戦場を駆る歌姫と記憶を無くした鍵使い   作:ネヘモス

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「さて、お手並み拝見と行こうか。キーブレード使いさん」

銀髪の少女は遠くからアンノウンとノイズが暴れてるのを見ていた。

「どういうつもりだ?ノイズに一般人を襲わせるのは」

「ふん、これで世界が平和になれば安いもんだ。不満があるなら…」

力ずくで止めてみろと言わんばかりに赤いボウガンを声の主に向ける。だが、

「そうか。なら望み通りにしてやろう」

声の主は少女を助けた黒コートの少年だった。その証拠に、二振りの鍵が少女に向けられていた。

「だが、お前の企みは失敗する。ソラはそんなに弱くない」

少年は自信に満ちた声で呟いた。


熾天使(セラフ)と蒼き叡智と新たなる神槍

「さてと、奏さん!響の援護をお願いします!」

 

「わーってるよ!スタンインパクト!!」

 

響が困惑してる間に奏さんが飛行機から降ってきて剣のようなものを地面に叩きつける。衝撃波によってハートレスの数が少し減った。

 

「え?奏さんもキーブレード使えるの!?」

 

形こそ違うが、あれは紛れもなくキーブレード。刃先にライオンの装飾がある銀色の鍵は奏さんのイメージにピッタリだなーと思った。

 

「ああ、でも目覚めたのは去年だけどな!!」

 

そこまで来て思い出す。あの時、奏さんの鎧の欠片が自分の身体に入り込んだままになってることに。

 

「奏さん!これの使い方分かりますか!?」

 

「コイツら片付けてから教えてやる!今は、その女の子を頼むぜ!!」

 

ハートレスは倒せないんですが、と思った時に宙が言った一言を思い出す。あっちは翼さんと宙で、こっちには奏さんと私で敵の殲滅をすると言うことになる。本当に宙は何者なのか。

 

「あーもうウザってえ!!雷光よ(サンダラ)!!」

 

奏さんが鍵を掲げると、雷が周囲のハートレスを一掃した。しかも、威力が宙のそれと比べるとかなり大きいと思った。負けられない、負けてたまるか。私が、この小さな命を守るんだ!

 

※推奨BGM「撃槍・ガングニール」

 

頭に浮かんだ歌を歌い、眼前のノイズを片っ端から殴る。ある程度の雑魚を片付けたところで大型の人型ノイズが現れた。だが、

 

「吹っ飛べぇぇぇぇぇ!!我流・撃滅ノ槍!!」

 

右拳の装甲が開き、ブースターが現れてその勢いのままノイズを吹き飛ばした。奏はその姿を見て、

 

(なるほどねえ、あの娘のアームドギアは拳。つまり、身体そのものが1本の槍ってわけだ。こりゃあ、ダンナに任せた方がいいかな?)

 

キーブレードを振り払い、ハートレスを一掃しながらそんなことを考えていた。すると、ハートレスとノイズが翼と宙がいる方に集結しだした。

 

「やべぇ!お前!その子を安全なところに!そして、私らが戻るまで守っててくれ!!」

 

「よく分かりませんが、分かりました!」

 

奏と響は二手に分かれ行動を再開する。

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※推奨BGM「絶刀・天羽々斬(水樹奈々×入野自由デュエット)」

 

翼と宙は背中を合わせ、ノイズを片っ端から斬り捨てていく。

 

「食らいなさい!千ノ落涙!!」

 

翼はアームドギアの特性を活かしつつ、敵を殲滅し、

 

引き寄せろ(マグネ)!」

 

宙はキーブレードの力とアームドギアの力、魔法の力を駆使しながら敵を殲滅していく。

 

「それにしても、響がガングニールを纏うなんて想定外だよ」

 

「出来れば、1人の一般人として生きて欲しかった…!」

 

すると、ノイズとハートレスが集まり始め、ジャグリングをしてるような細長い大型ハートレスを形成した。

宙は惨劇の後、ポケットにあったメモ帳らしきものからハートレスの種類をあらかた調べた。先程までに戦っていたのはシャドウとソルジャーと呼ばれる下級のハートレス。そして、今目の前にいる大型ハートレスはトリックスターと呼ばれる名称で記録されていた。確か、弱点は雷。だから、

 

「奏さん!サンダー系の魔法を連発します!合わせてください!!」

 

「OK!任せろ!」

 

宙はシンフォニックフォーム・セイバーを一度解除する。キーブレードを元の「片翼の熾天使」に戻しつつ、奏と合わせて魔法を撃つ。

 

「「受けてみろ!ゼウスパーク!!」」

 

「食らうがいい!天ノ逆鱗!!」

 

奏と宙のコンビネーション攻撃、翼の超威力の攻撃にトリックスターが怯む。だが、腐っても大型のハートレス。なんと、炎をジャグリングの棒に着けてそれを使い攻撃してきた。

大振りなので躱せはしたが、このままでは足元の建物が燃え尽きかねない。何か手は無いものか。ゼウスパークは使うと宙の魔力を枯渇させる欠点があり、全快までしばらく魔法を撃てなくなる。ゼウスパーク並の火力じゃなくていい。少し弱めでいいから魔力に特化した力が欲しい!

 

『あなたはその力を知ってるはずよ?今回は私が力を貸してあげる』

 

脳裏に浮かぶ青い炎を纏った自分。服装も青で統一されており、キーブレードをくるくる回しながら斬撃ではなくエネルギー弾を打って攻撃する姿。一瞬何かの間違いかと思ったが、魔法を使った瞬間、その評価を改めた。

そう、普段の魔法とは比べ物にならない威力の魔法を使っていたのだ。そして、脳裏に響いた声の主は、青髪の自分より年上の女性。

 

「わかった。翼さん、奏さん。少し離れて」

 

「うん?どうした?」

 

「何か考えがあるのですね」

 

「ああ。巻き添えを食らうかもしれないから2人は下がって」

 

「わかった。気をつけろよ、宙」

 

「無茶はしないで下さい」

 

宙は2人の発言に小さく頷くと、キーブレードのキーホルダーを丸い円盤のようなものに付け替える。キーブレードは全体が丸っこく、青に塗装され、所々発光している姿に変わる。

 

「叡智よ!!」

 

そして、宙の服装が青い炎を模した服装に変わる。さらに、キーブレードをくるくると手のひらで回し、空中を少しだけ浮いてるような感じがする。なるほど、だいたい分かった。

トリックスターが火の棒を使って攻撃する。宙はそれをホバリングしながら回避し、

 

「サンダー」

 

3本の雷を一度に放つ。トリックスターが回避不可能なスピードで炎の攻撃を仕掛けるが、

 

「ブリザド」

 

高速でスライドしながら回避し、キーブレードの切っ先から放たれた5つの氷球がその炎をかき消す。さらに、キーブレードの切っ先をトリックスターの頭に向けてそこから弾幕を放つ。

そこから先はワンサイドゲームだった。トリックスターの攻撃は尽く躱され、キーブレードの弾幕、サンダー、ブリザドの応酬でトリックスターが倒れ伏せた。同時に、宙の衣装が元に戻り、

 

「奏さん!翼さん!一気に行きます!」

 

「「はい!(おう!)」」

 

翼が天高く飛び上がり、トリックスターの影に刀を差し込み、動きを封じる。

 

「影縫い…!今よ!宙、奏!」

 

「「トドメだ!サンダラ!!」」

 

息ぴったりのコンビネーションによる雷撃により、トリックスターは消滅し、大きなハートが天に上って行った。




レイディアントガーデンのパソコンルーム。テラはソラの繋がりを探して世界を回っていた。この日はアンセム、イエンツォらは出払っており、テラだけがその部屋にいた。

「ここもダメか…」

テラがパソコンを離れようとしたその時、急にパソコンから光が放たれテラを呑み込んだ。

そして、テラはレイディアントガーデンから痕跡を絶った。

当の本人は、目を開けると自分が知らない場所にいることに気がついた。すると、

「テラ、上だ!」

「っ!?」

急に聞こえた声が彼を助ける。だが、上から降ってきたのはハートレスやノーバディ、アンヴァースとも違う何かだった。闇の力を使うかと思ったら

「テラ!魔法を使え!」

「分かった!雷撃よ(サンダガ)!!」

サンダー系統の上級魔法で謎の敵を一掃したテラ。声の主を見ると、そこには黒コートの少年がいた。
幸いだったのは、その少年が知り合いだと気がついたことだろう。

白と黒の2本のキーブレードを扱うキーブレード使い。
ソラのノーバディとして生まれたロクサス。ロクサスはソラがいる世界に飛ばされてる。つまり、この世界にソラがいる。

「助かった、ロクサス。だが、今の敵は…」

「あれがノイズ。この世界の、キーブレードの攻撃が通じない敵だ。何でか魔法は効くみたいだが」

ロクサスがとりあえず自分の拠点に連れていくと言って闇の回廊を開く。テラは鎧を纏うと、2人はそこから姿を消した。
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