我が心と行動に一点の曇り無し!……多分!   作:☆桜椛★

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No.1 “無個性”

俺の名前は星宮(ほしみや) (じん)。今年で3年生になる大学生だ。趣味は漫画やアニメ、後は手品なんかをしている。

 

そんな俺はある日、大学からの帰り道の途中に突然落ちて来た巨大な看板に押し潰されて死んだ筈なのだが、気付けば真っ暗な空間にいる。

 

 

(………え?何で?)

 

 

いやホント意味分からん。なんだここ?まるで温かいゴム製の袋の様だけど、俺確実に死んだ筈だよな?だってメッチャ痛かったし、今だってあの時の衝撃がショック過ぎて一周回って冷静に今の状況を確認してるぐらいだからね?

 

 

(しかもなんか体が思うように動かないし……これってアレか?俗に言う“転生”とか“死後の世界”的なイダダダダダダダダダッ!!?)

 

 

なんか急に空間が更に狭くなって押し潰されそうになっていやちょっと待ってマジで痛い!何!?何なの!?メッチャ痛いんですけど!?しかも何か滅茶苦茶息苦しくなって来たんだけどどうなってんの!?

 

 

(イデデデデデいやマジで死ぬ!死んだ後すぐまた押し潰されて死ぬのは洒落になってねぇーから!)

 

 

そんな痛みがしばらく続くと、突然凄まじい光が辺りを満たした。非常に眩し過ぎて目を開けられなかったが、同時に息苦しさが消え、締め付けられる様な痛みは消えた。

 

 

オギャァァァァーーーッ!!(助かったぁぁぁぁぁぁ!!)

 

 

・・・・・オギャー?

 

 

 

 

 

 

はい、あの出来事から早くも4年が経過しました。あの暗い空間は母親のお腹の中だった様です。多分前世でも今でも母親のお腹の中にいる時の記憶あるのは俺だけなんじゃあないだろうか?

 

ま、そんな事より今の俺の話をするとしよう。

 

今の俺の名前は狭間奪(はざまだ) 幽義(ゆうぎ)。結構珍しい名前だと思うが、この世界ではこんな感じが普通だ。そしてこの世界だが、どうやら俺が生きていた前世の世界とはまた別の世界の様だ。

 

この世界には“個性”と呼ばれる特異体質……簡単に言えば前世で言う所の“超能力”を持つ人間が大勢いる。例えば口から火を吹ける奴、手足を刃物に変形出来る奴、物を触れずに浮かせられる奴、他にも見た目が完全にゴリラみたいな奴もいる。

まぁ、こんな超能力者的な人間が大勢いればそれを犯罪に利用しようと考える連中が現れる訳で、この世界は前世より犯罪率が高い。この世界ではそんな自分の“個性”を犯罪に利用する者は『(ヴィラン)』と呼ばれている。

また、逆にそんな彼等を取り締まる為に自分の“個性”を使って立ち向かう者達もいる。それが今この世界で1番注目されている職業(・・)、『ヒーロー』だ。

 

まぁ、ぶっちゃけヒーローとかには全く興味はないが、“個性”には大いに興味が湧いた。だって簡単に言えば“超能力”が使えるかも知れないんだぜ?アニメや漫画好きの人なら今の俺の気持ち分かるんじゃあないか?

 

因みに今の俺の両親も“個性”は持っている。

今の父親である狭間奪 白蛇(はくじゃ)の“個性”は【白蛇】。手足や体全体を白い蛇に変える事が出来る“個性”。

母親の狭間奪 間純(ますみ)の“個性”は【隙間】。ほんの1mmの隙間さえあればどんな所でも摺り抜けられる“個性”だ。

 

目の前で実際に見たがホントに不思議なものだった。特に母親……いや、母さんの“個性”は「どうなってんの?」と真顔で聞いてしまうぐらいには凄く不思議なものだった。聞いた話によると“個性”の発現は4歳まで……つまりもうそろそろ俺にも“個性”が発現する頃だ。“個性”によってはこの犯罪発生率が異常なこの世界の自衛手段に使えるので早く発現して欲しいものだ。

 

 

「幽義〜〜!そろそろ病院に行くわよぉ〜?」

 

「あ、うん。分かった。今行く」

 

 

おっと、母さんに呼ばれた。そういや今日病院行くって言われてたな。何故だろうか?まぁいいや!

 

 

 

数時間後…

 

 

 

「あぁ〜〜……小指に関節が2つあるね。この子“無個性”ですわ。なんの“個性”も持たない今ではそれなりに珍しい型だよ」

 

 

なんか俺の足のレントゲン写真を見ながらゴーグルみたいなのを付けた医者がそう言った。そっかぁ“無個性”ねぇ………。

 

 

(………え?マジ?)

 

 

えー、悲報。俺“無個性”でした。

 

 

 

 

 

 

「はぁ……“無個性”かぁ〜。ちょっとだけどんな“個性”が発現するのか楽しみにしてたんだけどなぁ〜」

 

 

個性診断を終えて数時間後、俺は自分の部屋のベッドに寝転がってボンヤリと天井を見上げていた。

こうして“転生”したならもしかして……なんて思ってたんだけどなぁ。

 

 

「はぁ………ん?」

 

 

ふと視線の様なものを感じたので部屋の中を見回すが、部屋にいるのは俺以外に誰もいない。

あれ?おかしいな。確かに2人分の視線を感じたと思ったんだけど………気の所為か?

 

 

「ま、いいか。早く寝よ……」

 

 

深く考える必要もないと思い、俺は自分のベッドに潜り込んで眠りについた。

 

 

『『……………』』

 

 

だがその時、寝息を立て始めた俺を見下ろす2つの人影に、俺は気付く事はなかった。

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