ハスター様の荘園日記   作:砂嵐に潜む昆虫

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 探偵は1ページ目を読み終わってから、やや頭痛を覚えながらもこの日記から他の情報を見つける事は出来ないかと更にページを捲ってみた。


2ページ目

 ★月▲■日

 

 庭師に懐かれて以降、『試合』外で彼女とエンカウントする確率が格段に多くなった。

 いや、正確には我がどこに行こうとも探しに来ていると言い直した方が良いのだろう。我としては『試合』外で生存者と馴れ馴れしくする気はなく、極力関わりたく無い、もっと言えば我好みにアレンジした部屋から出たくない。

 しかし、部屋に引きこもるとナルシスト(リッパー)が次の日にこれでもかと煽り散らしてきてそのまま喧嘩になるので、部屋からは積極的に出るようにしているのだ。

 

 我ら追跡者が開催者から提供されている自室出て、一本道の廊下を歩くと追跡者専用の休憩室兼娯楽室(以下休憩室)がある。その先のホールが『試合』開始までの待機場であり、そのホールを介した反対側に生存者達の自室と休憩室兼娯楽室がある。

 我輩はよく休憩室に自室から持ち出したお気に入りの本と、いつも誰に頼んでるわけでもないのに出来立てで部屋に置いてあるドーナッツを片手に優雅に過ごしているのだ。

 

 

 ●月☆□日

 

 悪酔いした狂眼やそれに付き合った道化師なんかが我や他の追跡者にダル絡みしてくる。これには我も我と読書愛好会を立ち上げ一緒に読書をしている白黒無常も毎度血管浮かばせてイライラさせられる。

 正直な話指名が無い間自室でゆっくりしていた方が絶対に心安らぐのだ。しかし自室に一日中篭ればナルシストが煽り散らし、休憩室に行けば白黒無常と一緒に読書できるが高確率で悪酔いした狂眼か道化師、どちらになっても我にはとってはハイリスクローリターンでしかないのである。結果、我は屋敷の外でしか心休まらないのだ。

 

 それを知ってか知らずか庭師は必ず我の元に現れて、やれ自分の父親の事やら、カカシさんなる人物の事やら、生存者側の休憩室では医師と泥棒の口喧嘩やらと聞いても何のメリットにもならないことばかり話してくる。

 最初の頃は只のおしゃべり好きの変人だと思って軽くあしらっていたが、回数を重ねる毎にそれにも慣れ、最近では庭師の話を最後まで聞いている我がいる。順応とは恐ろしいものだ。

 

 そんな話を聞いてる内に時間はあっという間に過ぎ去っていき、庭師の不在を心配した医師や生存者達が庭師を見つけて連れ帰る頃には、我の1日の休憩時間もほぼ終わりを迎える。

 しかし庭師を見つけた医師と泥棒が我が傍にいる度に凄まじい目でこっちを睨んで来るのには今だに慣れない、というか慣れられる気がしない。

 

 そして庭師は必ず去り際に「また明日もお話したいのだわ!」等と言ってから去るのだが、それを言われるとまたしても医師と泥棒の目線が厳しくなるのでそれだけは本当に言わないでもらいたいと毎回心から切に思っているのだが、現実とは常に無常である。

 

 庭師との談話を終え、屋敷に帰る頃には狂眼と道化師の酔いは醒め、魔トカゲを合わせた3人で休憩室の長机3つ占領して持ち出した工具で自分達の道具や武器の整備等をしながら談笑している。正常に戻ってくれているのは良いのだが、今度は3人の整備中の音が喧しいのだ。

 騒音がある程度小さい2階に行こうにも、2階は1階より席や机が極端に少ない上に、基本的に芸者や結魂者、ナルシストや夢の魔女と、魔女に拉致された泣き虫に最近屋敷に来た新参者の血の女王とかが女子会?なるものを開いているために行けず、白黒無常は得意な編み物を写真家に教える事に集中していて邪魔できず、断罪狩人は騒音の中でも耳栓も無しで平然と爆睡しており起こす訳にもいかず、最終的に我はそそくさと自室に帰って寝るまで読書をしているのだ。

 

 そう言えば、今日部屋に帰った時に私物が散乱していたり部屋の家具などが一部違う所にあったり、窓を開けたまま部屋を出たわけでもないのに鳥類の羽が落ちていたり、掃除中に壁にうっすらと見覚えのあるマークがあったのは気のせいだろうか。

 

 

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