我が心と行動に一点の曇り無し!……多分!   作:☆桜椛★

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No.7 実技試験開始

今日は試験当日。筆記試験を終えた俺と響香は、講堂で“ボイスヒーロー”プレゼント・マイクによる次の実技試験の説明を聞いていた。

 

 

受験生のリスナー!今日は俺のライブによーこそー!!エヴィバディセイ!ヘイ!!

 

 

だが、説明してくれているヒーローが滅茶苦茶うるさい。しかも誰も返事を返していない。多分緊張を解そうとしてくれているんだろーが………流石に試験の説明時に返すのはな。

 

実技試験の内容は至ってシンプルだった。それぞれ指定された会場へ移動し、そこに多数配置されている3種類のロボット…仮想敵(かそうヴィラン)を行動不能にして、それに割り振られているポイントを稼ぐというものだった。

そして各会場に1体ずつ“0P”の仮想敵が配置されており、所狭しと大暴れしているらしい。こいつはギミックとして配置していると説明されたが、俺の勘が何かがあると訴えて来る。こいつには注意した方が良さそうだ。

因みに俺の試験会場はDで、響香の試験会場はCだった。同じ学校や友人同士で協力させないつもりらしい。

 

 

『俺からは以上だ。最後にリスナーへ、我が校の校訓をプレゼントしよう!かの英雄…ナポレオン・ボナパルトは言った!“真の英雄とは、人生の不幸を乗り越えていくもの”と!!

更に向こうへ………

 

Puls Ultra!!!

 

それでは皆!良い受難を……』

 

 

 

 

 

 

…って事で、響香と別れて試験会場に来たんだがよぉ。

 

 

「これ、ホントに学校が用意した試験会場かぁ?明らかに試験会場っつーか……町じゃあねぇーか」

 

 

高いビルは建ち並び、舗装された道路に街灯や街路樹、更にはデパートやコンビニ、電柱なんかまである。波動先輩から普段の授業ではあらゆる場面を想定して作られた演習場が敷地内に沢山あるって聞いていたが、予想の斜め上どころか真上を行っちまったぜ。どんだけ金持ってんだこの学校はよぉ?

 

 

『はいスタートォォ!!!』

 

「ッ!?」

 

 

会場を観察していた俺の耳にプレゼント・マイクによる開始の合図が入って来たので、俺は反射的に会場内に向かって走り出した。他の受験生達は皆、突然の合図に理解が追いついていないのか、まだその場を動かない。

 

 

『どーした!!?実戦にカウントなんざねぇーんだよ!!走れ走れ!!賽は投げられてんぞぉ!!?』

 

 

その言葉を聞いてやっと他の受験生達も動き出した。正直俺も危なかった。まさか試験でカウントがないなんてな。だが確かに実戦ではカウントなんざ存在しないし、この試験はヒーローを目指している者の試験だからな。少し油断し過ぎていた。

 

 

「んじゃ……こっからは本気で合格を狙うぜ!!

“D4C”!!」

 

 

俺は一度立ち止まって側に“D4C”を出し、自分が着ていたコートを空中に投げた。そして落ちて来るコートと地面に挟まれて“平行世界”へ行き、服装と髪型が違う4人(・・)の俺を連れて戻って来た。

 

 

「んで?呼び出されたはいいが、試験の内容を説明してくんねぇ〜か?」

 

「そぉ〜だなぁ。俺達はみんな、試験が明日(・・・・・)なんだからよぉ」

 

 

オレンジ色の髪に両脇腹部分に穴が開いている薄いピンク色のシャツを着た俺と、黄緑色の髪に二の腕部分がやたらトゲトゲしている白い服を着た俺が試験の内容の説明を求めて来る。彼等は全員、試験のある日が明日(・・)になっている“平行世界”から連れて来たので、誰も今行っている試験の内容を知らないのだ。

 

 

「あぁ、簡単に纏めると、この町みてぇーな試験会場に多数配置されている仮想敵っつーロボットをブッ壊して、ポイントを稼ぐ感じだ」

 

「成る程……つまりより多くのポイントを稼げばいいんだな?この俺のスタンドにピッタリな試験じゃあねぇーか」

 

「それなら俺のスタンドも一緒だろ?相手が生き物じゃないなら俺もやり易い」

 

 

俺の説明を理解した金髪に肩に『兆』と文字が書かれた改造学ランを着た俺と、白髪で『ENIGMA』という文字が書かれたコートを着た俺がニヤリと笑う。確かに2人のスタンドはこの試験ではかなり有利かも知れないな。

そう思っていると、ちょうど2P仮想敵が少し先の角から現れ、俺達5人の姿を捉えた。

 

 

『標的捕捉、ブッ殺ス!!』

 

「ふん!随分口の悪いロボットじゃあねぇーか。ちょうどいい、“バッド・カンパニー”!!」

ザッ!!

 

 

改造学ラン姿の俺がそう叫ぶと、彼を中心に小さな軍隊が出現した。

 

“バッド・カンパニー”。第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する虹村(にじむら) 形兆(けいちょう)の武装した歩兵60人、M1エイブラムスと呼ばれる戦車7輌、AH-64 アパッチと呼ばれる戦闘ヘリ4機で構成されたミニチュア軍隊のスタンドだ。攻撃による怪我は本物の兵器より小さいが、その威力は本物。更に射程距離が長く、群体型のスタンドの為、歩兵が1人2人倒されても本体にはダメージは及ばない。

 

 

「目標、正面の仮想敵!全部隊、一斉射撃よ〜〜い!

………ファイア!!」

 

 

“バッド・カンパニー”はその号令通り、仮想敵に向けて無数の銃弾、砲弾、ミサイルが放たれた。目標だった2P仮想敵はその攻撃によって徹底的に破壊され、バラバラになって道路に転がった。

 

 

「見た目より装甲は薄い様だな。これならアパッチ1機でも事足りそうだ」

 

 

成る程…つまり戦闘向きじゃない“個性”の連中の為に壊れ易く作られているのか。

 

 

「そうか……ならバラバラに行動した方が良さそうだな。そろそろ他の受験生も仮想敵と戦い始めただろぉーから、急ぐぞお前等」

 

「了解だぜ!」

 

「任せな!」

 

「やってやんよ!」

 

「腕がなるぜぇ!!」

 

 

連れて来た“平行世界”の俺達はそのまま別れて仮想敵を破壊しに向かった。後でジュースでも奢ってから元の世界に返すとするか。

 

 

「んじゃ、俺も行くか!」

 

 

そして俺も仮想敵をブッ壊す為に走り出した。

試験はまだ、始まったばかりだぜ!!

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