一周した世界線   作:Achoo!

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久々に家で麻婆豆腐を食べたけど、やっぱり麻婆豆腐って美味い。


九校戦編
魔法使いの忠告


「お疲れー」

「暁!テストどうだった⁉︎」

「多分出来てる...はず」

 

6月中旬。

テストが終わり、堅苦しい教室を出るなりレオが話しかけてくる。

自分は実技が出来なくても、学術の方は完璧にやってきたつもりである。第一にこの世界線が始まった当初から、この世界の魔法の移り変わりは観察してきたので、解けない方がおかしいのだが。

 

「マジかー!俺も頑張ったんだけどな...でも達也に教わったところは全部解けたぜ」

「レオ、暁」

「おっ、達也お疲れー。どうだった?」

「自分なりには良く出来たと思ってるよ」

 

そこへ達也がやって来た。達也もテストは自信がある様だ。

 

「これからどうするよ?」

「そうだなぁ...」

「そういえばエリカが『テストが終わったらお疲れ様会でもしよう』と言っていたぞ」

「んじゃ、参加しますか」

「賛成だぜ!」

 

達也の言葉に乗っかって、お疲れ様会に参加することになった。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

時は少し進み、6月下旬。

学校に登校するなり教師に呼び止められ、放課後に指導室に来る様に言われた。

放課後、指導室へ向かうとなぜか達也と鉢合わせる。

 

「あれ、達也?」

「暁?お前もか?」

「...どうやら呼び出された内容は同じみたいだな」

「ああ...」

 

多分呼び出された内容はテストの結果なのだろう。

この学校では、採点終了後に学校掲示板には成績上位者なランキングが張り出される。

実技試験の方は順当に一科生が上位を占めていたのだが、学術試験の方で大問題が起こった。

二科生の2人、達也と自分の1位2位ランクインという事が起こった。ちなみに達也が合計500点満点で、自分が合計498点である。

 

「どうせしょうもない事を言われるんじゃねーの?」

「だろうな...ストレスで腹が痛い」

「胃薬いるか?」

 

懐から胃薬瓶を取り出すと達也に渡す。

 

「ありがたいな...でもなんで胃薬なんか持ってるんだ?」

「聞くな...色々あるんだ」

 

そう、色々あるのだ...アンダーソンの大馬鹿野郎の対応とかなぁ!

...思い出すとまた胃が痛くなってきた。達也から返された胃薬瓶から一錠、薬を取り出すと水も無しにそれを飲み込む。

 

「じゃあ、入るか...」

「ああ」

 

意を決して指導室の扉を開けた。

 

ーーー

 

「「転校、ですか?」」

「そうだ」

 

開口一番、教師から飛び出したのは意外な一言だ。てっきりカンニングでも疑われたのかと思った。

 

「教職員側は『実技試験を手抜きでやったのでは』という予想が出てきていたんだが...」

「そんなもの手抜きできる実力があるなら、今頃ここに花の紋章が入ってますよ...」

「考えてみれば、いちいち二科で入学するメリットなど存在しないからな。そこでだ」

「「?」」

「これだけの点数を取れるならここよりも四校に行った方が後々良いのではないか、という意見が出たわけだ。四校なら技術開発の授業などが充実しているし、財田くんはともかく司波くんは魔法技師希望なのだろう?」

「は、はぁ...」

 

多分先生方も善意で薦めているのだろう。

確かに魔法大学付属第四高等学校、通称四校は技術開発分野について力をいれているが、別段他の魔法科高校より実技分野を疎かにしているわけでもない。

 

第一に自分が東京を離れてしまうと、【会議】の開催や各組織間の連携の質が下がってしまう。更には機動部隊の作戦行動にも支障が発生するだろう。アベルが動かなくなるのは目に見えている。

 

「薦めてもらっているのはありがたいのですが、自分は辞退させて頂きます」

「財田に同じく自分も辞退させて頂きます」

「そうか...確かに君達の進路を決めるのは君達自身だからな。いらぬお節介だったか」

「いえ、薦めていただいた事には感謝しています。ですがあまり自分は東京を離れる訳にもいかないので...」

「それは済まなかったな。では要件はこれで終わりだ。下校してもらって構わない」

「「失礼しました」」

 

達也が指導室の扉を開けて、退室するのに続く。

 

「お前わざと満点取らなかったろ...」

「あっ、やっぱりバレた?」

「カマを掛けただけだが?」

「oh...」

 

うーんやっぱりあの坊主の弟子って事はある。食えない性格してるよまったく...

 

「やはり東京を離れられないのは【仕事】のためか?」

「そんなんでこっちを揺さぶってるつもりか?

どうせ俺の素性、仕事についてあの坊主に聞いたんだろ?」

「...何の事だ?」

 

達也はカマを掛けるのは得意でも、嘘は上手くつけないらしい。

 

「とぼけんのも良い加減にしろよ。九重から情報を貰ったんだろ?」

「なぜそう言い切れる?」

「簡単な話だ。俺は九重の事をよく知ってる。それだけだ」

「やはり分かってしまうか」

 

そう言うと達也はこちらを真っ直ぐ見据えて、睨んでくる。

 

「始めて聞いた時は耳を疑ったよ。この学校に2人も公安の捜査官が潜入しているなんて知った時には」

「俺と小野先生が、か?」

「ああ、なぜこの学校に公安の手が伸びるのか分からなかったからな」

「...公安と言っても俺の所属する部署はちょいと特殊でね。小野先生が所属しているみたいな通常の公安とは違うからな。

別段俺は何か捜査を行うためにここに入学した訳でもない」

「ならお前の狙いは一体何なんだ?その返答によっては、俺はお前を敵と見なさなければならない」

「別に何もないさ。ただ単にこの学校に興味があった。それだけだよ、Mr.シルバー?」

「なぜそれを...」

「いや...国防陸軍独立魔装大隊所属、大黒竜也特尉と読んだ方が良いかな?」

「そこまで調べたか...」

 

自分に対して嘘はつかない方が得策だと、達也は判断した様だ。その方が話が進みやすいのでありがたい。

 

「まあそう睨むなよ。ウチの部署の情報収集能力を舐めない方がいい」

「...ここまで調べておいて、お前の狙いはなんだ?」

 

達也はそう言うと、懐から『シルバー・ホーン』を取り出しこちらに銃口を向ける。

それに合わせて自分も懐から【SCP-710-JP】を取り出し、達也に銃口を向けて撃鉄を起こす。

 

「さっきも言った様に、別に俺には何の目的もないさ。達也たちの生活を壊す事もないし、何か起こった時には協力するつもりだ」

「...」

 

そう言って【SCP-710-JP】を再び懐へとしまう。達也は未だにシルバー・ホーンをこちらに向けている。

 

「それに俺がここまで調べたのも理由はある」

「それはなんだ?」

「じゃあ達也、一つ質問しようか」

「なんだ?」

「なぜこの世界に魔法という空想上の存在が根付いてしまったか、知っているかい?」

「【始まりの魔法使い】表舞台にが出てくるまで、世界の始まりから秘匿されてきたんじゃないのか?」

「まさか。もっと単純な理由だ。俺はそれを達也になら伝えても良いと考えている」

 

そう言うと達也はシルバー・ホーンを懐へとしまう。

 

「だがそれを知るには、こちらに協力して貰う必要があるけどな」

「ギブアンドテイクって訳か」

「当たり前だろう。世界の何処に情報をタダで渡す奴がいるんだ?」

 

そう言って達也に背を向けると、昇降口へと歩き出す。

 

「そしてこれは忠告だ。防衛陸軍の【独立魔法科大隊】には気をつけた方が良い」

「どういう意味だ」

「【負号部隊】と言えば君の上司は分かるだろう。じゃあな、また明日」

 

階段の方へと曲がった瞬間、朱に認識阻害をかけさせる。

踊り場まで行き階段を見上げると、そこには達也が立ち尽くしていた。

 

 

 

もうすぐ九校戦だって言うのに、謎ムーブをする必要があるっていうのも面倒な話である。

また胃痛の要因が増えてしまった。【SCP-500】の服用許可って降りるかな...




今回登場したオブジェクト
・【SCP-500 万能薬】 Dr Devan様
http://ja.scp-wiki.net/scp-500


暁くんは達也に世界の秘密を教えても良いと判断した模様。
その理由は皆さんで予想してください。
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