一周した世界線   作:Achoo!

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みなさんの朱の擬人化イメージってどんな感じなんですかね...



自分としては幼女とまではいかない、少女っぽいイメージ。


神喰いの旅路 2-1

「いっちょあがり!」

 

 

イオンは徘徊していた毒緑ゴブリンを【憑依者の豪槍】で突き殺す。

 

溶けてコールタールの様になった魔物の身体から鼠が出てくると、彼は気にする事なくそれを【生贄】にした。

 

 

「...どうかした?」

 

 

—いや、なんでもない。

 

問いかけてきた彼へぶっきらぼうに返答する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...飲みなよ」

 

 

イオンはそう言うと前に置かれたグラスを呷る。

 

彼に連れてこられたのは【エルフの谷】にほど近い辺境の街。

 

そして今居るのは、その街の小さな酒場だ。

 

【エルフの谷】は色欲の魔物である【エルフ女王】が住まうとされる。

 

そして【エルフ女王】は特徴的な魔物で、街に現れては幼い子供を攫うという習性がある。

 

 

「住人が言うには、ここや近隣で不審な事件が発生しているらしい」

 

 

—不審な事件。

 

近隣の村や町で行方不明者が出ているらしい。

 

それもまだ小さな子供ばかりだと街の人々は語る。

 

 

「ここは【エルフの谷】も近いし、もしかすると【エルフの女王】がまた出てきたのかもしれない」

 

 

そう彼は言うと、懐から紙を取り出した。

 

【エルフの谷】における行方不明者の捜索、並びに【エルフの女王】発見・排除というアヴァロンからの要請書。

 

 

「じゃあ、行ってみるか...」

 

 

彼は席から立ち上がると、テーブルに幾枚か硬貨を置く。

 

その金額から見るに自分の分も払ってくれる様だ。

 

 

「行くよ?」

 

 

既に出口を出ようとしている彼は、自分の方を振り返る。

 

—わかっている。

 

そう返事をし、彼を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっちはどうかな?」

 

 

—誰もいないな。

 

毒緑ゴブリンを次々と生贄に変えていくイオンを尻目に、自分はある程度応戦しつつ行方不明者の捜索を行っていた。

 

だが誰もいないのだ。

 

しかも何かがおかしい。

 

普段、【エルフの谷】では常にと言っていいほど綿毛が舞っている。

 

だが今のここには綿毛が舞っていないどころか、タンポポすら咲いていない。

 

これは一体何が...

 

 

「...上か」

 

 

彼がそう呟いたその瞬間、真上から物凄い量の綿毛が舞い降り、それに包まれる様に何かが降りてくる。

 

 

「来たか、【エルフ女王】」

 

 

降りて来たのは討伐対象の【エルフ女王】。

 

そしてその腕には女の子が抱えられていた。

 

 

「攫ってきた直後ってわけか...」

 

 

彼はそう言うと『火帝石の破片』を供物に炎の槍を顕現させる。

 

 

「いけるな?」

 

 

彼は自分に、女の子を傷つける事なく助けられるかを問いている。

 

彼に合わせて自分も『魔王のフォーク』を供物に炎の剣を顕現させた。

 

 

—あたりまえだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶がプッツリと途切れている


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