「ソラ…、そこにいたのか」
少年は後ろから迫るハートレスを一瞥すると両手に白と黒、二本のキーブレードを構えた。
※今回の推奨BGM「逆光のフリューゲル」
あれは、あのハートレスは…!?
突如、宙に頭痛が走る。
俺は、アイツと戦ったことがある?どこでだ?思い出せない…。けど、だいたいの倒し方は頭に入ってきた。問題は、
(あの時と違って、今回は実質2人だもんなぁ…。今回のあれはノイズが混じったから翼さんの刀も通用するはず…。なら!)
「翼さん、あなたは胴体に攻撃を集中してください!俺が四肢を引き付けます!」
「分かりました!」
そう言うと翼は天羽々斬のアームドギアを大剣に変えて巨大ハートレス・ガードアーマーの胴体部分に斬撃を放つ。
「蒼ノ一閃!!」
だが、はいそうですかと敵が受けてくれるわけでなく、空中に浮いている手足で斬撃を受け止めようとする。だから、気がつくことが出来なかった。
「今だ!LAST∞METEOR!!」
宙の槍から発せられるエアロを上回るような強大な暴風に、その上に蒼ノ一閃の斬撃を食らい、右手と左足が消え去ったことに。
「このまま一気に…!?」
ここで宙に異変が生じた。宙の口元から赤い何かが吐き出された。それと同時に宙の姿は元に戻り、槍もただのキーブレードと化していた。しかも、さっきの二刀流の力よりも反動が大きいようだ。
「まだ、やれる…。ケアル!」
何とか身体を回復させるも、戦える状態かは怪しい状態であった。
「宙!」
奏が悲痛な叫びをあげる。これで形勢は一気に不利になった。自分の後ろには、守るべき人がいる。彼女は、まだ生きたいと足掻いてると言うのにどうすれば…!
「クポー!何でガードアーマーがいるクポ!?て言うか、ソラが危険クポ!?」
空から何かが飛んできた。白いぬいぐるみのような何かが。
「ガードアーマーにはちょっと近づきたくないクポ…。お姉さん、これをソラに渡して欲しいクポ!」
「これは?」
「ソラに頼まれてたエリクサーとハイポーションのセットクポ!これさえあれば、どんな怪我でもたちまち回復するクポ!」
渡されたのは虹色に輝く液体が入った小瓶が1つと緑色の光を放つ液体が入った小瓶が5個ほど入ってる袋だった。
「じゃあ頼むクポー」
よく分からない何かはその袋を奏に手渡すと、その場から逃げるように飛び去った。
どんな怪我でもたちまち回復する…?
虹色の小瓶に目をやる。一か八か、そこに可能性があるのなら!奏はエリクサーの瓶を空けて、中身を少女に飲ませる。すると、少女の傷は胸のフォルテ型の傷を除いてほぼ完治した。その証拠に、安心したように彼女は眠りに落ちていた。後はハイポーションを宙に届けるだけだがどうする?私にシンフォギアの力はもう使えない。でも、私がこれを届けなきゃ!そして、
「奏!避けてぇぇぇぇ!!」
ガードアーマーと呼ばれた化け物の左腕が私に迫る。確かに、今の私にガングニールを使う余力はない。だけど、それでも!
「私は、運命に屈しはしない!」
瞬間、彼女の脳裏に一人の男性の姿が過ぎる。黒髪を少し伸ばしたような髪型で、胸と背中に獅子を模したアクセサリを身につけ、銃と剣が合わさったような武器を引っさげた男性の姿が。
ガキィン!!
奏が、ガードアーマーの左腕を弾き飛ばしていた。そして、翼は目を疑った。
宙が持っていた鍵のような剣を奏が持っていた事に。さらに、彼女の身体の傷が癒えていた事に。
「ぼさっとすんなよ、翼!これを宙に飲ませろ!私が少しだけ時間を稼ぐから!」
「奏?これは…」
「細かいことは後で話す!エナジードリンクみたいなもんだと思っておいたらそれでいい!一応、お前も飲んでおけ!」
「わ、分かった!」
多少無理矢理感が否めなかったが、緑色の液体の小瓶の中身を宙に飲ませ、自分もそれを(嫌々だったが)飲む。そこまで悪い味ではない。何だかグレープフルーツに似たような味の仄かな酸味が口の中に広がる。すると、自分の身体の傷が少しずつ塞がっていくのが感じられた。
飲ませて少しすると宙は立ち上がり、状況を整理した。すると、
「あれは、キーブレード!?奏さん、キーブレードに選ばれたの!?」
あれは紛れもないキーブレード、しかも、全体に獅子をあしらったかなり強い部類に入る
「お前ら、ぼさっとしてると私が全部倒しちまうぞ!」
よく見ると自分のキーブレードになにかオーラのようなものが見える。これは、あれと同じ力?だったら、
「翼さんと俺で残ってる手足を抑えます!奏さん、美味しいところを持っていってください!!」
「そんじゃ、行きますか!LEO∞IMPACT!!」
ガオォォォォォ!という獅子の咆哮が響き渡り、獅子のオーラがガードアーマーの本体を攻撃する。
「これで決める!ファイナルブレイク!!」
「これで終わりよ!天ノ逆鱗!!」
宙がジャンプしながらキーブレードを右足に叩きつけ、翼が壁のように巨大な剣を左腕目掛けて蹴りつけながら叩き斬った。四肢を失ったガードアーマーは最後の足掻きとしてグルグル回転し出すが、無駄な足掻きであった。
「
宙がキーブレードの切っ先から氷球を作り出し、それをぶつけてガードアーマーを凍らせる。そして、
「「これで終わりよ(だ)!!獅子王ノ双星(-REGULUS BURST-)!!」」
だが、本当の地獄はここからだと言うことを、宙と響は、知る由もなかった。
「おー、面白い事になってるねー。まさか、この世界でキーブレードに選ばれる者がいたとはねー!これだから、イレギュラーは面白いんだよ!今頃、フィーネも驚いてるだろうねー。まあ、どっちに転んでも、俺には関係ないし。鍵が導く心のままに…ってね」
ノイズとハートレスが合体したガードアーマーをソラ達が倒したのを見届けた黒いローブの男は不敵に笑うと闇の中に姿を消した。
今回奏が単独で使用した技はテイルズシリーズの獅子戦吼がモチーフです。