一周した世界線 作:Achoo!
「あぶねぇ!」
「暁、おはよう」
始業5分前に教室に入る。なんとか間に合ってホッとしていると、既に登校していた達也に挨拶をされる。
「おはよう達也」
「今日は遅かったな。何かあったのか?」
「まあね」
曖昧な返事を返す。
「そういえば、生徒会長が昼に生徒会室に来てくれって言ってたぞ」
「はぁっ!?どーいう事だそれ!?」
「わからん...しかも俺も呼ばれているからな」
「どうなってんだ...」
朝から憂鬱なお知らせを聞くのはキツい...
昼休み。
達也と生徒会室へ向かう途中で深雪さんと合流する。どうやら彼女も呼ばれているらしい。まあ総代だったし当たり前か?
「生徒会室で昼食なんて、楽しみですねお兄様」
「そうだな……」
にしてもなんか嫌な感じがする。達也の方を向けば難しい顔をしていた。もう生徒会室は目の前だ。引き返す事も出来ない。覚悟するかぁ...
「1-Aの司波深雪と1-Eの司波達也です」
「同じく1-Eの財田暁です」
「どうぞ」
合図と共に扉のロックが解くと、達也が扉を開ける。視界に入ってきたのは、副会長と思われる男子生徒を除いた生徒会役員と風紀委員長だった。
「よく来てくれたわね。どうぞ座ってください?」
「失礼します」
達也と深雪さんが席に座ったのを見て、自分も席に着く。
「入学式でも紹介したけど、一応もう一度紹介するわね。
私の隣に座っているのが会計の市原鈴音、通称リンちゃん」
「私のことをそう呼ぶのは会長だけです」
「その隣が風紀委員長の渡辺摩利。そして書記の中条あずさ、通称あーちゃん」
「会長!お願いですから下級生の前であーちゃんはやめてください!私にも立場というものが...」
「もう1人副会長のはんぞーくんを含めた4人が今期の生徒会です」
「私は違うがな」
「はぁ...」
ここは名字呼びした方が良さそうだ。可哀想だし。
「そういえば渡辺先輩、お弁当なのですね」
「そうだが...珍しかったか?」
「いえ。その手を見れば、日々作っていることは分かります」
「お兄様、私たちも明日からお弁当にしましょう!」
「それは嬉しい提案だが、2人で食べる場所がね...」
「2人で食べるのは確定なのか...」
「暁も弁当なのか?」
「まあね。米炊いてベーコン焼いたもの詰めただけだけど」
「栄養バランスとは一体何だったのか...?」
ほっとけ。美味くて午後からのエネルギーになれば良いんだ。
「それにしても兄妹ではなくまるで恋人の様な会話ですね」
「そうですか?まあ血の繋がりが無ければ恋人にしたい、と考えたことはありますが」
市原先輩、なぜそこに爆弾を投げ込んで打ち返されてるんだ...誘爆して他の人も顔が赤くなっている。にしても空間が甘い。ベーコンがすごい甘い。
「...冗談ですよ?」
「ふえっ!?」
一片の笑みも浮かべず、達也は淡々と告げた。本気で信じた中条先輩と深雪さんが驚愕の声を上げている。うーわやることがえっぐい。
「そろそろ本題に入りましょうか」
結局ここまで昼ご飯を食べていただけだった。やっと本題に入るのか...
「当校の生徒会長は選挙で選ばれますが、他の役員は生徒会長によって選任、解任されます。また各委員会長は一部の例外を除いて、生徒会長に任命権があります」
「私の務める風紀委員長はその例外の1つにあたる。風紀委員は生徒会、部活連、教職員会の三者から3人ずつ選任され、その内部選挙により風紀委員長のは選ばれる」
「さて、これは毎年の恒例なのですが、その年の新入生総代を務めた1年生には生徒会役員になって貰っています。深雪さん、私は貴女が生徒会に入ってくださることを希望します」
「あの...会長は、兄の入試の成績をご存知ですよね?優秀なものを生徒会に入れるのなら、兄を入れる事は出来ないのでしょうか?」
「そういう訳にもいきません。一科生しか生徒会役員にならないというのは規則ですので」
「そうですか...」
なるほど...それで2人を呼んだのか。ならなんで自分は呼ばれたんだ?
とりあえず市原先輩に言われた事を完全に納得した訳では無いのだろうが、深雪さんはとりあえず諦めたようだ。
「それはそうと、ちょっと良いか?」
「何よ」
「風紀委員の生徒会選任枠がまだ決まって無いんだが」
「それはまだ選定中よ!」
「風紀委員には一科生縛りは関係無い、それに今年からは合同選出枠が1つ出来ていたな?」
「摩利...貴女」
まさか...
「ナイスよ!そんな抜け道があったなんて!我々生徒会は司波達也君を風紀委員に任命、財田暁君を合同選出枠に申請します!」
「お兄様!!」
「いや、そんな『決まりですね』みたいな顔で見られても...」
「しかも、なんで自分まで巻き込まれなければならないんですか...」
「司波は構築された魔法式を識別する能力がある。そして財田は一科生にCADすら抜かせなかった能力がある。それを鑑みればわかるだろう?」
「そうですが...」
「とりあえず放課後にもう一回来てね?」
「分かりました...」
「了解です...」
結局、反論虚しく自分は風紀委員会合同選出枠に推薦、達也は風紀委員に生徒会推薦をされてしまった...
「俺らどうなるんだろう...」
「言うな。考えたくない...」
次は戦闘シーンあり。服部先輩戦です。