一周した世界線   作:Achoo!

1 / 37
今回は少し外伝を...

ソルサクの『リブロム』の日記形式で、主人公の過去を『ある魔法使い』の視点から語ります。
なるべくソルサクと同じ様に5章くらいの構成で書きたい。


ある魔法使いの日記
神喰いの旅路 1-1


「やあ。キミが幻影に悩まされているという、今噂の魔法使いかな?」

 

 

グリム教団が情報交換に使用するという酒場。

 

自分はニミュエの呪いを解く方法を探す為に、幻影を見せる『赤ずきん(レッドフード)』という魔法使いを探している。

 

だがー

 

 

「へぇ〜...普通の魔法使いとそう変わらないけどねぇ...」

 

 

胡散臭い男だ。

 

年は自分より少し下に見える。

 

なのに男の纏っている、魔法使いとしてのオーラは並大抵の物では無い。

 

言うなれば...そう、かつて『アヴァロンの模範』とも言われたモルドレッドと同じ...いや、それ以上だろうか。

 

 

「キミ、名前は?」

 

 

男はそう聞いてきた。

 

今まで自分が逢ってきた、どの魔法使いとも違う...そんな存在。

 

いや...彼らとは全くもって異次元の存在だろう。

 

『人の名前を聞くときは、先に名乗るものだ』と男に伝えると、酒場の席を立ち出口へ向かおうとする。

 

 

「ふーん...なるほどね。見たところ【憎しみ】を取り込んじゃった訳か...それもとびっきりの澱んだやつを...」

 

 

自分は、その声が聞こえた瞬間に男の方へ振り向いていた。

 

 

—なぜ、そう言い切れる?

 

 

「多分今のキミには、僕の姿が歳下に見えるだろうね。でも、それなりには人を見てきたつもりさ。その経験ってところかな?」

 

 

—なるほど。やはり先程感じたオーラは間違いではなかったらしい。

 

 

「僕の名前はイオン。アヴァロンのしがない魔法使いさ」

 

 

男はそう自己紹介する。

 

しかし、『しがない』というのは間違いだろう。

 

その証拠に彼のその右腕は、明らかに度を逸して魂を取り込んでいる。

 

普通の魔法使いならば、とっくに自我は崩壊し魔物に成れ果てているだろう。

 

しかしイオンは、まるでなんともないかのように振舞っていた。

 

 

「僕の興味があるのは、君の右腕に取り込まれた魂だ。大方、【試験】の時の相棒の魂に苛まれているんだろう?」

 

 

—完全にお手上げだ。

 

今の自分では、イオンに一矢報いることすら出来ないだろう。

 

自分の命は既に握られている。

 

 

「まあ...別にキミをどうこうするわけでもないさ。ただ少し、付き合って欲しいんだよ。自分の旅に」

 

 

—言っていることが矛盾している。

 

 

旅に連行される時点で、どうこうされていると思うのだが...

 

 

「そう気にしないでよ...僕が観たいのは、今のキミの生き方さ」

 

 

イオンはそう言うと酒場を後にする。

 

ついて行かなければ、自分の身が危ない。

 

そう考えると、自分はイオンの後を追いかける様に酒場を出ていった。

 

 

 

それにしてもイオンという名前に引っかかりを感じる。

 

どこかで聞いたことのある様な、そんな名前を名乗った男。

 

彼は一体、何者なのだろうか...?




こっちが更新されている時は『本編が行き詰まっているんだなぁ』とでも思っててください...
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。