一周した世界線 作:Achoo!
読みにくかったらスマヌ。
【SCP-444-JP】
オブジェクトクラス:けてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてるけてる
エサをやるな、知るな、閉じこめろ...
ーーー
くらう。食らう。喰らう。世界を喰らう。精神を喰らう。人を喰らう。
世界を覆い尽くそうとする災厄は、とどまる事を知らなかった。
とある1人が見つけてしまった。ただそれだけで全ての意識は繋がり、世界は狩場へと変貌を遂げた。
ーーー
私は狩り続けた。世界を狩って、精神を狩って、人を狩った。
私には喰らう事しか興味がなかった。それ以外の事は何1つ知りやしない。
そして人は滅びた。いや、私は計画的に狩り続けていたはずだ...それなのになぜ?
なぜ滅びた?
なぜいなくなった?
私じゃない誰がやった?
ねぇ、なんで?
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?——————————————————————————
もウここニは誰もイない。喰らウべき物ハ既に何モなイ。
空モかつテの青さヲ取り戻シツつあル。
蓄エなけレバ消費すルだケ。わタしとイう存在もアとは消えルダけ。
あア、ドこでまチガえてしマっタのダロう?
ナぜ、イナくなっテしまッタのダろウ?
ナゼ、ワタシ、ハ、ウマレタノダロウ?
ワタシ、ハ、ナニモノナノダロウ?
ダレカ、オシエテ...
ダレカ...
「【認識の鳥】なら鳥じゃないの?
でもここまで悩む鳥って見た事ないね」
(ニン...ゲン...?なんデ...ここニ?)
「お前が人間を滅ぼした訳じゃないさ。食べる?」
(いいノか...?)
「精神を喰らう鳥だってのに...ほら」
ワタしは喰ラッた。クち一杯ニ味がヒろガル。血ノ味、肉ノ味、骨ノ味、精神ノ味ガひろがル。
ダけど、コのニンげンはヒとツも痛ガる素振りを見せない。
ああ。力が漲る。消えかけていた実体が強くなり、空は再び赤色へと戻る。
「腹一杯になったか?」
(ああ。ありがとう...)
「お前にそんな事を言われるなんてな」
(でも、なんでお前は生きている?)
「さてね。俺があまりにも特殊だから、かな?」
(お前は...何者なんだ?)
「財団の生き残りとも言えるし、敵対組織の長とも言える」
(お前は...いや、あなたは誰だ?)
「俺は███。財団の機動部隊【███ █████】の隊長ってとこかな。俺以外はみーんな死んじゃったけど」
(あなたは、どこに行くんだ?)
「取り敢えず【公園】の跡地かな。【███████】を起動しに行くよ。全てをもう一度やり直すために」
(私があなたについていっては迷惑だろうか...?)
「迷惑なもんか。そう言うって事は、話し相手になってくれるんだろ?」
彼はそう言うと両手を私の方に差し出す。
(なにをしている...?)
「ここから先、お前が一緒に生きて行ける様に【誓約】をするのさ」
(わかった)
「これは切ろうとしても切れない【血の誓約】。俺はお前に俺が持っている総てを、お前は俺にお前が持っている総てを共有する。いいね?」
(ああ...いや、はい。私はあなたに総てを託します)
今まで【意識】や【本能】で生きてきた私に、えもしれない【感情】が生まれたのはこの時だ。
「じゃあ行こうか、【朱】。ともに...」
その時から私は【朱】となった。
ーーー
あれから何十年経ったのだろう。
未だに私は彼の総てを理解する事は出来ない。
だけど私は彼に惹かれてしまっている。
時にはおっちょこちょいで、時には何かに本気で打ち込んでいる彼に。
かつて私は彼に助けられた。私は彼についていった。一緒に世界線を超えてきた。
私は彼に恩がある。しかし私は何も彼の恩に報いる事は出来ていない。
だけど...
「テロリストの連中なら喰っても構わん。準備はいいな?」
今日やっと彼の役に立つ事が出来る。私の中でこれほど嬉しい事はない。
彼は私の枷を解き始める。
「【あかしけ やなげ 緋色の鳥よ くさはみ ねはみ けをのばせ 】」
彼が抑えていた私の枷が外れ、周辺が阿頼耶識の空に飲み込まれる。
「【なのとひ かさす 緋色の鳥よ とかき やまかき なをほふれ 】」
彼が抑えていた私の枷が外れ、阿頼耶識の空が現実と繋がる。
「【こうたる なとる 緋色の鳥よ ひくい よみくい せきとおれ】」
彼が抑えていた私の枷が外れ、私の姿が【かつて全てを喰らった姿】に変わる。
「(【緋色の鳥よ 今こそ発ちぬ】ッ!)」
私はかつての様に本能を剥き出しにする。全ては彼の望むままに。
本当に逢えるまで、あとすこし...
待っていてね暁...いえ███。
その時は私の気持ちを...あなたに伝えますから。
言っておきますが、ヒロインは朱ですよ?