいのだろうね。キミはトーナメント表の一番戦う回数が多い所に配置されたよ。しかもブリュンヒルデには決勝まで当たらないように逆グループにするという徹底ぶりだ。期待されているね」

「期待の有無は関係ない。ガンダムを世界に知らしめるだけだ。――――世界を変えるために」

 

 立ち上がった刹那を光が包み込む。

 

「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ――出る!」

 

 緑色の粒子を放出しながらエクシアは発進する。

 

「さて、僕らも準備を進めようか」

「ヴェーダの予測では8割以上の確率で起きますからね」

「いい機会だと思えばいいさ。ソレスタル・ビーイングという存在を示すね」

「ま、結局はあの子次第になるんだけどね~」

「違いない」

 

 

 

 多種多様な思惑が折り重なりながら、第2回モンド・グロッソは開催式を迎える。開会式はスムーズに行われ、プログラムを終えていく。そして……

 

「会場にいる皆様! この中継を御覧の皆様! お待たせしました!! 世界一のIS搭乗者を決めるこの大会に突如参加を認められた謎のIS――――その名はガンダム! 謎というベールに包まれていたその姿がまさに今、世界に晒されるのです! 皆様ご注目下さい!!」

 

 スタジアムに併設された画面には、あるIS搭乗者の視界が映されている。快晴の青空の中に現れた異常をISのハイパーセンサーが察知し、拡大する。

 

「大気圏を突入してくるだと!?」

 

 誰かが叫んだ。これはガンダムを所有するソレスタル・ビーイングという組織は宇宙での活動が可能だということを示唆している。

 

「あれが、ガンダム……」

 

 警備のISに誘導され、ガンダムはスタジアムの中央に着陸する。

 

「本当にISなのか!?」

 

 青と白が基調のスマートな全身装甲、確認できる武器は右腕に装備された大型のソードだけだ。多くのISが装備している大型スラスターやシールド等の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)は存在せず、一際目を引くのは機体背部で緑色の粒子を放出する特徴的なコーン型の部位である。世界に知られているどのISにも当てはまらない異質の形状をしているソレは、会場いや世界中から注目を集めながら威風堂々と己の存在を主張している。

 

 

 

 スタジアム内のある一人がガンダムの頭部の一部が光を点滅させていることに注目する。それはISが用いるには珍しい、光による通信だ。内容は――――

 

「……光通信か? えっと内容はっと、が・ん・だ・む・え・く・し・あ? あのガンダムの名前は……エクシア! ガンダムエクシアか!!」

「キミ、それは本当かね!?」

「直ぐに本社へ知らせろ! ガンダムの情報は少ない、いち早く速報を組め!!」

 

 その場所が中心となり、その通信の内容は瞬く間に広がる。ガンダムエクシア、その名は世界に初めて姿を見せたガンダムとして多くの人間に記憶される。そして世界中の人々が注目する視線の先で、ガンダムのモンド・グロッソ初戦が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

「ガンダムだかソレスタルなんたらだか知らないけど、人を前座扱いしないで欲しいものね」

 

 そう言うのは刹那の初戦の対戦相手、カナダ代表の選手だ。

 

「…………」

「見たところソードを装備している近接型みたいだけどさ、残念ながら私を始め多くの出場選手がブリュンヒルデ対策で嫌というほど近接戦対策を積んでいるのよ?」

「この機体の名はガンダムエクシア――――」

「何よ、いきなり喋って。それにその名前はとっくに知っているし……」

「――――開発コンセプトは『セブンソード』」

「え?」

 

 瞬間、エクシアは己の武器を呼び出す。機体各所に装備される剣に左腕の盾。

 

(剣が2本以上あるのは意味がわからないけど……)

 

 だがわかることもある。あれがガンダムの正式な戦闘スタイルを活かす姿なのだろう。先程から威圧感がひしひしと伝わってくる。

 

「さっきはああ言ったけど、私は前大会で入賞すらしていないのよ? そんな相手なのに情報を晒しながら戦うとかバカなの? 正気?」

「こちらは至って真面目だ。ガンダムに敗北は許されない、それだけだ。試合開始の合図を」

 

 刹那は言いたいことは告げたと言わんばかりに、試合開始を要求する。それを聞いてか、審判が宣言を告げる。

 

「試合開始!」

 

 開始直後の2機の動きは対極だった。エクシアを外見通り近距離戦重視の機体と判断したカナダ代表のISは距離を取る為に大きく移動したが、エクシアは微動だにしていない。

 

「動かないんなら蜂の巣にしてあげるわ!」

 

 両手に構えた銃から放たれた銃弾がエクシアを襲い、ついでと言わんばかりにグレネードが投げ込まれた。全銃弾がエクシアの身体に直撃し、続いてグレネードによる爆風が着弾点を中心に巻き起こる。爆風に煽られてエクシアを中心に煙が立った。それからしばらくすると煙が晴れ、その場にエクシアの姿が再び現れるが……

 

「む、無傷!? シールドエネルギーの減少がほとんど無いってどういうことよ!!」

 

 驚愕する相手を余所にエクシアは右腕のGNソードを展開、その切っ先を目の前の敵に向ける。

 

「エクシア、目標を駆逐する」

 

 宣言と同時にエクシアが動く。相手も両手に持つ銃で迎え撃つが――――

 

「何よその運動性は!」

 

 盾を構えて上下左右に機体を動かしながら接近するエクシアに銃弾が当たっている様子は無い。ISはそのままでも既存の兵器を凌駕するスペックを有している。だが、GNドライブ搭載機はISの各種特徴をそのままに更に上の性能を発揮することが可能だ。――――状況によってはその限りでは無いが……。

 

「これが!」

 

 一閃。エクシアは右腕の一振りで相手が両手に持つ銃を破壊する。

 

「くっ……!」

 

 体勢を立て直すために離れようとする相手にエクシアが追撃をかける。

 

「ソレスタル・ビーイングの……」

 

 左腕のGNシールドを収納し2本のGNビームダガーを投擲する。その狙いは非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)だ。狙い通りに投擲したダガーが突き刺さり、数瞬後に爆発する。

 

「きゃあ!」

 

 衝撃による悲鳴を耳にしながらもエクシアは止まらない。機体を相手よりも上の位置へと急上昇させ、GNソードを振り上げる。GNドライブから放出される粒子を尾に引きながらエクシアは急降下し、勢いをそのままに振り下ろされたGNソードによって相手は地面へと叩きつけられる。

 

「ガンダムだ!!」

 

 静寂の中、試合終了を告げるブザーがスタジアムに鳴り響く。エクシアは展開していた各種武装を収納し、指定された待機室へと移動する。――――32秒、それは余りにも短いガンダムのデビュー戦の戦闘時間だった。

 

 ガンダムが世界に与えた影響は大きく、それを受け止める者によって解釈は当然異なる。

 

「ねえねえ、ちーちゃんはアレをどう思う?」

「機体のポテンシャルの高さは認める。だが、動きが素直すぎるな。あのままでは2回戦以降では対策されるだろう」

「じゃあちーちゃんはガンダムが決勝でちーちゃんと戦う前に負けると思ってるの?」

「束の見解は違うのか?」

「ふふん。束さんの考えではアレの底はもっと深いと見たね! でなきゃこんな世界にケンカを売るような真似はしないでしょ~」

「お前の様に、か?」

「んふふふ~。ソレスタル・ビーイング、正気で狂気を本気で実行するなんて彼らもバカだよね『あいつら未来に生きてやがる……!』ってやつ? あれ、ちょっと違うかな?」

「……ふざけているのなら私は行くぞ」

「ああ! 待ってよちーちゃん、まだ話は本題に入ってないよ~」

「ならさっさと言え」

「私はこの誘いに乗ろうと思ってる」

「本気で言っているのか?」

「だってその方がおもしろそうだし」

「どうせ私が止めてもお前は止まらないんだろう。なら勝手にしろ」

「うん。じゃあね、ちーちゃん」

 

 自分の行く道を決める者。

 

「俺が知らない『ガンダム』が出てくるなんてこの世界はどうなってやがるんだ! クソ、このままじゃ……」

「何をブツブツ言ってるんだよ、秋二。それよりもかっこよかったな、あのガンダムエクシアってやつ。身体中に剣を装備するとかマジで男のロマンだよな」

「……IS搭乗者は女だろうが」

「なら開発者にロマンを理解している男がいるんだろ」

「それはそうとして、そろそろ姉さんの出番だな」

「ガンダムは強いだろうけど、千冬姉に優勝して欲しいよな。秋二もそう思うだろ?」

「それは当然思ってるさ。だけど実際はどんなトラブルが起きるかわからないからな。お前も気を付けろよ、一夏」

「俺の方が兄貴なのに……」

「双子だからどっちが兄でも大差無いだろうに……」

 

 未来が変わり始めることを知り、不安を感じる者。他にも大小正負の様々な感情や思惑をガンダムは、ソレスタル・ビーイングは招いた。

 

 この日世界は静かに、だが確実に歩み始めた。――――――変革へ至る道を。

 




ちょっと端折り気味かな~とは思いましたが、モンド・グロッソ開催まで飛ばしちゃいました。
戦闘描写は難しいですね、私としては決勝戦までダイジェストでキンクリしたい誘惑がががg
先の話の構想が浮かんで書きたいことがどんどん増えてしまう……

追記:一部修正しました。
   感想で指摘頂いた部分などを修正しました。

・カナダ代表:すまぬ、すまぬ……!
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